ホンダマレーシア、累計出荷台数が60万台に

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3月30日、ホンダマレーシアは累計出荷台数が60万台となったことを発表。また、2週間前の3月17日には、2008年から販売されているBセグメントセダン「シティ」の累計出荷台数が、25万台となったことが発表されている。これらの数字から、実に全出荷台数の24%が「シティ」という構成になっている程、マレーシアでこの車種の人気は高い。私自身、初代シティの購入者であり、プロトン車との比較で燃費性能に優れていた記憶がある。



年間の出荷台数でも、2000年代はいつもトヨタに次ぐ4位の販売台数であったが、ここ数年は販売が好調、2016年は非国民車としてはトヨタを抜いて1位の座に、全体でも2位に上昇している。2016年の市場シェアを見ると、プロドゥアは相変わらず30%超の市場シェアを確保している一方、ホンダが15.8%、プロトン12.5%、トヨタ11.0%となっている。

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次に販売台数を見ていくと、2012年の年間販売台数は35万台程度であったのが、今は90万台超と約2.6倍以上の数字。逆に、2012年は140万台の販売数量を誇っていたプロトンだが、2016年には72万台と約半分に激減しているのが特徴となっている。

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以前であれば、価格優位であったプロトンが外国メーカーに対してアドバンテージを有していたが、国民所得の増加と共に生活に余裕ができてきたことから、価格以外の要素が重視される傾向にあるのだろう。例えば、JDパワーの品質評価や顧客満足度評価において、ホンダは常に上位に位置していたが、プロトンは最下位が定位置となっていた。国民所得が低い時であれば、安かろう悪かろうでも売れる時期であったろうが、今はもっと広い視野から消費者は商品を選ぶことができる。価格だけでなく、エンジン性能であったりデザイン、燃費性能、ブランド力、保守費用など、総合的に判断することが可能であろう。

元々、マレーシア人は商品選びにはかなり慎重であり、価格に対してシビアな国民性である。ただ、豊かさと共にこうした嗜好に変化が生じていることは感じる。オンラインショッピングでも、以前は価格優位性が最も人気の理由であったが、現在は利便性に対するプライオリティが高まっているという調査報告が出ている。

プロトンは、こうした変化に対応することができず、従来の枠組みの中でしか戦略を考えることができなかったのだろう。本来であれば、高い市場シェアの時にこそ、製品開発でイノベーションを進め、問題点の改善を行うべきであった。しかし、プロトンは初期不良に対する改善、或いはアフターサービスの改善を疎かにしてきた印象が強い。それは第一国民車としての奢りであっただろうし、いざとなれば連邦政府が手を差し伸べてくれるといった甘えがあったのだろう。国際的な自動車メーカーと戦略的提携の話も進んでいるが、昨年は5社がショートリストに入っていると噂されていたものの、実際に意思表示をしたのは中国の吉利汽車とPSAだけ。更に最有力とされていた吉利汽車についても、プロトンとの提携に対して最近はかなりトーンダウンしている。新聞記事では、海外メーカーが東南アジアで販路を築く上で、プロトンのネットワーク基盤はアドバンテージとして働くとしているが、マレーシア以外でプロトンの販売力はそれ程高くないし、自社のブランド力でゼロから築いた方が効率性が高いと思われる。

更に、ホンダは2016年に新型4車種投入することを発表しており、攻めの姿勢が見える。BR-Vと新型シティは既に第1四半期中にリリースされたので、あと2車種リリースされる予定。また、トヨタも新型4車種をリリースすると発表しており、非国民車首位に返り咲くこと狙っている。

マレーシアは、国民生活において自動車の位置付けがまだまだ高く、更なる成長が期待できる市場である。若い世代においても、自動車はステータスシンボルであるし、購入後も改造などで巨額の費用を投じる消費者が多い。こうした成長市場において、プロドゥアやホンダ、トヨタはかなりアグレッシブに事業を展開しており、今後、市場をどのように牽引していくのか楽しみでもある。

マレーシアデジタル経済公社、2016年の実績発表

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3月16日、マレーシアデジタル経済公社は『2016 MSC Malaysia Performance Announcement』を発表(プレスリリース)、2016年のMSC企業による投資額がRM163億を記録したことが示された。その内、RM64.3億は新規投資家によるもので、2015年から40%もの増加。
また、MSCステータス企業による輸出販売も前年から18%増加しており、2015年のRM162億から2016年にはRM191億へ増加している。特に高い伸びを示したのがクリエーティブコンテンツ&テクノロジーで、2016年の輸出販売額はRM11.7億。昨年は、バンダイナムコスタジオがマレーシアにオフィスを構えるなど、日本企業の進出も活発化している。現地企業においても、欧米諸国向け輸出が年々拡大傾向にあり、主要産業の一つの成長する可能性を秘めており、昨年には域内のゲームハブ構想を発表している。主な輸出先はシンガポール、米国、ドイツ、オランダ、英国となっている。

また、e-commerce、IoT、クラウドデータセンター、 ビッグデータ分析/セキュリティーといったニッチフォーカスエリアは、2014年から10倍の成長を記録。2015年の輸出額はRM37億で、2015年から38%の伸びを示している。

MDECのDatuk Yasmin CEOは、「昨年、電子商取引は前年比2倍の好調な成長を見せ、2020年までにGDP貢献額をRM2,110億とするビジョンに近づいている」とし、目標達成に自信を見せている。



マレーシアは、元々デジタルコンテンツに対するアウトソーシング事業において世界的にも高い評価を得ていた実績がある。アニメコンテンツやゲームコンテンツ制作は欧米諸国の高い需要に支えられており、世界的に名の知れたコンテンツをマレーシア企業が手掛けている。更に、教育分野においてもこうしたデジタルコンテンツを支援する大学や専門学校が急増しており、比較的優秀な人材が育っていることも追い風になっている。

連邦政府レベルでも、ナジブ首相は2017年を『Internet Economy』と呼び、マレーシア経済がさらに加速するための新しい成長分野に適用するよう国民に呼び掛けている。

そして3月22日には、ナジブ首相とアリババグループのジャック・マー会長が出席し、世界初となる『DFTZ: DIGITAL FREE TRADE ZONE(デジタル自由貿易区 )』が発表された(MALAYSIA LAUNCHES WORLD’S FIRST DIGITAL FREE TRADE ZONE)。DTFZでは、電子商取引を促進するため物理ゾーンと仮想ゾーンを提供、2020年のGDP貢献額であるRM2,110億の実現を目指している。 同時にマレーシア中小企業の二桁成長、そして2025年までに輸出額US$250億、6万人の雇用が期待されている。

今回のセレモニーで締結されたMoUは以下の通り。

マレーシアデジタル経済公社とアリババグループはDTFZ内でElectronic World Trade Platform構築のため、電子商事業向け、貿易円滑化、中小企業研修、企業向けクラウドサービス、eFulfilment、ロジスティックハブからなる域内ハブ開発を行う。

Malaysia Airports Holdings BerhadとCainiao Networkは、DTFZイニシアチブの一環として、KLIAエアロポリスにて域内電子商取引及びロジスティックハブの開発を行う。

AlipayとMaybank、及びAlipayとCIMBは、マレーシア国内でAlipayバーコード決済を開始、中国本土の旅行者はマレーシア国内で『Alipay e-wallet』を使用することができる。

MDECとCatcha Groupは、クアラルンプールインターネットシティ構築で協同する。











マルチメディアスーパーコリドーは1996年にマハティール元首相の提唱によって設立され、ITに特化した特別区として国内外で大きな話題となった。そしてナジブ政権になってからは、マルチメディアスーパーコリドー対象地域が拡大され、多くの知識労働者を雇用するに至っている。また、多くのグローバル企業がMSC対象地域に拠点を置き、クリエーティブコンテンツやe-commerce、クラウドデータセンターといった分野で強さを発揮している。そしてアリババグループのジャック・マー会長がDFTZに参加したことで、マレーシアが電子商取引において域内ハブとして大きく飛躍する可能性を見せている。マレーシアには海外の優秀な企業家との協同も積極的に進める土壌があることから実現したプロジェクトだと言えるし、スピード感も感じることができる。

私自身、仕事でクリエーティブコンテンツ企業やIoT企業などの経営者と話をする機会が結構あるが、いずれも右肩上がりの成長を続けており、ベンチャーであっても結構大きな仕事を請け負っている。また、彼らの事業対象地域が国内ではなく、ほぼ海外であることも特徴だろう。知識労働者の品質そのものは日本に及ばないものの、政府がこうしたインターネットフレンドリーな政策を打ち出すことで魅力的な産業クラスターが形成される。また、マレーシア政府は外国人であるジャック・マー会長をデジタル経済アドバイザーとして任命しており、本気度の高さを認識できる。そのマー会長は、「中小企業や若者がより公平に世界市場に挑戦できる環境を支援する」と約束、マレーシアから世界的なITベンチャーが生まれる可能性も期待できるのでは。


MIDA、2016年投資認可額発表

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3月2日、マレーシア工業開発庁から年次報告書『MALAYSIA Investment Performance Report 2016』が発表された。Dato 'Sri Mustapa Mohamed通商産業大臣は発表に際し、「2016年、マレーシアは引き続き投資成長の勢いを維持しています」と述べ、マレーシアが投資先として好調を続けていることを示した。

まず全体の投資認可額はRM2,079億(前年比+7.7%)、案件数4,972件(前年比-4.5%)であり、153,060人の雇用創出となっている。投資比率については、国内投資がRM1,489億で全体の71.6%を、そして海外直接投資はRM590億で同28%となっている。外国直接投資は前年がRM361億であったので、63.4%も増加していることになる。また、マレーシアへの主要投資国は、米国とオランダ、中国、日本、シンガポール、韓国、英国であり、総投資額の55.8%を占めている。産業別でみると、第3次産業が1,412億で全体の68%を占め、2015年から23%も増加している。逆に。第2次産業は2015年のRM747億から2016年にはRM585億と22%の大幅減。

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製造業においては、2016年は733件のプロジェクトが認可(2015年は680件)されたものの、投資額は2015年から大きく落ち込んでいる。また、ペトロナスがジョホール州とサラワク州で手掛ける石油精油及び石油化学プロジェクトがRM353億となっており、製造業における全投資額であるRM585億の6割を占めている。さらに、RM10億超の大型投資は10件を記録。

セクター別での直接投資を見ると、石油製品がRM159億で全体の27%を、電子・電気製品はRM92億で16%となっている。以前は電子・電気機器がマレーシア経済の花形産業であったが、周辺諸国との厳しい競争から、投資対象国としての魅力を失いつつあると言えるだろう。私が知っている日系及び現地製造業は、いずれも事業規模の縮小を余儀なくされている。

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次に製造業における州別の直接投資先を見ていくと、ジョホール州がRM264億と他を圧倒していることが分かる。ジョホール州については、今年2月にSaudi Aramco社とペトロナス社が石油精製・石油化学コンビナート事業へRM310億という大型投資で合意に至っており、2017年も更なる拡大が期待されている。

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また製造業向け直接投資国は、中国がRM47億で首位に位置しており、日本はRM19億で7番目となっている。マレーシアの中国寄りは最近顕著になってきており、昨年11月にナジブ首相が中国を訪問した際には、マレー半島横断鉄道建設計画、サラワク州の鉄鋼プラント開発、クアンタン工業団地でのシリコン太陽電池生産、サバ州石油ガスパイプライン建設計画など、14項目に渡る約RM1,440億規模の官民プロジェクトに合意している。シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道事業に関しても、国内では中国が日本より優勢の印象が強い。企業レベルでも、産業用機械などは中国メーカーが存在感を示している。確かに、品質や機能、耐久性などは日本メーカーが優れているが、現地企業としては必要最低限の機能と品質を低価格で提供している中国企業の方が魅力的であり、また言語コミュニケーションによる障害が少ないことも影響しているだろう。私自身、日本の産業用設備メーカーの販売を支援しているが、日系企業以外だと必ず中国企業との比較されてしまい、日本企業がアピールする付加価値や機能にはあまり興味は示されない。

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サービス業における投資については、不動産分野がRM640億とサービス業全体の45%を占めており、依存度の高さが分かる。2016年の認可件数は4,199プロジェクト、88,110名の雇用を創出している。サービス産業向けの海外からの投資については、米国がRM68億、香港RM19億、日本RM18億、シンガポールRM12億、オランダRM9億となっており、日本が2番目の規模に。日本からの投資額も、製造業向けRM19億に対してサービス業がRM18億と拮抗している。また、最近のトレンドとしてマレーシアが多国籍企業における域内のプリンシパル・ハブとして注目されており、2016年には13のプリンシパル・ハブをMIDAが承認している。

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近年、マレーシアの事業環境においては、 中国の存在感が年々増しているのが特徴だろう。企業レベルでだけでなく、政府レベルでも明らかに中国との緊密な関係構築を重要視している。昨年、マレーシア政府は南シナ海問題でも中国に歩み寄りを見せているし、先日はアリババグループのジャック・マー会長とe-hub構想を発表、大きな話題となっている。ナジブ首相も、中国は真の友人であり、戦略的パートナーであると明言する程、両国の関係はこれまでにないぐらい良好な状況にある。マレーシア企業にとっても、ビジネス慣習が大きく異なる日本企業よりも、中国企業の方が付き合い易いと認識している印象が強い。現地企業の経営者と話をしていても、日本企業は決断に時間がかかり過ぎるし、理解できないことが多いとしている。逆に、中国企業は決断が早く、ビジネス品質も満足できるレベルにあると言われている。多分、インフラ開発などの大型案件については、今後益々中国への依存度が増していくだろう。



マレーシア、国民の9割がスマートフォンでネット利用

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昨年末、マレーシア通信マルチメディア委員会より公開された『Communications and Multimedia : Facts and Figures, 3Q 2016』『Communications and Multimedia : Pocket Book of Statistics, 1H 2016』において、約9割の国民がスマートフォンでインターネットに接続している特徴が明らかにされている。元々、マレーシアは固定回線があまり普及していなかったこともあり、1990年代から携帯電話の普及が急速に進み、ここ数年の普及率は140%台と高い数字を維持している。世帯当たりのブロードバンド普及率も、ここ数年は77%前後を推移している。

[マレーシアの携帯電話普及率]
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[マレーシアのブロードバンド普及率]
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また最近のトレンドとしては、マレーシアユーザーの多くがSNS利用に重きを置いていることだろう。例えば、Facebookによるサービスが開始された際には、マレーシアユーザーは世界で最も友達の数が多いことで有名になったし、Facebookを利用したビジネスも活況を呈していた。そして現在、WeChatやWhatsAppといったサービスがFacebook以上に日常のコミュニケーションツールとして使用されるようになっており、中でも、調査会社Kantar TNSの調査によるとインスタグラムは国内ネットユーザーの7割が利用、アジア太平洋地域内で最大の利用率ということで更なる注目を浴びている。

実際に私の周りでも、Facebook、WeChat、WhatsAppといったアプリの利用頻度はかなり高い印象がある。また、これらサービスを利用しているユーザーの年齢層は幅広く、60代の方々との連絡もこうしたアプリが中心となっている。更に、企業からのDMや案内に関してもこうしたメッセンジャーアプリへ主軸が移ってきており、受け取るメッセージも増加傾向にある。インスタグラムについては、確かに利用者は多いと思うが、年齢層が若い方へ偏っているようにも感じる。

全体的にみて、マレーシアも日本と同様にスマートフォンを四六時中手離せないユーザーが多く、レストランや電車内では多くの人達がスマートフォンを触っている。こうした利用者の嗜好に合致させるため、携帯キャリア各社によるデーター量の競争も激しくなっている。数年前であれば、多くのパッケージで数百MBのデーター量を基本として顧客を争奪していたが、今では数十GBのデーター量に特定動画サイトの視聴やSNS/メッセージアプリの利用は無制限といったサービスも提供されている。こうした傾向は今後も拡大していくことが予想されるし、SNS/メッセージアプリを利用したビジネスが盛り上がりを見せるだろう。

ただ、これだけメッセージアプリが普及している中にあって、マレーシア国内でLINEを利用しているユーザーは圧倒的に少なく、マイノリティ的な存在となっている。街中ではLINEのキャラクターもよく目にするので、知名度は決して低くないと思われるが、私の周りでは日本人及び日系企業で働いているマレーシア人ぐらいしか使っていない。知人に聞いても、LINEは知っているけど周りが使っていないので必要性を感じないとしている。

いずれにしても、マレーシア国内でのSNS/メッセージアプリ利用は域内においても特筆すべき存在であり、最も成長が著しい市場であると言える。

国民車メーカープロトン、最大51%の株式売却

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9月27日、国民車メーカーのプロトンが株式売却先の候補として、Skoda、ルノー、PSAグループ、スズキを選定したとの記事が流れた(News Straits Timesでは、吉利汽車も候補として挙げられている)。それも、最大51%の株式を売却する意向だという。計画としては、2017年半ばまでに株式売却を完了させる予定。

これまで、過去にはプロトンの提携先としてフォルクスワーゲンやゼネラルモータースなどの名前が挙がっていたが、連邦政府の介入やサプライヤーとしてブミプトラ企業比率固辞したり、提携候補先が主導権を主張するなどして交渉が難航、最終的には2012年にDRBハイコムへ株式が売却された。

その後、マハティール元首相を会長職に迎え入れるなどしてプロトンの再生計画が立ち上げられるものと期待されたが、残念ながらそのような目に見える活動は見られなかった。実際、今年の市場の動きを見ていると、6月はハリラヤ需要で販売台数が伸びているものの、全体として下降傾向にある。また今年8月の市場シェアを見ても、プロトンの市場シェアは8%にまで落ち込んでおり、第一国民車としては屈辱の4位に。1995年には60%以上のシェアを有していたものの、今ではその多くを第2国民車と日本メーカーに奪われる結果になっている。

[マレーシアの自動車販売台数推移(台)]Malaysia_car_sales_201608_01.png 

[2016年8月の新車販売シェア]
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ただ、今年下半期にはペルソナとサガがリニューアルされ、市場からもプロトン車が改善傾向にあることは言われている。デザインは大きく一新され、装備も競合に引けをとらないぐらいに充実、高い安全性もアピールし、価格優位性を維持している。また、10月にはスズキとの提携によるErtiga MPVがリリース予定となっており、プロトンは矢継ぎ早に市場へニュースをもたらしている。



これにより、今年下半期はある程度販売台数を回復することが期待されている。とは言え、プロトンが市場からの信頼を取り戻すにはまだ時間を要するだろう。例えば、先日、私の知人2人(20代)が自動車の買い替えを計画、プロドゥアのBezzaやプロトンのぺルソナなど、新しくリリースされた車種をテストドライブするなどしていたが、最終的に彼らが選んだのは日本メーカーの中古車。デザインや装備、価格でペルソナに対する評価は高かったものの、プロトンの場合は購入した後のサービス品質や不具合発生率を考えると、まだ信頼的できないというものだった。

実際、JDパワーが発表した2016年のCustomer Service Indexを見ると、上位は日本メーカーが独占している状況にあり、国民車メーカーは前年から僅かに改善傾向にあるものの、 相変わらず平均以下となっている。プロトンのfacebookページを見ても、故障やサービス品質に関する苦情で多く寄せられている。それもテクニカル的なものだけでなく、サービスの姿勢に関するものも結構多い。

[2016年Customer Service Index]
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とは言え、個人的にはプロトンのフラッグシップであるサガがフルモデルチェンジしたことで、エントリーユーザーの多くを引き寄せることができるだろうと考える。ハード面はかなり充実しつつあるので、あとはソフト面の充実が国民の信頼を取り戻す鍵ではないだろうか。

今回の株式売却については、プロトン社が海外の自動車メーカーに対してハードルを大きく下げてきているものと思われる。また、プロトン社の後ろ盾であったマハティール元首相が会長職から辞任したことで、連邦政府がどのような動きを見せるのかも注目だろう。いずれにしても、これまでのような保護政策下でプロトン社が再生することは難しいだろう。国民の自動車購買の意思決定要因は価格ではなくなってきており、それ以外に価値を見出している。外国メーカーがイニシアチブを取り、普通の自動車メーカーとしての競争原理を働かせることも選択肢の一つと考えられる。


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