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マレーシアのインターネット政策

5月30日、MCMC: Malaysian Communications And Multimedia Commissionは国内ISP各社へ、ファイル共有サイトへのアクセスをブロックする要請を出した。今回の措置は、Copyright Act 1987のSection 41に対応したもので、著作権保護が目的となっている。対象とされているのは以下の10のファイル共有サイト。

Warez-BB.org
The Pirate Bay
Movie2k.to
Megavideo.com
PutLocker
depositfiles
duckload.com
Fileserve
FilesTube
MEGAUPLOAD

ただ、マレーシア政府はこれまで一貫してインターネットの検閲やアクセス制限などの措置は採らないと発表してきた。イスラム国にあってその自由度はアドバンテージであり、国内では強い支持を得られていた。
そうした背景もあってか、今回の措置に対する国内での反発は強い。早速、Facebookに「1M Malaysians Don't Want SKMM Block File Sharing Website」というページが作られ、多くのコメントが寄せられている。

さらに、その後に国際的なハッカーグループ「Anonymous」が、マレーシア政府機関へサイバー攻撃を行うと予告。理由は前述のファイル共有サイトのブロック、また映画やテレビ放送の検閲に対するもので、名称は「Operation Malaysia」。そして6月15日から16日にかけて、予告どおりにマレーシア政府機関へサイバー攻撃が行われた。新聞報道によると、51の政府機関のサイトが攻撃を受け、41のサイトがダウンしたと言われている。

ファイル共有サイトについては、6月19日の時点ではまだ全てのサイトへアクセスすることができている。ISP各社が政府通達に従うかどうかは分からないが、国内メディアでもインターネットへ政府が制約をかけることの危険性について記事が書かれている。(Tackling cyber piracy needs careful planning – The Star)

ファイル共有サイトは今回対象とされた数だけではないし、本当にブロックしようと思えば際限のない対応が求められ、最後には中国のように全てが政府の管理下に置かれることになってしまう。国内ユーザーのだれもがそのようなことは望んでいないし、ISP各社もその危険性は理解しているだろう。

もう一つ、マレーシアのインターネット政策について。観光省が観光促進キャンペーン用フェイスブックページを作成したが、それにRM 180万もの費用が掛かっているとの報道がされていた。日本円にして4,700万円…。「Tourism Malaysia ~ Cuti-Cuti 1Malaysia」というページがそれなのだろうか?

Ng Yen Yen観光相によると、当該費用にはゲームエンジン、プログラミング、デザ インの費用も含まれているとのことだが、それでも何人月分の仕事になるのか?RFIDでも、ソフトウェア開発だけでRM 180万となるとかなり大規模な内容で、Facebookより高度なスキルが求められる。額が大きいだけに、「Curi-curi Wang Malaysia」というページでは多くの批判が飛び交っている。





MCA: Malaysian Chinese AssociationのChua党首は記者会見で、Facebookページのマネージメントや維持管理費も必要であり、観光相は費用のブレイクダウンを示す必要があるだろうと見解を述べている。





1Malaysia e-mailの時でもそうであったが、国民が政府政策に納得できなければFacebook上でファンページが作られ、そこで意見が交わされるといったことが普通になってきた感じがする。政府側としては、ますます政策の透明性が求められてくることになるだろう。

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