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NXP、UCODE I2C RFID チップを発表


4月5日、NXPは、I2Cインターフェースと大容量ユーザーメモリを実装したUCODE I2Cチップを発表(NXPプレスリリース)

プレス記事を一読するも、最初は意味不明…。記事を再読し、RFID Journalの記事「NXP to Unveil New UHF, HF Chips」を読み、そしてI2Cインターフェースというものを調べてある程度その内容が理解できたような気が…。I2Cそのものはかなり昔から使用されているシリアルバスであり、多くの電子機器に採用されているとのこと。今回、そのI2Cにユーザーメモリーが搭載され、且つEPC C1 Gen2のエアープロトコルに準拠したRF機能が使えるといった感じか。





プレスリリースには「無線を通じた電子機器のカスタマイズと設定を可能にする画期的なUHFチップ」との説明があるが、なるほどこれまでにない面白い仕様かも。

用途はこれまでと異なり、機器組み込みが主要な対象となりそうで、スマートフォンやタブレット、家電製品などでの利用が想定されている。チップそのものは普通にEPCに準拠したRFIDタグとして利用できると共に、温度や湿度、圧力などの各種センサー情報を取得することもできる。だから、流通プロセスで製品情報を取得したり、トラッキングすることもできる。ただ、最大の特徴は「I2Cバスを通じて無線リーダーとマイクロプロセッサ間の双方向通信が可能」と説明されているところ。これにより、製品が購入された時点でRFを使って製品のアクティベイトやコンフィギュレーション実施、或いは購入と同時に顧客情報を書き込んだりすることができる。不具合が発生した時にも、RFで内部ログを解析することに使用できるという。これまでだと、筐体を開けなければできなかった煩雑作業が、RFによって実現できることになる。ただ、筐体の中にタグアンテナが形成されるため、流通での製品トラッキングやRFでの製品情報取得のために、材料や構造に工夫を考える必要がありそうだが。

あと興味深いのが、「デュアル UHF フロントエンドアーキテクチャにより、複数のアンテナで異なる読取り範囲のサポートが可能」という部分。流通段階で使用する長距離アンテナ、或いはカスタマーサポートで使用する近距離アンテナといった使い方だろうか。

いずれにしても、UCODE I2CはこれまでのRFIDの使い方とは大きく異なるし、NXPの強みを活かした製品であろう。ただ、新しい分野ということもあり、アプリケーション開発はまだ手探りの状況と思われる。2011年後半に量産体制へ移行する予定とのことなので、どんなアプリケーションが出てくるか楽しみ。

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