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マレーシア、国民の9割がスマートフォンでネット利用

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昨年末、マレーシア通信マルチメディア委員会より公開された『Communications and Multimedia : Facts and Figures, 3Q 2016』『Communications and Multimedia : Pocket Book of Statistics, 1H 2016』において、約9割の国民がスマートフォンでインターネットに接続している特徴が明らかにされている。元々、マレーシアは固定回線があまり普及していなかったこともあり、1990年代から携帯電話の普及が急速に進み、ここ数年の普及率は140%台と高い数字を維持している。世帯当たりのブロードバンド普及率も、ここ数年は77%前後を推移している。

[マレーシアの携帯電話普及率]
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[マレーシアのブロードバンド普及率]
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また最近のトレンドとしては、マレーシアユーザーの多くがSNS利用に重きを置いていることだろう。例えば、Facebookによるサービスが開始された際には、マレーシアユーザーは世界で最も友達の数が多いことで有名になったし、Facebookを利用したビジネスも活況を呈していた。そして現在、WeChatやWhatsAppといったサービスがFacebook以上に日常のコミュニケーションツールとして使用されるようになっており、中でも、調査会社Kantar TNSの調査によるとインスタグラムは国内ネットユーザーの7割が利用、アジア太平洋地域内で最大の利用率ということで更なる注目を浴びている。

実際に私の周りでも、Facebook、WeChat、WhatsAppといったアプリの利用頻度はかなり高い印象がある。また、これらサービスを利用しているユーザーの年齢層は幅広く、60代の方々との連絡もこうしたアプリが中心となっている。更に、企業からのDMや案内に関してもこうしたメッセンジャーアプリへ主軸が移ってきており、受け取るメッセージも増加傾向にある。インスタグラムについては、確かに利用者は多いと思うが、年齢層が若い方へ偏っているようにも感じる。

全体的にみて、マレーシアも日本と同様にスマートフォンを四六時中手離せないユーザーが多く、レストランや電車内では多くの人達がスマートフォンを触っている。こうした利用者の嗜好に合致させるため、携帯キャリア各社によるデーター量の競争も激しくなっている。数年前であれば、多くのパッケージで数百MBのデーター量を基本として顧客を争奪していたが、今では数十GBのデーター量に特定動画サイトの視聴やSNS/メッセージアプリの利用は無制限といったサービスも提供されている。こうした傾向は今後も拡大していくことが予想されるし、SNS/メッセージアプリを利用したビジネスが盛り上がりを見せるだろう。

ただ、これだけメッセージアプリが普及している中にあって、マレーシア国内でLINEを利用しているユーザーは圧倒的に少なく、マイノリティ的な存在となっている。街中ではLINEのキャラクターもよく目にするので、知名度は決して低くないと思われるが、私の周りでは日本人及び日系企業で働いているマレーシア人ぐらいしか使っていない。知人に聞いても、LINEは知っているけど周りが使っていないので必要性を感じないとしている。

いずれにしても、マレーシア国内でのSNS/メッセージアプリ利用は域内においても特筆すべき存在であり、最も成長が著しい市場であると言える。
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