国民車メーカープロトン、最大51%の株式売却

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9月27日、国民車メーカーのプロトンが株式売却先の候補として、Skoda、ルノー、PSAグループ、スズキを選定したとの記事が流れた(News Straits Timesでは、吉利汽車も候補として挙げられている)。それも、最大51%の株式を売却する意向だという。計画としては、2017年半ばまでに株式売却を完了させる予定。

これまで、過去にはプロトンの提携先としてフォルクスワーゲンやゼネラルモータースなどの名前が挙がっていたが、連邦政府の介入やサプライヤーとしてブミプトラ企業比率固辞したり、提携候補先が主導権を主張するなどして交渉が難航、最終的には2012年にDRBハイコムへ株式が売却された。

その後、マハティール元首相を会長職に迎え入れるなどしてプロトンの再生計画が立ち上げられるものと期待されたが、残念ながらそのような目に見える活動は見られなかった。実際、今年の市場の動きを見ていると、6月はハリラヤ需要で販売台数が伸びているものの、全体として下降傾向にある。また今年8月の市場シェアを見ても、プロトンの市場シェアは8%にまで落ち込んでおり、第一国民車としては屈辱の4位に。1995年には60%以上のシェアを有していたものの、今ではその多くを第2国民車と日本メーカーに奪われる結果になっている。

[マレーシアの自動車販売台数推移(台)]Malaysia_car_sales_201608_01.png 

[2016年8月の新車販売シェア]
Malaysia_car_sales_201608_03.png 

ただ、今年下半期にはペルソナとサガがリニューアルされ、市場からもプロトン車が改善傾向にあることは言われている。デザインは大きく一新され、装備も競合に引けをとらないぐらいに充実、高い安全性もアピールし、価格優位性を維持している。また、10月にはスズキとの提携によるErtiga MPVがリリース予定となっており、プロトンは矢継ぎ早に市場へニュースをもたらしている。



これにより、今年下半期はある程度販売台数を回復することが期待されている。とは言え、プロトンが市場からの信頼を取り戻すにはまだ時間を要するだろう。例えば、先日、私の知人2人(20代)が自動車の買い替えを計画、プロドゥアのBezzaやプロトンのぺルソナなど、新しくリリースされた車種をテストドライブするなどしていたが、最終的に彼らが選んだのは日本メーカーの中古車。デザインや装備、価格でペルソナに対する評価は高かったものの、プロトンの場合は購入した後のサービス品質や不具合発生率を考えると、まだ信頼的できないというものだった。

実際、JDパワーが発表した2016年のCustomer Service Indexを見ると、上位は日本メーカーが独占している状況にあり、国民車メーカーは前年から僅かに改善傾向にあるものの、 相変わらず平均以下となっている。プロトンのfacebookページを見ても、故障やサービス品質に関する苦情で多く寄せられている。それもテクニカル的なものだけでなく、サービスの姿勢に関するものも結構多い。

[2016年Customer Service Index]
JDPower_CSI_2016.png 

とは言え、個人的にはプロトンのフラッグシップであるサガがフルモデルチェンジしたことで、エントリーユーザーの多くを引き寄せることができるだろうと考える。ハード面はかなり充実しつつあるので、あとはソフト面の充実が国民の信頼を取り戻す鍵ではないだろうか。

今回の株式売却については、プロトン社が海外の自動車メーカーに対してハードルを大きく下げてきているものと思われる。また、プロトン社の後ろ盾であったマハティール元首相が会長職から辞任したことで、連邦政府がどのような動きを見せるのかも注目だろう。いずれにしても、これまでのような保護政策下でプロトン社が再生することは難しいだろう。国民の自動車購買の意思決定要因は価格ではなくなってきており、それ以外に価値を見出している。外国メーカーがイニシアチブを取り、普通の自動車メーカーとしての競争原理を働かせることも選択肢の一つと考えられる。

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