マレーシア政府、12月より燃料補助金撤廃

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10月末、Dato' Seri Ahmad Husni Mohamad Hanadzlah第2財務大臣は『RON95』ガソリン補助金システムについて、収入別に異なる補助金額を設定するとしていた。具体的には、月収RM5,000未満は補助金満額を、RM5,000以上からRM1万未満は一部補助という方向性が発表されていた。

その前は、確か自動車の排気量も考慮対象になり、排気量2,000cc以下で月収RM5,000以下は補助金を得られるといった内容だったと思う。また、外国人と外国籍の自動車に対しては補助金を認めないとしていた。そして、こうした受給資格者の判別には、MyKadの提示や新たな補助金カードの発行が検討されていた。

こうした一連の政府発表に対する私の第一印象は、果たしてマレーシアでこうした複雑なシステムが問題なく運営できるのかという疑問。タバコでさえ、政府が税金を上げる度に不正流通の安いタバコに需要が集まっており、それは全流通量の40%近くにも達している。酒類も同様に、正規品でない商品が多く流通している。

ガソリン補助金に関しても、MyKadや補助金カードの又貸し、或いはガソリンスタンド従業員と結託する者も出てくるだろう。またガソリンスタンドにしても、新しいシステムの導入でそれなりの投資が必要になるし、監視もしなければならなくなる。

私自身、だいぶ昔に政府関係者(多分MOSTI)から、収入別の補助金割り当てでRFIDが利用できないか検討依頼が来たことがある。いろいろな方向からシミュレーションしてみたが、私の結論は実現不可というもの。一部の低所得者に月額使用量を定めた形であれば、不正利用のリスクをかなり低減できるが、全国民を対象とした異なる補助金制度ではかなり無理が生じる。

そうした経緯がある中、マレーシア政府は11月21日にRON95とディーゼル油の補助金を12月1日から撤廃すると発表。収入別や排気量別に補助金の割り当てを行うことは、無理があると結論付けたのだろう。新しいシステムでは、国際価格を反映した販売価格が毎月設定される『管理フロート方式』へ移行することになる。首相府相の発表では、補助金なしのRON95の市場価格は現在の価格より3セント程度安くなる見込みで、当面は大きな価格変動はないと見られている。国際価格が下落しているタイミングで発表したのは、政府の戦略だろう。これによって、政府は年間RM100億~200億もの補助金節約になり、教育や医療、福祉の充実に寄与させるとしている。



それでも燃料補助金撤廃の決定により、国民の与党政府に対する批判は高まっており、政権の支持率にも影響が及ぶと見られている。今年になって、電気料金やタバコ価格、ガス価格などが値上げされていることから、国民の不満は徐々に高まりつつある。特に、公共交通機関が未発達のマレーシアにあって、自動車やオートバイが主要な移動手段となっており、ガソリンへの依存度が高い状況にあることからも、国際価格高騰時はかなりの負担を強いることになるだろう。私個人の意見としては、どうせ制度を見直すなら外国人も含めて全国民等しくすべきとの考えだったので、納得できる内容に落ち着いたと感じているが。

ただ、こうした燃料補助金撤廃を行うのであれは、輸入ハイブリッド車に対する優遇措置も再考して欲しいと思う。たぶん、今後は燃費に対する意識がさらに高まるだろうし、そうした意味において、Peroduaの低燃費車『Axia』は上手くタイミングを捉えたなと感じる。

それにしても、マレーシアではこうしたことがいつも突然決定し、それもすぐに実施されることが多い。これまでのガソリン価格値上げも、今夜12時から適用されますとかだし、これが成り立っているところはすごいと感じる。

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