MCMC、2014年第1四半期の国内IT統計を発表

MCMC_logo.png

マレーシア通信・マルチメディア委員会のウェブページを見ると、5月29日に国内IT統計報告書『Communications and Multimedia : Pocket Book of Statistics, Q1 2014』がリリースされていた。

まず世帯あたりのブロードバンド普及率を見ていくと、今年第1四半期は67.3%、前期からプラス0.2%しか増加していない。政府としては2015年に75%の普及率達成を目指しているが、今の状況だと70%も難しいように思われる。原因の一つとしては、クランバレー内でも光ファイバーサービスを提供していないエリアが結構多いことが挙げられるだろう。私の周りでは、低所得者住宅に住んでいる知人が結構いるが、今年だけでも4人から固定ブロードバンドを利用したいと相談を持ちかけられた。早速調べて見ると、いずれの低所得者住宅も光ファイバーサービスのエリア対象外とされており、ADSLしか使用できない状況であった。TMの場合、家庭向けADSLは2Mbpsまでしか提供されておらず、価格も割高に感じる設定になっており、導入を見送る人も多いと思われる。

[マレーシアのブロードバンド普及率(世帯)推移]
MCMC_2014Q1_01.png

利用回線別のブロードバンド契約者数は、相変わらずワイヤレス回線が市場を牽引していることが分かるが、契約者数は昨年の第3四半期から減少を続けている。逆に、固定回線は増加を続けている状況にある。この傾向で考えられるのが、ワイヤレス回線の品質だと思われる。私の周りでも、YESやWiMax、モバイルルーター利用者がいたが、結局は通信速度が不安定なことなどから解約に至っているケースがかなり多い。

[ブロードバンド契約者数(000)]
MCMC_2014Q1_02.png

州別でのブロードバンド契約数では、ジョホール州がクアラルンプールを抜いて第2位に上昇している。あと、ブロードバンド普及率では、都市部は概ね前期から増加しているものの、ペラ州やサラワク州、サバ州、ケダ州、ケランタン州、トレンガヌ州、ペルリス州といった地方都市は前期から減少傾向にある。

[州別のブロードバンド契約者数(000)と普及率、2014年Q1]
MCMC_2014Q1_03.png

次に携帯電話についてだが、普及率は前期の143.6%から143.7%とほぼ横ばいの結果に。契約者数は前期から11.6万件増となっているものの、数年前のような勢いは失われている印象が強い。
因みに携帯電話キャリア別の契約者数だと、昨年はCelcomが1,314万件でMaxisの1,289万件を上回り、国内首位となっている。ただ、売上高ではMaxisがRM 91億でCelcomのRM80億という結果に。以前のようにMaxisが安定的という状況ではなく、Celcomがかなり追い上げを見せている。また、DiGiも売上高を2012年のRM64億から昨年はRM67億に伸ばしており、首都圏では安価なデータ通信を提供するUmobileも人気を見せつつある。

[携帯電話普及率推移]
MCMC_2014Q1_04.png

[携帯電話契約者数(000)と普及率]
MCMC_2014Q1_05.png

ショートメッセージ利用に関しては、前期から29億件の減少と下げ幅が徐々に大きくなっている。利用者平均で見ても、前期は398件であったが、今年第1四半期は329件へと減少している。企業や店舗などからの告知サービスも、最近はSMSからSNSへ移行してきており、SMS利用は今後はさらに大きく減少していくことが予想される。

[SMS件数(100万)]
MCMC_2014Q4_06.png

最後にテレビ関連では、有料テレビの普及率が初めて減少へ転じているのが特徴。IPTVは前期から引き続き増加を続けており、今年第1四半期は前期から3.3万件増加している。

[有料テレビ契約者数、普及率推移]
MCMC_2014Q1_07.png

[[IPTV契約者数推移(000)]
MCMC_2014Q1_08.png


全体的に見て、ブロードバンドと携帯電話の成長度合いは数年前ほどの勢いがなくなっている。携帯電話についてはほぼ頭打ちの状況と思われるが、ブロードバンドについてはまだ成長できる余裕があるにも関わらず、成長が停滞している状況にある。特に、地方都市では普及率が減少傾向にあるのが特徴的だと思う。

主要因としては、政府がブロードバンドの普及に関して具体的な戦略を策定できていない点が大きいと感じる。連邦政府は『National Broadband Initiative』によって立派な目標値を設定しているが、その数字をどのようにして達成するのかは示されていない。確かに、政府は国内全土に光ファイバー網を整備したり、過疎地に安価なワイヤレス回線の整備、或いは低所得層の生徒にラップトップPCを配布したりはしているが、それらはあくまでハード面の充実であり、ソフト面は結構なおざりにされていると感じる。例えば、マレーシアのブロードバンド料金(bps当たり)は周辺国と比べても割高だとされているが、こうした部分についてはあまり手がつけられていない。また、いまはブロードバンドの必要性を感じていない国民世帯さえも取り込んでいかなければ、明らかに2020年の目標値は達成できないだろう。実際問題として、こうした興味を持たない世帯がブロードバンドに月々RM100以上を費やすとはとても考えられない。『National Broadband Initiative』の目標値を本気で達成しようとするのであれば、料金体系に踏み込んだり、生活の中でブロードバンドの必要性を高めるなど、もっとドラスティックな対応が必要とされるだろう。

スポンサーサイト

FEC社でのイベント・PR戦略実績

PCのデータを整理していたら、前の会社の懐かしい写真データなどが出てきました。イベントやPR戦略関連は結構面白い資料や写真が残っていたので、ちょっとプレゼン形式で纏めて見ました。



ウェブページの方も、『FECのイベント・PR戦略実績』のタイトルで更新しました。


| ホーム |
Page Top↑
▲ Page Top