ナジブ首相、2014年度予算案を発表

10月25日、下院議会でナジブ首相より2014年度の予算案が発表された(全文:The 2014 Budget Speech)。今年のテーマは『Strengthening Economic Resilience, Accelerating Transformation And Fulfilling Promises』で、「経済活動の活性化」、「財政運営の強化」、「人的資源の育成」、「都市部と地方開発の強化」、「国民福祉の確保」という5つの柱で構成されている。



まず経済について、2013年は世界経済の経済成長が低調であることが影響し、マレーシアは2013年通年で4.5%から5%の経済成長が予想されている。因みに、上期の経済成長率が4.2%。そして海外からの直接投資については、2013年上半期でRM182億に達し、2012年上半期のRM159億から大きく伸びている。また、財政赤字はGDP比で3.5%にとどまる見通しで、前年度予算の4.0%を下回る水準。

次に2014年度の予算規模はRM2,642億、歳入はRM40億増のRM2,241億となる見込み。以下では、参考までに主な案件を列挙。

  • 5つの地域回廊開発にRM16億を割り当て。

  • 来年、サービスセクターブループリントを立ち上げ。

  • スバン空港のトラフィック管理・運用システムを、新規にKLIAで立ち上げるためにRM7億を割り当て。

  • コタキナバル、サンダカン、ミリ、シブ、ムーカの空港改修のためにRM3.12億を割り当て。ランカウィとクアンタンの旅客ターミナル改修。

  • 民間企業とのコラボレーションでHSBB第2次フェーズ向けにRM18億を投資。インターネット速度は10Mbpsへ向上。地方のインターネットカバー範囲拡大のため、今後3年間で100の通信送電塔建設でRM15億投資。

  • マレーシア・グローバル・イノベーション、クリエイティブ・センター(MaGIC)のためにRM5,000万を割り当て。

  • 地方の基本インフラプロジェクト向けにRM41億割り当て。(地方道路網437kmの改修でRM9.8億、Pan-Borneo高速道路でRM5億)

  • 警察と軍にRM 88億、そして犯罪減少と軍備強化でRM132億。

  • 環境技術促進のため、マレーシアグリーン財団設立にRM150万。

  • ヘルス部門向けにRM 221億を割り当て。6,800人の看護婦追加でRM1.5億、医薬品や医療機器購入でRM33億。

  • 砂糖摂取量低減のため、今年10月26日から34セントの補助金廃止。

  • SME銀行が運営するGraduate Entrepreneurship Fundにおいて、大学卒業生の失業率を減らすためにRM5億を割り当て。

  • 2015年4月1日から売上税とサービス税を廃止し、GSTに置き換える。GSTの税率は6%で固定。生活必需品や水道、電気代(最初の200ユニット)、そしてパスポートや免許証、医療サービス、教育など政府によって提供されるサービスについてはGSTは課せられない。また、バスや鉄道、LRT、タクシー、フェリー、ボート、高速道路料金などの輸送サービスについてもGSTは免除される。住宅地の販売・購入・レンタル、特定の金融サービスについてもGSTは免除される。

  • GSTの円滑な導入を行うため、GST監視委員会を設置し、Datuk Seri Ahmad Husni Hanadzlah第二財務相 が議長を務める。

  • 法人所得税率は25%から24%へ。2016年次より中小企業向け所得税率は20%から19%へ。2015年次よりSecretarial feeとtax filing feeが税額控除の対象に。

  • 全ての納税者に対し、個人所得税率は1~3%に引き下げ。最高税率の所得下限をRM10万からRM40万へ引き上げ。

  • RM546億或いは2014年度予算の21%を学力や能力スキルを加速するため割り当てる。33の新設校と既存校改修向けにRM8.31億。

  • 全ての児童と中等学校生徒に対してRM100の学資支援、そしてRM250の図書券配布を継続。

  • RM12億をダム建設・改修、そして水処理プラントに割り当てる。

  • 効率的なサービスを提供するため、中央集中タクシーサービスシステム構築にRM1,530万。

  • 「last city terminals」建設、バス停改修、「drop-and-ride」設備のためにRM 2,800万。

  • 3年以内に売却された場合の不動産収益税を30%に引き上げる。そして、外国人による不動産購入の最低価格をRM50万からRM100万へ引き上げる。

  • 2014年に政府と民間セクターによって223,000戸の低価格住宅を建設。

  • 国家住宅局が建設する16,473戸にRM5.78億、PR1MAが提供する8万戸へRM10億。

  • 月収RM3,000以下の世帯に対する1マレーシア・ピープルズ・エイドを、RM500からRM650へ増額、そしてRM3,000からRM4,000の月収の世帯に対してRM450を支給。また、月収がRM2,000以下の21歳以上の独身者向けはRM250からRM300へ増額。年金受給者はRM250の特別支援を受けられる。


やはり、今回の注目はGSTの導入。発表前には様々な憶測が飛び交っていたが、税率は6%で2015年4月からの導入と猶予期間が設けられている。同時に所得税率も引き下げられることが決定した。発表前のニュースなどでは4%に設定されるのではないかと噂されていたが、それよりも高い税率に。あと、全てが対象とされる日本の消費税と異なり、マレーシアのGSTは適用対象ではない商品やサービスもあることから、これは慣れるまでに時間が掛かりそう。

個人的に注目したいのは、RM546億或いは2014年度予算の21%が教育に割り当てられている点。先月、政府から『Malaysia Education Blueprint 2013 – 2025』が発表され、かなり野心的な目標値が設定されていたが、この予算割り当てをみると本気度の高さを感じることができる。

それと、外国人による不動産投資が過熱していることもあり、不動産収益税と最低購入金額が引き上げられている。同時に、国内で供給不足に陥っている国民向けの住宅需要に対しては、政府と民間による低価格住宅の建設が挙げられている。

あと、野党連合からも『2014年度予算案の対案』が公開されているので、そちらと対比してみても面白いかも。

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厳しさ増すマレーシアの雇用市場

ここ最近、マレーシア国内の雇用市場に関して暗いニュースをよく目にする。政府統計では、2013年の失業率は2.8%から3.3%の間で推移しており、他国と比較しても安定した状況が続いている。IMFの『World Economic Outlook Databases』を見ても、失業率の高さにおいてマレーシアは106ヶ国中100位で、先進諸国よりも失業率が低いことが示されている。こうした状況にも関わらず、国内では新卒者にとって厳しい雇用市場が予想されている。

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理由の背景としては、今年1月からの最低賃金制度の導入、そして7月には退職年齢が55歳から60歳に引き上げられたことにより、企業側に新規雇用を控える動きが見られると言う。

MyStarJob Networkによると、企業は契約社員の採用とアウトソーシングの活用を増やす傾向にあるとしている。マレーシア経営者連盟においても、9月の求人数が前年同期比で35.7%も減少していることが示されている。更にマレーシア製造業連盟は、電気・電子セクターは海外からの需要が低迷していることもあり、同セクターの雇用が厳しい状況に陥ると予想している。ただ、低いポジションであれば、企業は多様なスキルを有した人材を求める傾向にあるらしい。

とは言え、大学を卒業して希望している職種に就けない状況は、学生にとってかなり深刻と言える。ニュース記事によると、月収RM1,000以下で専攻していない分野の仕事に就く人もいるらしい。月収RM1,000以下だと、最低賃金制度で保障されている水準ギリギリ…。都市部でこの給与だと、生活するのも困難だろう。

失業率の数字だけを見ると、マレーシアはほぼ完全雇用のように思えるが、その実情は厳しさを増していることが理解できる。政府見解においては、人的資源省のDatuk Ismail Abdul Muttalib 副大臣はマレーシアには40万人の失業者がいるが、彼らが仕事を選り好みをしなければ、国内にいる210万人の外国人労働者に取って代わることができるだろうとしている。確かに、マレーシア国内には多くの外国人労働者が仕事に就いているが、その多くは専門のスキルを必要としない仕事となっている。マレーシアは2020年まだに高所得国家入りすることを目指しており、経済改革プログラムにおいて多くのプロジェクトが推進されている。そこでは、これまでのコスト優位の労働力から、知識優位の労働力へと転換することを目指しており、各プロジェクトでどれだけの雇用創出が期待できるのかが示されているが、現実は結構厳しい状況なのだろう。

ただ、雇用市場の冷え込みと同時に、学生のスキルが企業が求める水準に達していないことも深刻な問題となっている。2013 Asian University Presidents Forumにおいて、マハティール元首相は実例として、333人が某IT企業の面接に望んだが、英語力不足で採用に至ったのが7名だけだったことを述べていた。確かに、学生の英語力は年々低下しているし、今後劇的に改善されるようには見えない。

近所の環境問題

私が住んでいるマレーシアセランゴール州アンパン地区の環境問題について、スライド形式で簡単にまとめてみました。同地区は自然が多く残り、家からサルやイノシシを目にすることもできます。が、住んでいると多くの環境問題を抱えていると感じます。

至るところにゴミが散乱し、公共物も無残な形に…。清掃や修復は地方政府が契約している外国人労働者に依存していることもあり、公共エリアでの環境に対する住民の意識が低いのかも知れません。

現在、マレーシアではLEDや太陽光発電パネルなどの環境分野のビジネスが注目されていますが、こうした身近なところでの環境問題については、まだまだ個々人の意識改善が必要と感じます。




デジタルネイティブ、マレーシアは世界4位

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10月7日、電気通信連合より『Measuring the Information Society 2013』が発表され、2012年には2.5億人が新たにインターネットユーザーとなり、今年中に世界人口の40%(27億人)がインターネットを利用すると予測されている。ただ、同時に44億人もの人々がインターネットを利用しておらず、依然として情報格差が深刻な問題であると指摘されている。あと、携帯電話加入件数は68億件とほぼ世界人口に近い数字、そのうちの3分の1に当たる20億件が、モバイルブロードバンド利用になると見られている。



報告書中では、まず『ICT Development Index(開発指数)』において、ここ数年は韓国が首位を維持していることが示されている。他のアジア勢では、2012年時点で香港が総合10位、日本12位、マカオ14位、シンガポール15位となっている。マレーシアはそこから大きく開いて59位、昨年の57位からも2つ順位を落としている。また、他のアセアン諸国は90位台に集中しており、更に評価が低いことが明らかとなっている。このことからも、アセアン域内においてもデジタル格差が生じていると言えるだろう。

[アジア主要国のICT開発指数ランキング推移]
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あと面白い評価として、固定ブロードバンド料金に関する比較が行われている。評価は、一人当たりの国民総所得比での固定ブロードバンド料金をベースとしてランク付けされている。結果、世界一安価な固定ブロードバンドはマカオとされており、一人当たりの国民総所得比で0.2%という水準。次いで日本が0.7%、香港0.7%、シンガポール0.8%となっている。マレーシアは3.1%で世界72位、アジア域内で11位と言う結果に。マレーシアは世界的にもブロードバンド料金が高いとされてきたが、所得水準から見ると、近隣のタイやインドネシア、フィリピンよりも所得水準比では低い数字となっている。

[アジア主要国の固定ブロードバンド料金比較(2012年)]
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また今回から、5年以上インターネットを利用している『デジタルネイティブ』についての調査が実施されている。世界全体では、国民の13.9%がデジタルネイティブであるアイスランドが首位とされ、ニュージーランド、韓国が続いている。そして、マレーシアは13.4%の国民がデジタルネイティブということで、世界4位に。

[アジア主要国のデジタルネイティブ(2012年)]
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確かに、マレーシア人はSNS利用率が世界的にも高いし、高機能のスマートフォンに対する需要も旺盛と言える。私自身、1990年代からマレーシアを見てきたが、emailや携帯電話、スマートフォンなどの普及や利活用は日本よりも早くキャッチアップしてきた印象がある。そうした国民性もあり、デジタルネイティブの比率が高いのだろう。ただ、15歳~24歳の若者に限ってみると、マレーシアのデジタルネイティブは74.7%と低く、逆に日本は全体では9.6%しかいないデジタルネイティブが、若者になると99.5%もの数字になっている。

マレーシアでは、この数年間でブロードバンド接続の速度が大きく向上している。固定網では光ファイバーが大きく市場を伸ばしており、無線網でもLTEサービスが本格化してきている。数年前であれば、日本と比較して低速である通信環境にフラストレーションを感じさせられることもあったが、かなり改善されてきたと実感できる。

特に、マレーシアではスマートフォンなどのモバイル機器の普及がブロードバンド利用を高めており、この分野での成長が期待されている。中でも、若い世代においては、所得のかなり部分をこうした機器やサービスへ支払うことを惜しまない傾向にある。私の周りでも、住居は低所得者向けのローコストフラットでも、iPhoneやiPad、Galaxy の高機能版を利用している人達は結構いる。





マレーシアでは、こうしたモバイル機器やサービスの他にも、住宅や自動車関連については依然として高い需要を維持しており、この3つの分野は今後も成長が期待できると感じるし、日本企業にも参入の機会があると思われる。

ネット自由度、マレーシアは『ある程度自由』

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10月3日、Freedom Houseは各国のネット自由度に関する報告書『Freedom on the Net 2013』を発表(ニュースリリース:Internet Freedom Deteriorates Worldwide, but Activists Push Back)。調査対象は60カ国で、『アクセス障害』と『コンテンツ制限』、『ユーザー権利侵害』の3項目で評価、合計ポイントの少ない国が自由度の高い国とされている。



上位陣を見ると、まずアイスランドが首位で、2位エストニア、3位ドイツという順位。また、60か国中17カ国が『自由』と評価されている。アジア勢においては、日本とフィリピンがこの『自由』のカテゴリーに位置している。

そして、アジア8カ国が『ある程度自由』、4カ国は『自由でない』とされている。マレーシアは『ある程度自由』のカテゴリーにあるものの、アセアン内ではフィリピンとインドネシアを下回る結果に…。

[アジア主要国の2013年ネット自由度]
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■自由 ■ある程度自由 ■自由でない

マレーシアは、ITインフラ整備やネットの利活用においてはフィリピンやインドネシアを凌駕していものの、自由度となるとかなり苦戦している。

2009年からの項目別評価内容を見ていくと、『アクセス障害』は9ポイントとここ数年は大きく変動していないものの、『コンテンツ制限』は年々評価が下がり、今年は15ポイントに。合計ポイントも、2009年と比較すると3ポイント悪化している。

[マレーシアのネット自由度、項目別評価内容]
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ただ、今回の報告書で注目されているは『ユーザー権利侵害』。まず、今年5月に実施された総選挙において、野党勢力を指示する報道機関がサイバー攻撃やコンテンツの混乱が生じていたとされている。また、扇動的なコメントを掲載したウェブサイト所有者の起訴に関する法改正(Evidence Act 1950)が国際水準を下回っていたこと、警察の監視権限強化、2012年にジョホール州の新スルタンを批判したブロガーが告発されたことなどが事例として挙げられている。

つまり、国内のメディアやブロガーは、政府や王室に対して批判を行うなど表現の自由が制限されていると指摘。国内治安法では、治安の脅威と見なされた人物を裁判抜きで無期限に拘束できることもあり、警察によるブロガー拘束のニュースをよく目にする。以前には、メディアにおいてもライセンス停止などの処分があったと聞いている。

それでも、近年はSNSなどの普及により、国民が自らの意見や見解を発言する機会が増えており、そうした場で政府批判や王室批判が行われている。特に、選挙期間中は与党批判の投稿の多さが話題にもなっていたし、観光省が多額の予算を使っていたことに対する批判、政府政策に対する批判など、政府が釈明対応を余儀なくされた事例もある。

確かに、マレーシアにおいて『ユーザー権利侵害』は表現の自由を制限してきたが、SNSの普及によって状況は変化しているだろうし、政府もそうした発言を無視できなくなっていると感じる。

Human Capital Index、マレーシアは22位

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10月1日、世界経済フォーラムより『Human Capital Index』という労働者をいかに育成しているかに焦点をあてた新たな評価が発表された(ニュースリリース:新たな人的資本指数が優れた人的資本を持つアジアの国々を特定)。





調査は122ヶ国を対象とし、「教育」、「健康とウェルネス」、「労働・雇用」、そして「実施可能環境」の4項目で評価されている。労働資本は国の今日僧侶kや将来性に大きく影響することもあり、大変興味深い指標といえる。
まず総合評価での首位はスイスで、フィンランドがそれに続いている。アジア域内からは、シンガポールが総合で3位、日本15位、マレーシア22位となっている。因みに、マレーシアはアッパーミドルのカテゴリーで首位、アセアン内でも第2位とされている。注目は、マレーシアが韓国や中国よりも上位に位置していることだろう。

[Human Capital Index 2013、アジア主要国の順位とスコア]
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各項目を見ていくと、結構高評価とされている項目が多い。特に、「生産に関する賃金」は世界首位とされており、「失業率」も6位の評価。また、最近TalentCorpなどの政策もあり、「人材を誘致する国の能力」と「人材を保持する国の能力」が18位と高く評価されている。

逆に低評価だったのが、「伝染病のビジネスへの影響」83位、「経済参画男女格差」85位、「労働人口の年齢の中央値」80位となっている。「経済参画男女格差」については、女性の社会進出が少なく、企業においても女性の地位はそれほど高くないと感じる。大きなところでは、中央銀行やエアアジアにおいて女性がトップを務めているが、そうした事例はかなり少ない。「労働人口の年齢の中央値」では、マレーシアはまだ労働人口が増え続けていることもあり、日本などの先進諸国よりはアドバンテージを有していると感じてるが、なぜかここでの評価は低い。

あと気になる点としては、教育の品質はそこそこ高く評価されているものの、初等教育から高等教育の就学率に関する評価が低いこと。先日、マレーシアは『Malaysia Education Blueprint 2013 – 2025』を発表、2020年までに就学前教育から高等学校までの就学率を100%とすることが示されており、改善が期待されている。

[Human Capital Index 2013、マレーシア評価内容]

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将来における国の競争力 を左右する人的資本において、マレーシアが高い評価を得たことは素晴らしいと言える。近年、マレーシアの労働生産性は高コストであることが指摘され、特に労働集約的な産業においては中国やベトナムといった国へのシフトが目立っている。そうした背景もあり、コスト性が求められる仕事においては、低賃金の外国人を雇用することで、コスト力を維持する動きが活発化している。ただ、マレーシア政府としては、コスト競争力から知識優位への転換を目指しており、それによって高所得国家となることを目標としている。だから、政府政策も知識集約的な産業を成長させることに重点が置かれている。

個人的には、韓国と比較してマレーシアの人的資本が際立って高いとは感じない。中でも、マレーシアの特徴として高等教育においては男女間以上に民族間での機会格差があるし、その結果、優秀な頭脳の海外流出を加速感している。私の周りでも、非マレー人の高学歴者はシンガポールやオーストラリア、台湾などの大学に進学した人が多いが、総じて高い能力を有している。現在は、勤労さや多言語を使えること、そして先進諸国よりは安価な労働力が強みとされているが、今後、マレーシア政府が民族間の格差において抜本的な改善策を講じることができなければ、人的資本に対する魅力は急速に萎んでいくだろう。

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