Nielsen Global Smartphone Insights

6月20日、Nielsenにて『Global Smartphone Insights 2012』の調査報告書に関する内容が紹介されていた。調査対象は世界の 39 市場となっており、アジア域内ではシンガポール、韓国、香港、台湾、中国、ベトナム、マレーシア、タイ、日本、フィリピン、インドネシア、そしてインドが含まれ、域内の市場トレンドを分析する上で興味深いデータとしてまとめられている。

ここでは、グラフを簡素化するために、アセアン5ヶ国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン)と日中韓のデータだけを抽出してみた。

まず、16歳から64歳の携帯電話ユーザーの機種についての調査では、シンガポールと韓国は半数以上がスマートフォンを利用しているとの数字が示されている。また、中国は概ねフィーチャーフォンとスマートフォンが半々となっているが、なぜか合計が90%にしかならない…。マレーシアについては、スマートフォン利用は全体の28%となっており、日本の26%を上回っているものの、想像していた以上に低い数字に感じる。KL市内だけに限ると、半数以上がスマートフォンを利用している印象はあるが。因みに、ITUの統計では、2010年におけるマレーシアの携帯電話普及率は121.3%となっており、同年の総人口が2,840万だから、単純計算だとだいたい3,400万台の携帯電話が普及していることになる。そのうち、28%がスマートフォントいうことなので、台数で言うと950万台になるだろうか。


[携帯電話の機種(16歳から64歳)]
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またプレス資料の中で、中国やタイ、マレーシアといった市場では、スマートフォンユーザーの約 3 分の 1 がタブレットを所有していることが明らかにされている。確かに、マレーシア国内を見ていると、屋台でもタブレットを使う人の姿をよく目にするし、様々なブランドの製品が市場に溢れている。

次に過去30日のモバイルインターネットの利用状況については、日本と韓国が80%以上と高い利用率となっている。マレーシアもそれに続く75%で、アセアン諸国内では最も利用率が高い結果に。特に、マレーシアではFacebookなどのSNS利用頻度が世界的にも高いこともあり、モバイルインターネットの利用を促進していると言える。また、携帯電話キャリアー各社とも、モバイルインターネットのプランを拡充してきており、利用者の増加を加速しているのだろう。


[モバイルインターネット利用(過去30日)]
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過去30日のアプリ利用率に関しては、日本と韓国が81%と高い数字となっているが、マレーシアでは63%にとどまっている。それでも、数字だけをみるとマレーシアはシンガポールに並ぶ利用率であり、タイやインドネシア、フィリピンという周辺諸国よりもアプリの利用頻度が高いことが理解できる。


[アプリ利用率(過去30日)]
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そして定期的に利用するアプリの平均数だと、韓国が55、そしてシンガポールが47を大きく他を引き離している。マレーシアも19なので、域内においては決して少ない方ではない。


[定期的に利用するアプリの数]
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スマートフォンユーザーのOSに関しては、今年5月9日にNielsenから発表された『Nielsen 2012 Smartphone Insights study』の数字が使用されている。

東南アジア諸国の特徴としては、日韓と比較してAndroidの普及がそれ程高くなく、Symbianが健闘している状況にある。理由としては、昔からNOKIAの携帯電話が市場を占有していたことが背景にあるのだろう。ただ、最近はAndroid OSを搭載した廉価版のスマートフォンも数多く出てきていので、ここ数年で市場シェアが大きく変化していくと予想される。また、国民所得の高いシンガポールにあっては、iOSを搭載したiPhoneが市場を牽引している状況にあるのも面白い。私の働いているオフィスでも、9割がiPhoneユーザーとなっており、マレーシアでも都市部であればiOSの比率は高くなると思われる。あと、マレーシアにおいては一時期Blackberryが強い人気を誇っていたが、ここ最近は市場シェアを大きく落としている。さらにWin Phoneについては、携帯ショップなどで実機はよく目にするが、実際に使用している人は少なく、苦戦していることが分かる。


[スマートフォンユーザーのOS]
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全体を見ると、東アジアのスマートフォン活用においては、韓国とシンガポールが強みを見せており、消費者が先進的であるように感じる。マレーシアの消費者も、これら2カ国に続く位置づけにあり、今後も急速に成長していくことが予想されるし、国のICT産業を牽引していく存在になると思われる。


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グーグル ネット覇者の真実 - スティーブン・レヴィ


グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へグーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
(2011/12/16)
スティーブン・レヴィ

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私がインターネットを始めた1990年代中頃、検索サイトといえばYahoo!やExciteなどのポータルサイトが主流であった。そうした中、Googleの検索サービスは精度やスピードの面で他を圧倒しており、強く印象に残っている。当時、検索サービスだけで利益を得られるのか疑問視されていたが、数年で世界的企業にまで成長するに至っており、存在感を示している。

更に、1990年代はマイクロソフトがIT市場においてイニシアチブを握っており、この帝国の繁栄が永遠に続くような印象さえあったが、Googleの登場によって業界の構図が大きく塗り替えられる結果となった。検索サービスからメールサービス、インスタントメッセージ、マップ、ブラウザー、ドキュメント等々、数多くのサービスが同社から提供され、世界中で利用されている。

本書では、そうしたサービスが誕生するまでの試行錯誤や失敗談、訴訟問題、葛藤なども紹介されており、興味深い内容となっている。また、成功と同時に多くの世に出なかったサービスや時流に乗り遅れたサービスがあることも紹介されている。初期の段階、Googleのビジネスモデルは柔軟性が高く小回りが利き、すばやくビジネスを展開できることを強みとしていた。さらに、社員の自由度が高く、仕事に集中できるオフィス環境は羨望の対象でもあった。しかし、そのGoogleも大きな組織となったことで、以前のような柔軟性やスピード感は失われており、本書でもそのことが明らかとされている。

それでも、数多くのサービスがGoogleのサイトから提供されており、私自身の仕事も結構Googleに依存している。これだけのサービスを、1社で提供できることは凄いと思う。

個人的には、記者会見やカンファレンスなどの動画、或いはGoogleについて書かれた書物でエリック・シュミット氏については知っているが、創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏についてはあまり知りえなかった。本書では、この二人についても多く触れられており、面白く読み進めることができた。

あと、本書の最後の方にはSNSへの乗り遅れにページが割かれている。この部分を読んでいて、少し前までは時代の先端を走り、大手企業を猛追していたGoogleが、今では他のIT企業に猛追されている存在となっていることに気づかされる。IT産業においては変化の速度が速く、ドラスティックに構図が塗り替えられる状況にあり、Googleの優位性も永遠ではないのだろう。





新・堕落論 - 石原慎太郎


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(2011/07)
石原 慎太郎

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最近は、ダイナミズムを持った指導者が少なくなったように感じる。以前であれば、アジア域内において李登輝氏、リー・クアンユー氏、マハティール氏など、独自の国家ビジョンを持ち、国の発展に大きく貢献してきた指導者がいた。私自身、賛否両論はあるが、著者のオリンピック誘致や尖閣諸島購入などといった大胆な政策には興味を持っており、ダイナミズムを感じることができる。

本書では、「平和の毒」と「仮想と虚妾」の2つの章で構成されているが、全体を通して自我を持たない人間によって国家が荒廃していくことが強調されている。自我を持たないことで、ナイーブで幼稚な国民性が形成され、無頓着に国家や会社といった大樹に依存しなければ生きていけないということなのだろう。

また、本書の中では、米国における高性能軍用機のコックピットの殆どは日本製だが、米国のパーツメーカーの域を出ていないと指摘されている。確かに、いくら高い技術力を誇っていても、完成品において日本ブランドでない状況は寂しく感じるし、日本はその技術力に胡坐をかき、いまは国際競争力の低下を招いているように感じる。特に、家電においてその傾向は顕著な状況にあり、マレーシアにおいても日本離れが進んでいる。他にも、おサイフケータイによる小額決済システムを世界で初めて整備したにもかかわらず、最近はNFCをベースとした欧米企業のシステムが脚光を浴びている。カーナビにおいても、日本は随分前から世界的にも優れた技術を普及させてきた実績があるが、その優位性が世界的に普及するには至っていない。日本はせっかく優れた技術を保持しているのに、それが世界市場において後塵を拝している状況は悲しく感じる。

あと、本書において著者は多岐に渡るトピックを取り上げているが、全体的にボリュームが少ないように…。

一勝九敗 – 柳井正


一勝九敗 (新潮文庫)一勝九敗 (新潮文庫)
(2006/03)
柳井 正

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本書はだいぶ昔に発行されたのだが、タイトルが面白そうなのでなんとなく手に取ってみた。本書では、個人商店からグローバルに展開するまでのユニクロの軌跡が描かれており、面白い内容。単にサクセスストーリーだけでなく、失敗事例や数々の試行錯誤についても触れられており、アプローチの方法がグーグルに似ている印象さえ受けた。

また、著者は仕事の進め方において、社員にムダ・ムラ・ムリを徹底して排除することを求めている。こうしたロジックは、製造業において徹底されており、私も同様の教育を受けてきた。実際、ムダ・ムラ・ムリの排除は仕事において大きな効果を生み出しており、仕事の効率性を改善する上では重要な要素である。ただ、マレーシア国内だとこの3つのことを徹底させることはかなり困難であり、なかなか社員の理解が及ばない面がある。

あと、マレーシア国内でもユニクロは大変な人気で、1号店オープンの時には長蛇の列ができていた。それだけ、日本のファッションに対して注目度が高いことを裏付けているのだろう。また、マレーシア国内のアパレル店だと、店員の接客は横柄であり、キャッシャーカウンターで店員が平気で食事をしているなど、私自身はかなりの違和感があった。翻ってユニクロだと、店内に入るとまず店員が「Welcome to UNIQULO」と挨拶してくる。これだけでも、他店との違いを感じることができるし、日本企業の素晴らしさを誇りに感じることができる。

本書発行後には、著者の柳井氏がフォーブスの長者番付で上位にノミネートされ、海外で順調に店舗を増やしていることからも、その経営手法が時代に整合していたことを証明しているのだろう。楽天もマレーシアに進出する計画を発表しており、製造業以外でもグローバル市場で日本の存在感を示して欲しいと思う。

ヘイズ 2012年6月15日

今日は、朝からKL市内はヘイズの影響で街全体が白みを帯びていた。午後になると状況はより深刻になり、環境庁が発表する指数は『不健康』のレベルにまで達していた。実際、外にいると臭いが凄いし、生暖かい空気が気持ち悪い。

AIR POLLUTANT INDEX (15-06-2012)

下記は、コンドミニアムから見た晴天とヘイズの時の写真。


[晴天時]
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[2012年6月15日夕方]
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世界平和度指数、マレーシアは20位に

6月12日、Institute for economics and peaceより、世界各国の平和指数を数値化した『Global Peace Index 2012』が発表された。調査は158ヶ国・地域を対象として行われ、23項目での評価が指数化されている。





全体においては、アイスランドが最も平和的との評価を得ており、デンマークとニュージーランドがそれに続いている。その中で日本は5位に位置づけられており、アジア域内で最も高い評価を得ている。ただ、その内容を見てみると、軍事能力に対する評価がかなり低く、近隣諸国との関係も低評価とされている。日本の報道では、緊張が続く近隣諸国との関係が頻繁に言われているのでその認識はあるが、軍事能力に関しては最先端の技術を有しているとされているにも関わらず、寂しい結果に終わっている。

マレーシアについては、全体で20位の評価となっており、昨年から一つ順位を下げたものの、東南アジア諸国内で最も高い評価を得ており、2010年以降からその地位を維持している。ただ、最近はシンガポールと台湾の評価も改善傾向にあり、マレーシアに肉薄している。


[アジア主要国の平和度指数ランキング推移]
GPI2012_1.png


次に各項目の評価に目を通してみると、「武器へのアクセス」、「国内の組織衝突」、「テロ活動」、「内戦による死者数」などで平和的との評価がされている。発展途上国であり、且つイスラム教徒を多く抱える国にあって、こうした項目が先進諸国以上に平和的であるとの評価を得ていることは凄いことと思う。タイ国境での対立、そしてイスラム過激派などの懸念はあるものの、それほど深刻には捉えられていないのだろう。

逆に最も評価が低かったのが「暴力的デモンストレーション」の項目となっており、昨年から続く「BERSIH」などの大規模な活動が大きく影響していると思われる。また、日本と同様に、マレーシアの軍事能力に対する評価が低いが、マレーシアの場合は最新の設備や武器が整備されていないことが大きいように感じる。

ビジネスの観点から言えば、最近は賃金水準だけを中心にして海外拠点を決めていくことが一般的となっているが、選択していく上で国の安定性なども大きな要素となっていくだろう。世界平和度指数は国内のリスクを知る上で参考となるし、その中でマレーシアは優れた結果を残していると言える。確かに、マレーシアの賃金はかなら高い水準にまで達しているが、いまは賃金水準以外の部分をアピールすべきだろう。逆に、中国の平和指数は下降傾向にあり、リスクが高まっていることを示しているし、実際にそうしたリスクを回避するため中国から撤退している企業も増えている。

IMD世界競争力ランキング、マレーシアは14位

5月30日、スイスのIMD: International Institute for Management Development(国際経営開発研究所)より、2012年の『World Competitiveness Yearbook』がリリースされた(プレスリリース:IMD announces its 2012 World Competitiveness Rankings)。報告書では、世界59カ国・地域の国際競争力ランキングなどが示されている。評価は「経済パフォーマンス」、「政府効率性」、「ビジネス効率性」、「インフラ」の4項目で構成されており、各項目は更に細分化されている。ただし、細分化された情報は有料会員にのみ開示となっている。





まず総合ランキングで首位は、昨年に続いて香港となっており、安定した強さを見せている。続いて米国が2位、スイスが3位という内容。

アジア域内においては、シンガポールが4位、台湾が7位で、各々前年から一つ順位を落としている。マレーシアは、昨年から2つ順位が上がって14位に。ここ最近は、中国や韓国、そして日本などよりも高い評価を受けている。当然、アセアン諸国内においても、シンガポールを除けば首位という評価。


[アジア主要国の国際競争力ランキング推移]
IMD2012_2.png


次にマレーシアの項目別評価を見ていくと、「経済パフォーマンス」が10位、「政府効率性」13位、「ビジネス効率性」6位、「インフラ」26位という内容。各項目の詳細が分からないので何ともいえないが、効率性に対する評価が高すぎるように…。マレーシアで仕事をしていると、何事においても効率性という概念が希薄であるようにいつも感じるのだが、なぜか高評価を得られている。

また、各項目の中で「経済パフォーマンス」だけが前年から順位を落としている。国際貿易産業省はこれに対し、雇用成長の伸び悩み、そして価格上昇の懸念に起因するものとの見方を示している。


[マレーシアの国際競争力推移]
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それでも、マレーシアが先進諸国以上に高い評価を得られているのは嬉しいし、国内にもっとアピールすべきと思う。

あと、日経新聞の記事を読んで知ったのだが、1989年から1993年までの期間中、国際競争力で日本が総合首位だったらしい。


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