Entry point project追加15件

6月13日、ナジブ首相はEconomic Transformation Programmeの経過報告と追加事業を発表(ETP reaches new milestone, 50% of EPPs take off)した。前回は4月12日に追加事業が発表されているから、2ヶ月の期間で追加事業が発表されるというスピード。

まず進捗に関しては、今回の追加分を含めてこれまでに131件の事業が発表されているが、現時点では50%にあたる65件が既に立ち上がっていることが示された。

追加事業については15件の事業(15 initiatives)が発表され、そのうち新規は9件。この15件の事業の投資総額はRM633.8億となり、2020年におけるGNIへの寄与がRM663.1億、そして6万3,531人の雇用創出が見込まれている。またこれまでの累積では、投資総額はRM 1,697.8億、GNIはRM 2,201.5億、36万2,396人の雇用創出という数字。





面白い新規事業としては、今回「Unified Malaysia Sale」というバーゲンセールが事業として組み込まれている。マレーシアのバーゲンは国を挙げて盛大に行われる習慣があるが、今年は6月15日~8月31日までの2ヵ月半と長め。





あと、高度医療施設や教育施設の拡充がいくつか追加されているが、いずれもターゲットが高所得者向けといった印象がする。MEGTW: Ministry of Energy, Green Technology and Water は、エネルギー効率向上のための5つのイニシアチブを展開、2011年の投資総額はRM 5,020万となっている。第1弾として、今年7月からエネルギー効率に優れた家電製品の販売促進が行われる予定。日本のエコマークのような内容だろうか?

それと、「ツバメの巣」をRFIDで管理する事業の経過が示された。発表によると、MCMC: Malaysian Communications and Multimedia CommissionとDepartment of Veterinary Services Departmentの間でシステム開発とテスト、導入に関するMoUが締結されたとのこと。システム開発には、世界市場での商品追跡も含まれていることがアピールされているが、EPCISを使えば難しいことではないはず。また、MCMCは日本で言う電波管理局に当る機関のはずだが、アプリケーション開発にまで手掛けるのはマレーシアらしいところ。

そして今回の発表の後、Malay Chamber of Commerce Malaysiaは政府に対し、ETPにおけるブミプトラ企業への事業配分が少ないことに懸念を表明。Syed Ali Alattas会頭によると、MRT: Mass Rapid Transitプロジェクトの場合で参入できているブミプトラ企業は4%しかなく、少なくとも全事業のうち60%はブミプトラ企業とすべきと指摘している。

ETPの大前提は2020年にマレーシアが先進国となることであり、そのためには年6%の経済成長が必要とされている。私としては、ブミプトラでも非ブミプトラでも、事業をきちんと履行できる企業が担うべきだと考える。政治的な理由によって非効率的、或いは費用負担が大きくなるような方向にだけは進んで欲しくないが。


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マレーシア、Global Peace Index 2011で19位

ちょっと古い情報だが、先月末(5月25日)にIEP: Institute for Economics and PeaceからGlobal Peace index 2011が発表された(メディアリリース「2011 Global Peace Index: World less peaceful for third straight year; Arab Spring heralds biggest ever change in rankings」)。この評価、153ヶ国・地域を対象としており、外国との紛争やテロの危険性、暴力犯罪、報道の自由など23項目から評価されたもの。





総合評価では、アイスランドが首位となっており、ニュージーランド、日本が続いている。周辺諸国との緊張は高いものの、やはり日本は平和・・・。

次にマレーシアの評価を見てみると、今年は過去最高となる世界19位、東南アジア域内では昨年に引き続いて首位となっている。イスラム教国としては、15位のカタールに次ぐ順位。

マレーシアの全体の評価については、2007年の調査開始から常に指数が改善傾向にあり、今年は特に政治的安定性と近隣諸国(シンガポールと中国)との関係改善が評価されている。マレーシアに住んでいると、ここ最近は犯罪が増えてきているように感じるが、それでも周辺諸国に比べるとまだまだ安全なのだろう。


[マレーシアのGlobal Peace Index推移]
GPI_2011_01.png

[アジア主要国のGlobal Peace Index順位の推移]
GPI_2011_02.png


逆に低評価となっていたのが、暴力的デモンストレーションの可能性と軍事能力の2項目。ただ実感として、数年前まではイスラム系やインド系によるデモンストレーションがKL市内で行われたりしたが、最近はあまりそうした光景も目にしない。とは言え、宗教的・民族的なものなどポテンシャルとしてデモンストレーションが過激化する可能性は秘めている。

一般的に、マレーシアは東南アジアの発展途上国ということ、また近年のイスラム過激派による活動、或いは政府が報道機関を管理していることから、治安はあまり良くないというイメージが定着している。確かに、日本に比べるとだいたいどこも危険のリスクは高まるのだが、この調査ではマレーシアが平和指数において世界的に優れていることが示されている。現在、低賃金の労働コストを求めて中国やベトナム、インドといった国に進出する企業がかなりの数に上っている。だが、これら地域ではあらゆる危険のリスクが高まり、ビジネスにおいて大きなコストとして圧し掛かることが多々見られる。マレーシアは、労働コストの割にはこうした危険のリスクが小さく、アドバンテージとして働くことができるだろう。

マレーシアのインターネット政策

5月30日、MCMC: Malaysian Communications And Multimedia Commissionは国内ISP各社へ、ファイル共有サイトへのアクセスをブロックする要請を出した。今回の措置は、Copyright Act 1987のSection 41に対応したもので、著作権保護が目的となっている。対象とされているのは以下の10のファイル共有サイト。

Warez-BB.org
The Pirate Bay
Movie2k.to
Megavideo.com
PutLocker
depositfiles
duckload.com
Fileserve
FilesTube
MEGAUPLOAD

ただ、マレーシア政府はこれまで一貫してインターネットの検閲やアクセス制限などの措置は採らないと発表してきた。イスラム国にあってその自由度はアドバンテージであり、国内では強い支持を得られていた。
そうした背景もあってか、今回の措置に対する国内での反発は強い。早速、Facebookに「1M Malaysians Don't Want SKMM Block File Sharing Website」というページが作られ、多くのコメントが寄せられている。

さらに、その後に国際的なハッカーグループ「Anonymous」が、マレーシア政府機関へサイバー攻撃を行うと予告。理由は前述のファイル共有サイトのブロック、また映画やテレビ放送の検閲に対するもので、名称は「Operation Malaysia」。そして6月15日から16日にかけて、予告どおりにマレーシア政府機関へサイバー攻撃が行われた。新聞報道によると、51の政府機関のサイトが攻撃を受け、41のサイトがダウンしたと言われている。

ファイル共有サイトについては、6月19日の時点ではまだ全てのサイトへアクセスすることができている。ISP各社が政府通達に従うかどうかは分からないが、国内メディアでもインターネットへ政府が制約をかけることの危険性について記事が書かれている。(Tackling cyber piracy needs careful planning – The Star)

ファイル共有サイトは今回対象とされた数だけではないし、本当にブロックしようと思えば際限のない対応が求められ、最後には中国のように全てが政府の管理下に置かれることになってしまう。国内ユーザーのだれもがそのようなことは望んでいないし、ISP各社もその危険性は理解しているだろう。

もう一つ、マレーシアのインターネット政策について。観光省が観光促進キャンペーン用フェイスブックページを作成したが、それにRM 180万もの費用が掛かっているとの報道がされていた。日本円にして4,700万円…。「Tourism Malaysia ~ Cuti-Cuti 1Malaysia」というページがそれなのだろうか?

Ng Yen Yen観光相によると、当該費用にはゲームエンジン、プログラミング、デザ インの費用も含まれているとのことだが、それでも何人月分の仕事になるのか?RFIDでも、ソフトウェア開発だけでRM 180万となるとかなり大規模な内容で、Facebookより高度なスキルが求められる。額が大きいだけに、「Curi-curi Wang Malaysia」というページでは多くの批判が飛び交っている。





MCA: Malaysian Chinese AssociationのChua党首は記者会見で、Facebookページのマネージメントや維持管理費も必要であり、観光相は費用のブレイクダウンを示す必要があるだろうと見解を述べている。





1Malaysia e-mailの時でもそうであったが、国民が政府政策に納得できなければFacebook上でファンページが作られ、そこで意見が交わされるといったことが普通になってきた感じがする。政府側としては、ますます政策の透明性が求められてくることになるだろう。

Environment-friendly water purification solution

下のプレゼンテーションは、以前、マレーシアの知人が私の地元の会社の技術に興味を持ったことをきっかけに作成したものです。生態系を活性化させることで、河川や池などの水質改善を行うことができます。商品としては、発展途上国でも適用が可能な内容。



RFIDによる航空手荷物管理システム

2005年から会社で推進してきた、RFID航空手荷物管理システム「e-baggage」のプレゼン資料を作りました。一般公開用を目的としたので、かなりシンプルに纏めてみました。



アフリカ - 「NHKスペシャル」取材班


アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)
(2011/02)
「NHKスペシャル」取材班

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アフリカといえば貧困、紛争、あと天然資源に起因する独裁政治が跋扈しているイメージ。ただ、経済成長のポテンシャルが高く、人口も10億人超と巨大。そうした中、中国企業進出による凄まじい市場開拓が世界で注目されている。本書でも、通信会社ZTEの展開が一つの事例として紹介されている。発展途上の異国地で不自由な生活環境の中、中国人技術者が何としても目標を達成しようという姿勢が描かれている。高いハングリー精神が、劣悪な環境下でもモチベーションを高めているのだろう。昔の日本企業(特に商社)も、そうした姿勢で発展途上国でフロンティアを築いてきたはずなのだが…。アフリカ諸国における中国企業の躍進は、人権問題などを無視した国家による支援が助けとなっている面もあるが、現地で働く中国人労働者のハングリー精神も無視できないだろう。

他にも、民族紛争から急激な回復を見せているルワンダ、ダイヤモンド事業を梃子に教育へ力を入れるボツワナ、経済失策でハイパーインフレに陥ったジンバブエと経済成長著しい隣国の南アフリカ等々。本書を読んで、アフリカが一歩ずつ前進していることを実感できる。同時に、いずれの国も甚大な経済格差を抱えており、この辺の改善が課題であることも理解できる。

あと、マレーシア企業も結構アフリカ諸国での事業に参入している。これは、多くのアフリカ諸国がイスラム教徒を抱えていることが影響している。同一の宗教観というのは、長期の信頼関係を築くうえで重要なファクターであるし、マレーシアの多他民族性が強みとなる。

50代からの選択 – 大前研一

50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか (集英社文庫 お 66-1)50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか (集英社文庫 お 66-1)
(2008/02/20)
大前 研一

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7年も前の2004年に刊行された本だが、タイトルと著者が大前研一ということで手に取った一冊。経営に関する本ではなく、以前読んだ「やりたいことは全部やれ!」と同じ流れ。

めずらしく堅苦しくない表現で書かれているが、内容そのものは辛辣。50代で役員になっていなければ負け組みといった印象を与えるし、会社員にとってはかなりネガティブな内容。

「やりたいことは全部やれ!」では、著者が歯磨き粉も毎回同じもので選ぶことで、時間の節約をしていると書いていた。確かに効率性を求めるのであれば妥当な選択であるが、何か機械的なルーチンワークのような感じがしていた。やはり、新しい商品が出たら試してみたいし、それを選ぶのも楽しみであるのだが、時間を節約するためにこうした行為を放棄するというのは…。本書でも、そうした合理性を追求した内容が書かれているが、疑問点はかなりある。

共感できる部分としては、何事も駄目であれば「リセット」するという意識。この部分だけは、若い時期に知識として入れておけばと思う。


Google、Google walletを発表

Google_Wallet.png
5月26日、Googleよりモバイル決済サービス「Google Wallet」の全容が発表された(プレスリリース「Google, Citi, MasterCard, First Data and Sprint team up to make your phone your wallet」)。Google Wallet専用サイトも公開されており、その機能や特徴、使い方などが紹介されている。また注目度も高かったようで、いろんなサイトで今回の発表をめぐった議論が行われている。数年前まで、NFC製品/サービスで何かを発表しても市場の反応はかなり鈍かったのだが、Googleが本腰を入れたことでその状況が変わろうとしている。

プレゼンテーションでは、Stephanie Tileniusコマース担当副社長が、市場背景やサービスの概要を説明し、本サービスがオープンプラットフォームであることを強調。現時点でのパートナーは大手銀行のシティバンク、クレジットカード大手のマスターカード、決済取引用のセキュリティシステムを提供するFirst Data、そして携帯通信事業者のSprintとなっており、発表の日からサンフランシスコとニューヨークにて実証試験が行われているという。本サービスは今夏からというから、実質数ヶ月だけの実証試験。一般ユーザーを巻き込んでの実証試験からそのまま本サービスというフェーズ移行はかなり難しいような気がしないではないが。ただ、今回のサービスでは既存のMastercard Paypass上に構築するというから、インフラ整備そのものはそれ程大掛かりにならないのかも。それにしても、対応スピードが速い。







Google Walletには、各種クレジットカード情報が格納できるとのことで、プレゼンテーションではパートナー募集を強く訴えていた。また、今年秋にはデジタル・レシート機能が実装される計画であり、全てをスマートフォンで完結できるようにしている。

そしてセキュリティー面では、スマートフォンに搭載されているGooglePin入力によるロック機能、クレジットカード情報の暗号化、クレジットカード番号の一部表示、そしてデータそのものもスマートフォンに搭載されているNXP PN65という「Secure Element」に格納される。確か、ノキアのNFCスマートフォンにもNXP PN65が搭載されていたと記憶しているので、この辺の構成は業界標準なのだろう。EPC仕様のRFIDチップではなかなか競争力を発揮できなかったが、NFCに関してNXPはかなりのアドバンテージを発揮できている印象がある。

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あと、今回は「Google Offers」というものも紹介された。このサービス、Google Walletと連動できる内容となっており、パソコンやNFC端末などから簡単にクーポンや割引情報が手持ちのスマートフォンに取り込め、Google Walletで支払いする時にこれら情報が反映されるというもの。

実際のデモでは、PCを使ってGoogleで商品を検索し、そこで紹介されている値引き情報をクリックすると自分のスマートフォンと同期し、自動的に情報が格納されていた。利用者は支払いのときにスマートフォンをタップし、商品の割引が受けられるといったプロセス。このサービスは面白そう。


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Google Offersは、今夏にサンフランシスコとニューヨークで実証試験を開始する予定なので、ロールアウトの時期は多少異なるのだろう。

プレゼンテーションでも説明されていたが、オープンプラットフォームというだけあって、Google Walletへのアクセスに手数料は課金されないらしい。また、最終的にはAPIが公開される予定となっており、将来的な普及を促進する形となっている。ただ、現時点ではパートナーが少ないというのがネックの一つだろう。プレゼンテーションでは、全米で12万店舗、世界で30万店舗がMastercard Paypassを使える環境にあるといっていたが、マレーシアで使用できる店舗はTesco hypermarketとGiant Hypermarket、Starbucks、Coffee Bean and Tea Leaf、MPH bookshops、BhP petrol stations、Secret Recipe、KLIA limousine serviceとかなり限定的。世界的規模でロールアウトしても、ちょっと寂しい感じがする。印象としては、Visa Waveを採用している店舗の方が多いと思う。VisaはSamsungとNFCを使ったモバイル決済サービスについて協力体制を敷いているが、Google Walletに参加するのだろうか?

あと、今回の発表を聞いていて残念に感じたのが、日本の「おサイフケータイ」の存在。日本での普及のみならず、Felica技術としては香港やタイ、インドなどにも食い込み、早い時期から非接触技術を使った決済サービスではかなりのアドバンテージを有していた筈なのだが…。


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