Globalization Index、マレーシアは27位

1月24日、会計コンサルティングのErnst & Youngは各国のグローバリゼーションを指数化した「Globalization Index 2010」を発表した。この指標は経済規模の大きい60ヶ国・地域を対象としており、「貿易」、「資本」、「技術」、「文化」、「労働力」の5項目で評価が行われている。各項目の評価基準については、「Winning in a polycentric world - Globalization and the changing world of business」に記載されている。ただ、2010年版の資料は公開されている情報が少ない。逆に前年の「Globalization Index 2009」を見ると、1995年からの時系列データが紹介されるなど、推移が確認できる内容となっている。


[アジア主要国の「Globalization Index 2010」評価結果]
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まず今年のランキングを見ると、世界第1位は香港となっており、前年首位のシンガポールは3位に順位を落としている。この2カ国、経済の自由度が高いだけあってグローバリゼーションでは強さを発揮している。

翻って日本の評価は、アジア諸国の発展途上国よりも低い結果に…。特に「文化」と「労働力」については、同域内で最低の数字となっている。実際、「労働力」についてはググローバル市場に対して様々な障壁が存在し、深刻な状況に置かれていることが海外から見ていても強く感じる。

次にマレーシアの評価を見ると、総合順位は前年の33位から27位へと向上している。アジア域内で見ても、マレーシアは台湾に次ぐ順位。項目別では、「貿易」と「資本」の評価がまずまず高い。個人的には、「労働力」に対する評価がもっと高くても良いような印象もあるが。

あと、なぜか「技術」に対する評価がかなり低い。これまで、マレーシアは電気・電子、及び自動車産業における技術力向上のためにグローバルな展開を積極的に行っており、国の政策においても優先度が高かったはずだが。この低評価は最近の傾向かとも思い、昨年の資料から時系列のデータを確認してみた。すると、1995年は2010年より評価が低く、以降「技術」は右肩上がりで評価が向上している…。
私自身、1995年は電子部品企業のマレーシア工場で働いたが、当時はマハティール首相のルックイースト政策の後押しもあり、国全体にグローバルな視野で技術力を向上しようという空気が今以上に感じられたし、技術者の質も高かったように思う。
そこで「技術」の評価基準を確認してみると、「R&D trade」だけでなく「Broadband subscriptions」と「Internet subscriptions」も対象となっている。「Broadband subscriptions」と「Internet subscriptions」が「技術」のグローバリゼーションにどの程度の寄与しているのかは分からないが、この2項目がマレーシアの「技術」に対する低評価に繋がってるようで、であれば妥当な数字とも言えるか。

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2011年、経済自由度ランキング

ヘリテージ財団と米経済誌ウォールストリートジャーナルは、2011年版の世界各国・地域の経済自由度ランキング「2011 Index of Economic Freedom」を発表した。調査対象は179ヶ国・地域で、「ビジネス」、「貿易」、「国庫」、「政府の介入」、「通貨」、「投資」、「金融」、「不動産利権」、「汚職度」、「労働」の10部門について評価がされている。(2010年経済自由度ランキングについて)







全体では香港が17年連続で首位を記録、逆に先進諸国で米国や英国、日本が前年から順位を落としていることに注目が集まっている。因みに、シンガポールも17年連続で2位。これも凄い記録だと思うが。

次に、マレーシアは前年の59位から53位へと大きく順位をあげている。アジア・パシフィック41カ国・地域の中では9位。特に、今回は投資と労働の2部門が評価されており、投資は前年から15ポイント、労働は7.8ポイントの上昇となっている。投資については、ブミプトラ政策の見直しが評価されている感じがする。それでも、投資の自由度は世界平均を唯一下回っており、まだまだ改善が必要とされている。労働については、労働法規が近代的で柔軟性が高いと評価されているようだが、現地で働いていてその実感は薄い。

また、ナジブ政権で力の注がれている腐敗については、前年から最も評価が下がる結果となった。現地の新聞などの媒体では、 Malaysian Anti-Corruption Commissionの成果がよく紹介されているのだが…。

全体的に見て、評価内容は以前のものと大きく変動なく、投資以外は世界平均を上回っている。投資に対する自由度は、ブミプトラ以外の投資環境が改善されることで評価は容易に高まるのだろうが、政治的にはかなり難しい判断が必要とされる。ただ、マレーシアが2020年に先進国入りすることを目指しているのであれば、何らかの抜本的なアクションが求められることになるだろう。


[東アジア主要国の自由度データ]
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[東アジア主要国の自由度スコア]
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ETP、19の追加プロジェクトを発表

1月11日、ナジブ首相はEconomic Transformation Progremme: ETPに新たに19のプロジェクトを追加すると発表した。昨年9月21日に発表されたEntry point projectから、約3ヶ月という期間で大型のプロジェクトが矢継ぎ早に出された。発表によると、今回の追加プロジェクトへの投資金額はRM 670億で、35,000人の雇用創出につながるとされている。首相官邸のページには、ナジブ首相によるスピーチ全文「3RD ECONOMIC TRANSFORMATION PROGRAMME UPDATE」が掲載されている。









今回、特に目を惹くのがエネルギー分野のプロジェクトで、エクソンモービルやシェル・グループといったグローバル企業の名前が出てきている。それと同時に、追加19件の中にMalaysia Nuclear Power Corporationの設立が言及された。このプロジェクトは、昨年から何度もマレーシアの切迫したエネルギー事情と共に紹介されてきたが、今回の発表を受けて本格的な活動が展開されることになる。

日本は昨年9月に、日マ両政府が原子力発電に関する協力する文書に署名している。そして1月13日、マレーシアで開催された情報通信担当相会合に出席していた片山総務相がナジブ首相と面会、菅首相の親書が手渡されたとのこと。親書では、原子力開発や水管理などに協力する意向が表明されている。

ただ、これまでマレーシアの原子力発電に対しては、韓国と中国、フランスも協力を表明しており、政治力がかなり影響されてくると思われる。日本は技術力で優位な立場にあるのだろうが、マレーシアの政府系案件の特徴として技術力や品質の高さはあまり重視されない傾向といった印象が強い。最近も、中国や韓国との政府レベルでの協力が目立ち、日本政府の印象は薄い。
その他にも、様々な興味深いプロジェクトが紹介されている。SelecTV というサービスでは、ホテル客室にIPTVでマレーシアコンテンツを配信することも計画されている。また、政府が力を入れている太陽電池の分野では、AUO SunPowerのマラッカでの太陽電池生産を発表。あと、Greater Kuala Lumpur/Klang Valley initiative関連として、RM 366億がMRT事業とTalent Corp設立の投資額となっている。過去のニュースでは、MRTシステムの整備だけでRM 300億以上必要と言われていたので、殆どがMRT事業へ回ることになるのだろう。

ただ、これだけのプロジェクトを管理していくのはかなり大変そうな気が…。

With RFID, Malaysian Logistics Company Gets Fewer Blowouts

会社の宣伝です。1月12日、RFID Journalに「With RFID, Malaysian Logistics Company Gets Fewer Blowouts」のタイトルで『e-Tyre Manager』が紹介されました。記事は技術的な部分の説明ではなく、実際に使用されているユーザーさんに焦点が当てられています。

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昨年12月にも、LNEWSで「FECインターナショナル/RFIDでタイヤ管理」とのタイトルで取り上げてもらっています。

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下記、ご参考までに。
英語版プレスリリース
日本語版プレスリリース
e-Tyre Manager専用ページ


Good Governance for International Business: Asia Pacific 2010

コンサルティングファームのVRIENS & PARTNERSより、アジア太平洋地域の国際ビジネス環境に関する調査報告書「Good Governance for International Business: Asia Pacific 2010」が発表された。対象は18ヶ国・地域で、「法治」、「国際貿易・ビジネスの開放度」、「税制」、「腐敗」、「公的部門の品質と効率」、「財政・金融政策」の6項目で評価されている。


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他の機関が行っている同様の調査報告と同じだが、域内での総合評価1位は香港、2位がシンガポールという結果。ビジネス環境においてこの2ヶ国は群を抜いている。

マレーシアについては、総合評価で7位、アセアン地域に限って言えばシンガポールに次ぐ2位の評価となっている。特に税制に対する評価が高く、全体でも3位となっている。確かに、マレーシアにはパイオニアステータスやMSCステータスなどの各種税優遇措置が適用可能となっているが、税制が周辺諸国に比べてそれほど優れているのだろうか?逆に日本は税制で最下位の18位という評価。

また、2009年のブミプトラ資本規制緩和が高く評価され、国際貿易・ビジネスの開放度へ寄与している。

あと、公的部門の品質と効率はなぜか韓国より上の7位…。私自身、よく韓国人の方と話す機会があるが、マレーシアの公的サービスについては頻繁に愚痴を耳にするし、その感覚は日本人に近いものがある筈だが。

マレーシアで低評価だったのは、財政・金融政策の12位。これについては、いま推進されているEconomic Transformation Programmeの成否が影響してくるだろう。

マレーシアのインターネット利用傾向

マレーシアのインターネット利用傾向に関し、面白いデータが2つ示された。

一つ目は、「Visa eCommerce Consumer Monitor」という報告書で、クレジットカード大手のVISAが調査したもの(Visa Survey Finds Nine in Ten Have Shopped Online Over the Past Year)。過去12ヶ月にオンラインショッピングに費やした金額を国別に調査しており、マレーシアはUS$2,006で域内平均を若干下回っていた。詳細を見ていくと、航空券と宿泊先のオンライン購入が多数を占めているようで、82%が過去12ヶ月にインターネットで航空券を購入、宿泊先予約も72%に上っている。実際、AirAsiaのプロモーション期間中はアクセスが集中し、数時間で航空券が売り切れとなることも聞いている。

また、新聞記事には電化製品や金融サービスの購入をオンラインで行う傾向が増加しており、マレーシアにおけるオンラインショッピングのポテンシャルの高さが説明されていた。しかし、日本や欧米に比べるとオンラインショッピングを提供しているポータルサイトはまだ少ない印象がある。


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次に、Malaysian Digital Associationが発表した「Malaysian Website Rankings for November 2010」では、マレーシアからの閲覧が多かったウェブサイトがランキング化されている。発表された資料によると、最もアクセスが多かったのはFacebookで、YahooとGoogleがそれに続いている。昨年10月に書いた「インターネット利用調査」でも示されているが、マレーシア人のSNS利用は世界でも上位に位置しており、今回の結果はそれを裏付ける数字となった。

全体的な傾向を見ていくと、SNSや情報・検索ポータルサイト、そしてニュースサイトが上位を占めている。前述のオンラインショッピングについては、Facebookを通じた商品紹介がかなり活発に展開されている印象を持っている。

私自身、今回のランキングが発表されるまでは、マレーシアローカルのウェブサイトについてあまり知識がなかった。面白いところでは、Mudah.myでは携帯電話や自動車の売買、仕事紹介が行われており、Lelong.com.myではオークションが提供されている。常時接続が当たり前となってきた今日、こうしたサービスの提供はさらに拡大していくだろう。

補足として、Alexaのページでは世界全体での閲覧上位、及びマレーシアの上位100が紹介されており、こちらも参考になる。

光ファイバー高速ネットワーク網で各社提携

昨年の12月中旬以降、光ファイバー高速ネットワーク網を提供している2社から提携に関する発表が行われた。

まず最初は、昨年12月14日にTelekom Malaysia(TM)がMaxisにHSBBサービス提供に関して契約を締結したというもの(TM & MAXIS SIGN LANDMARK HSBB (ACCESS) SERVICE PACT)。これにより、MaxisはHSBBを活用した有線・無線通信サービスやIPTVを展開する計画という。

私自身、会社では7年前からMaxisのADSLサービスを使用しているが、これまでアップグレードなどのサービス改善は全く行われてきていない。今回の提携により、Maxisが新しい高速通信サービスを出してくることに期待している。

因みに今年1月には、TMのUniFiサービスが75万戸をカバーエリアとし、契約総数も3万件を突破したと発表(TM’S UNIFI HIGH SPEED BROADBAND SERVICE REACHES MORE THAN 750,000 PREMISES PASSED )。2012年には130万戸をカバーエリアをとすることを目指しているという。

次は、最近首都圏での高速通信サービスエリア拡大が著しいTIME dotCom (TDC)による発表。まず昨年12月14日、TDCはDiGiへ携帯電話のバックホール回線を提供することで合意、契約期間は10年間で受注額はRM 1億3,900万というもの(TIME Selected as DiGi's Fibre Provider in RM139 Million Deal)

そして同月21日には、衛星放送のASTROへの光ファイバーリース計画が発表された(ASTRO, TIME collaborate to bring the best of TV and broadband)。具体的には、TDCの光ファイバー高速ネットワーク網を利用したIPTVサービスで、クランバレーとペナンの利用者へ「b.yond」を提供するという内容。

TMのUniFiもオンデマンドで動画が見られるサービスを提供しており、YTLのYES 4Gも同様のサービス提供を目指している。各社とも、高速通信環境+αを付加価値として強調し、顧客獲得を展開しているようだ。

またTDCの場合、昨年12月初旬の発表ではクアラルンプールのモントキアラ地区とゴールデン・トライアングル地区において、計200棟のビルで利用可能と発表している。

TMとTDCの両社ともに、カバーエリアの拡大が大きく報道されているが、既存のオフィスビルで使用できるところはまだ少ないと感じる。私が入居しているオフィスビルはツインタワーの正面に位置している高層ビルだが、オフィスビルのマネージメントからはTMもTDCも現時点では使用できませんと言われている。既存のビルで光ファイバー通信を使える日がくるのは、もう少し時間が掛かりそう…。

交通違反反則金キャンペーン - 2

昨年末に書いた「交通違反反則金キャンペーン」の続き。
キャンペーン発表後、我が家でも罰金がないかをオンラインで確認するためポータルサイトのMyEGに登録、ステータスを確認してみる。結果、あなたの交通違反は「0」ですとの案内が表示され、とりあえず一安心。

だが、年が明けた1月5日にメールを確認してみると、MyEGから「Your outstanding PDRM summons : 1」とのメッセージが…。リンクを開いてみると。2008年11月19日5時(午前?)に標識無視を行っており、RM 100が未払いとなっているとの記載が。1ヶ月前には違反がゼロとされていた筈だが。
また、この違反に該当している車両は既に下取りに出している車であり、本来、違反記録が残ってればマレーシアでは下取りにも出せないシステムとなっている。でも、既に車は手元にない状況。2年以上前の交通違反が今になってデータベースの記録にアップされることも不可解だが、平日の朝5時に車を運転することもまずありえない。

色々と納得できないので、車の所有者であった妻が警察に出向いて説明を聞くも、データベースに記録が残っているのだから罰金を払いなさいの一点張り。こちらの言葉を聴こうともしない態度で、違反の詳細も教えてくれなかったらしい。また、警察の担当は「今ならキャンペーン中で半額のRM 50だから」と言うので、いつまでキャンペーン中なのかと聞くと「知らない」との返答が…。

警察へ行った後、下取りを仲介してくれたローカルの人に経緯を説明すると、その人も2007年の違反が突然記録として出てきたと言ってた。そして、「マレーシアだから仕方がない」で片付けられてしまった…。

終わりが見えそうにないので、とりあえずRM 50は警察に募金しようかと思案中。


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