交通違反反則金キャンペーン

ちょっとタイムリーな情報ではないが、マレーシアでは12月1日から交通違反の反則金ディスカウントキャンペーンが行われている。来年2月28日までの時限性とし、最高で50%のディスカウントが受けられるというもの。確か、数年前にも同様の措置が採られ、凄い数の人達が警察に殺到していたことを憶えている。政府発表では、これが最後の措置であり、以降はいかなるディスカウントも認めないとしている。

因みに2月28日の期限を過ぎると、違反者はブラックリストに掲載され、運転免許証とロードタックスの更新が許可されないとのこと。発表の時点では、約65万人がブラックリスト対象。ただ、ブラックリストに掲載されても、マレーシアではいろいろな抜け道がある。私の知人の場合、警察の知人に頼んで直接署内のコンピューターから違反記録を消去してもらっていたし、費用は違反金より安かったと思う。

また、発表によるとマレーシアでは毎日1万から1万5千件の交通違反切符が切られているという。ただ、マレーシアでは警官への袖の下が横行していることから、この数字は信頼することができない。

これを裏付ける情報として、先日Transparency Internationalが発表した「Global Corruption Barometer」では、マレーシアの汚職は警官の賄賂請求が最上位という結果が示されている。それ程に、警察の腐敗は深刻な状況にあり、あまり改善が見られていない。

マレーシアは2020年までに先進国入りすることを国家目標として目指しているが、政策の多くは所得水準の向上が中核となっている。個人的には、正直者が損をしない公正・公平な社会の形成も先進国として重要なファクタであろうし、その上で警官など公務員のモラル改善は急務だと考えるが。


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NEAC、新経済モデル最終案発表

12月3日、NEAC: National Economic Advisory CouncilからNew Economic Model最終案がリリースされた。NEACのウェブを見ると、「Download option for New Economic Model for Malaysia – Concluding Part.」というページで全文がダウンロード可能となっている。ただ、フルドキュメントは143ページものボリューム…。Executive Summaryでも34ページのボリュームだが、こちらは結構分かり易くまとまっている。

同日、ナジブ首相も記者会見を行い、3月の発表から修正や改良が加えられたことが説明された。とは言え、8つの戦略的イニシアチブなど基本的な部分は前回発表された内容を踏襲しており、大きな変更が加えられた訳ではなさそう。





ただ、個人的に注目したいのはGLCの改革部分。現在、マレーシアにはNEACの調査で445ものGLCが存在していることが明らかとなり、今回そこにメスが入ることになった。私自身、マレーシアでGLCと仕事をする機会があるが、まずGLCそのものの定義づけが曖昧と感じる。そうしたこともあり、445という数字も正確なものではなく、誰も実際の数字を把握していないと言える。

確かに、国レベルで新しい産業や技術、或いは大型プロジェクトを推進したい場合、政府機関と連動できるGLCは有益な存在であった。政治力を伴っていることで十分な予算を確保でき、且つさまざまなリスクを回避することで、民間企業では遂行できない事業も進めることができた。

特に、政府系ファンドのKhazanah Nasionalが出資する企業を見ていくと、電力や通信、インフラ整備などの企業が名を連ねており、マレーシアが国家として発展していく上で大きな役割を果たしてきた。

だが、政府系企業ということもあり、組織そのものは官僚的であり、ロジックも民間企業のそれとは大きく異なる。また、時間の経過と共にその存在意義が失われたGLCも目にするし、そのことで特定の産業は国際競争力やダイナミズムを削がれる結果となっている。例えば、政府系プロジェクトにおいては、品質やコスト性に優れた民間企業ではなく、政治力に優れたGLCがそれを請け負うケースが多い。

こうした背景もあり、新経済モデルではGLCの対応策にかなりのページが割かれている。主要な対策としては、GLC Oversight Authority: GOAを設立し、そこが全GLCの業績分析を実施、非戦略的GLCに分類された会社を民間へ売却し、そこで得られた資金をSWF: Sovereign Wealth Fundから投資へ充当するといった内容。つまり、不採算となっている政府系企業を第三者機関にて明確化し、それを整理しようというもの。

GLCによって硬直化した産業を活性化させる上でも、今回の措置は面白い試みだと思う。ただ、業界の抵抗も大きく、どれだけの実行力を発揮できるかが鍵になるだろう。

Google、NFC携帯端末「Nexus S」を発表

12月6日、Googleは「Android 2.3」(開発コード名「Gingerbread」)を搭載した携帯端末「Nexus S」を発表した(プレスリリース「Introducing Nexus S with Gingerbread」)。Web 2.0 SummitでSchmidt CEOが予告していた通り、NFC機能が搭載されており、筐体にはSamsung Electronicsの文字が。





「Nexus S」専用ページを見ると、Featuresの中に「Near Field Communication (NFC):
Nexus S can read information from "smart" tags, or everyday objects that have NFC chips in them. These can be anything from stickers and movie posters to t-shirts.」
と記載されている。あと、ConnectivityにもNear Field Communication (NFC)の文字が。

NFC機能に関しては詳しい情報が掲載されていないが、エンジニアによる技術説明がビデオで紹介されている。




あと、「Android 2.3 Platform and Updated SDK Tools 」にてSDKが紹介されており、「The platform now includes support for front-facing camera, SIP/VOIP, and Near Field Communications (NFC), to let developers include new capabilities in their applications.」との説明が。NFCを使用したアプリ開発が、急速に進みそうな感じがする。

今回の発表、明らかにNOKIAがNFC機能を搭載したときよりも注目が集まっている。それだけAndroid端末が市場で存在感を増しており、牽引役を果たすと見られているのだろう。来年は、多くのメーカーからNFC機能を搭載した携帯端末がリリースされるだろし、どんなアプリケーションが市場に登場してくるのか楽しみである。

「Global Retail Theft Barometer 2010」、マレーシアはアジア3位

小売業の調査・コンサルティングを行っているCentre For Retail Researchから、「Global Retail Theft Barometer 2010」が発表された。この報告書、簡単に言ってしまえば各国の小売業における盗難などのロス率を調査したもの。

2010年版では42カ国・地域を対象とした調査が実施されており、小売業におけるロス総額は約US$1,073億であったものの、全ての地域においてロス率は減少傾向にある。地域別に見ていくと、インドが2.72%とダントツの数値を示しており、過去から3%前後を推移している。

そして、マレーシアもロス率の高い国の一つに位置づけられており、2010年のロス率は1.53%となっている。この数字はアジア域内で第3位、世界全体でも8位となっている。因みに、アジア・パシフィックの平均値が1.16%となっており、最もロス率の低いのは台湾の0.87%で、香港の0.91%がそれに続いている。また、日本は1.00%で4番目にロス率が低いとされている。

[アジア主要国のロス率推移]
GRT_2010_01.png

ただ、金額ベースで見ていくと、アジア域内では日本がダントツの数字となっており、ロス総額はUS$92.73億。そして、この数字を大きく上回っているのが米国で、その総額はなんとUS$390億と桁違いとなっている。こうした背景もあり、米国ではアパレル関係を中心として、アイテムレベルのRFID普及が進んでいるのだろう。

[アジア主要国のロス金額(2010年)]
GRT_2010_02.png

次にマレーシアの詳細を見ていくと、ここ数年のロス率は1.5%台を推移しており、世界的にも高い数字となっている。この数字に対して、対策費用としては0.20%しか投資されていない。
被害の内訳を見ると、買物客による万引が51.6%(US$ 132million)、従業員による窃盗22.3%(US$ 57million)、卸売業者の抜取5.9%、内部管理による誤差20.2%となっている。資料を読むと、特にアパレル類における被害が最も大きいとのこと。

[マレーシアのロス被害内訳(2010年)]
GRT_2010_03.png

確かに、マレーシア国内では組織的な商品盗難の話をよく耳にするし、抜本的な対策を打つことができていない。それ以上に問題なのは、小売店における商品管理手順やプロトコルがきちんと規定されておらず、どこで商品が紛失したか把握できないところにある。
私の知人も大手小売店で働いているが、前述の理由から誰でも倉庫から商品を盗み出すことができ、その上ばれる可能性が少ないといっていた。

対策の一つとしてRFID技術の適用が注目されているが、まずは商品管理手順やプロトコルをきちんと規定する必要がある。そうでなければ、いくらRFIDタグを取り付けても何も効果が得られないし、ただ新技術に投資したという結果に陥りかねない。

参考までに、マレーシアのより詳しい情報については、Bernamaの「GLOBAL RETAIL THEFT BAROMETER STUDY FINDS SHRINKAGE DOWN 5.6% TO 1.36% OF RETAIL SALES OR MYR332 BILLION (US$107.3 BILLION) WORLDWIDE」に紹介されている。


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