AVG Technologies、ネットが安全な国を発表

セキュリティーソフトウェアで有名なAVG Technologiesが、各国のネットの安全性についてのランキング「Where are the safest and most dangerous places in the world to use the internet?」を発表した。調査は144カ国を対象とし、AVGのセキュリティーソフトがインストールされた1億台のPCにおいてどれだけのウィルス攻撃を受けたのかをまとめたもの。


まず最も安全な国上位5カ国のうち、4カ国はアフリカ諸国という結果。先進国では唯一日本が第3位にランキングされた。アフリカ諸国そのものはインターネット普及率が低いということもあり、ウィルス攻撃の頻度が低いから安全性が高いとはいえないだろう。それゆえ、記事でも世界一ネットが安全な国は日本、および台湾と結論付けられている。

東アジア諸国においては、概ね中程度の安全性の評価となっている。図をみると、同地域では日本が青色、そしてタイ周辺が赤色にカテゴリーされている以外は黄色のカテゴリーとなっている。ただ、東南アジア全体としてはウィルスの攻撃にさらされる確率が世界平均の1/73より高いことが指摘されている。





日本の場合、総務省が発表した通信白書によると個人の世帯でも80%以上がセキュリティー対策を行っている(第2部 情報通信の現況と政策動向、第4章 情報通信の現況、(4)セキュリティ対策)。国民性もあるのだろうが、やはり意識してきちんと対応できていることが大きいだろう。

マレーシアの場合は、アンチウィルスソフトだけであればパイレーツという前提はあるが、普及率はかなり高いように思われる。そういった意味において、ネットによるウィルス感染の脅威がそれほど高くないのかも知れない。ただ、違法ソフトがマーケットに氾濫していることもあり、そうしたところからPCがウィルスに感染する例はよく耳にする。また、私の周りのPC利用者は、ウィルス感染によって不具合が生じたら、安易にフォーマットを選択する傾向にあり、ウィルスの脅威をあまり危機的には感じていないようだ。これも国民性か。


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ニューズウィーク、The World’s Best Countriesを発表

米誌のニューズウィークから、「The World’s Best Countries」というランキングが発表されていた。このランキング、「Education(教育)」と「Health(医療)」、「Quality of life(生活の質)」、「Economic dynamism(経済活力)」、そして「Police environment(政治環境)」という5つのカテゴリーで評価されるというもので、今回上位100カ国のデータが公開された。インタラクティブページはなかなか使い易い作りになっており、地域別に比較ができたりする。

上位を見ていくと、1位はフィンランド、2位にスイス、そして3位にスウェーデンと欧州3カ国が独占。東アジアでは、日本の9位が最高。個別に見ていくと、日本の医療が第1位と評価が高い(Japan's Good, Cheap Health Care)。確かに、日本の医療保障は他国に比べて充実しており、医療技術も高い。また教育に関して、日本と韓国、そしてシンガポールが上位10位以内に入っている。経済活力でもこの3カ国が上位10位以内に位置しており、この2項目が全体のスコアーを押し上げている。また世界経済から注目される中国については、経済活力が13位の高評価。他の評価はそれほど高くないこともあり、突出して見える。


[東アジア主要国のWorld’s Best Countriesランキング]
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マレーシアの評価を見てみると、世界全体での総合ランキングは37位、ASEAN域内ではシンガポールに次ぐ2位の評価となっている。特に評価が高かったのが経済活力で14位となっている。あと、政治環境がシンガポールより高評価であるのには少し驚いた。個人的には、シンガポールの政治環境はシステマティックにものであり、マレーシアよりクリーンなイメージを持っていたが…。この低評価により、シンガポールは総合ランキングを大きく下げている。

東アジア全体では、総じて経済活力が高いものの、教育と医療においては二極化の傾向が見受けられる。さらに、東南アジア諸国においては政治環境が全体のスコアを下げる主因となっている。これが東南アジア諸国の長年にわたる特徴でもあるのだが、改善がなかなか進んでいない。現地でポリティックな問題にぶつかると、たいていは「ここはマレーシアだから」、「ここはタイだから」、「ここはインドネシアだから」という言葉で濁されてしまう。


マレーシアの役員報酬ランキング

日本では、2010年3月期決算から報酬が1億円以上の役員の名前と報酬額の個別開示ルールが導入された。結果、289人の経営者が1億円以上の報酬を受け取っており、最高額は日産自動車のカルロス・ゴーン社長で8億9,100万円、次いでソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長が8億1,450万円で第2位となっていた。

そしてここマレーシアでも、8月に「マレーシア。ビジネス」という経済誌で2009年の役員報酬額に関する調査報告が掲載された。調査によると、マレーシアの1位はGentingのLim Kok Thay会長で、報酬額はRM 8,760万~8,765万と推察されている。日本円に換算すると、おおよそ23億9千万円・・・。同社全体の役員報酬はRM 9,211万と推定されていることから、実に95%が会長の報酬に割り当たられたことになる。

さらに第2位もLim Kok Thay会長で、こちらは系列会社であるGenting Malaysiaからの報酬となっており、RM3,725万以上(約10億1,600万円)と推察されている。2つ合わせると、実に34億円超の報酬を受け取っていることになる。

マレーシアで唯一のカジノライセンスを持ち、同族経営で経営陣を固めていること、そして最近ではシンガポールへの進出など積極的な展開を行っている同社ではあるが、報酬額は桁違いに大きい。

第3位はIOIのLee Shin Cheng会長でRM 2,500万~3,000万(6億8,200万~8億1,860万円)。こちらも同族経営を行っており、プランテーションを中心とするコングロマリット企業でマレーシアでは有名。

GentingやIOIといった会社は、東南アジアではそこそこ知名度の高い会社であり、いずれもコングロマリット企業として成功をおさめている。また、中国系特有の同族経営を基礎とすることで、報酬額は日本の大手企業を上回ることさえもある。

それにしても、Lim Kok Thay会長の報酬額は凄い。これだけの報酬額、老朽化したゲンティン・ハイランドの施設改修に一部でも当ててくれれば、今以上に訪れる人たちの満足度も向上するのだが。


マレーシア、 2010年第2四半期のGDP

8月18日、マレーシア中央銀行は2010年第2四半期のGDP成長率を発表(Economic and Financial Developments in the Malaysian Economy in the Second Quarter of 2010)。マレーシア経済は今年第1四半期に引き続き好調を維持しており、第2四半期のGDP成長率は前年同期比で8.9%を記録した。

国内においては、自動車販売が過去最高を記録する勢いだったりと消費意欲も高まっており、マレーシア経済そのものが好況期にあると実感できる。


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分野別で見てみると、前期と同様に製造業が15.9%と高い数字を示しており、特に電気・電子が23.2%とマレーシア経済の牽引役を果たしている。昨年は、世界的に電気・電子産業が大きく失速したことから、マレーシアの同産業も大きく落ち込みを見せ、経済全体に影響を及ぼしたが、ようやくマレーシア本来の経済構造に戻った印象がある。
逆に不況の折にマレーシア経済の牽引役を果たした建設業だが、第2四半期では4.1%にとどまっている。詳細をみると住宅部門がマイナス成長に陥っており、昨年からの景気刺激策が一段落した影響を受けているような印象がある。


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記者会見において、中央銀行ゼティー総裁は2010年通年で6.0%超のGDP成長率に自信を見せていた(Economy Grew 8.9 pct In Second Quarter - Bernama)。その根拠は、先進諸国経済の減速は予想されるものの、国内の内需が堅調に成長を続けていることが理由のようだ。ただ、やはりマレーシア経済の牽引役である製造業は世界経済と緊密にリンクしており、内需だけで支えられるものではないと考えるが。


好調なマレーシア自動車産業

6月末、Malaysian Automotive Association (MAA)は、2010年度の自動車販売台数予想を上方修正したことを発表した。上半期の販売が前年同期比でプラス19.8%を記録したことを受け、当初年間販売台数を55万台としていたが、それを57万台へ修正した。これにより、2005年に記録した552,316台を超えるか注目されている。

今年上半期の自動車販売統計を見ると、主要メーカー各社とも前年同期比でプラスを記録している。上位10社の販売状況を見ると、唯一ナザとHyundai-Inokomが前年同期比でマイナスとなっているものの、その他は大きく販売台数を伸ばしている。


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この状況を受け、各社とも今年の販売台数予想を上方修正してきた。まず、シェア1位のプロドゥアは今年上半期の販売台数が前年同期比で20.3%増加した実績から、通年の販売台数を176,000台から185,000台へ修正している。

シェア4位のホンダは年間目標台数を40,000台から10%増となる44,000台へ引き上げている。高級車販売のメルセデスも、今年上半期は過去最高の販売台数を記録している。また、先日「アルト1.0L」を発表したスズキは前年比43%増の8,000台を見込んでいる。

好調の要因としては、昨年までの景気後退で停滞が続いていた自動車産業が、景気回復と共に消費者の購入意欲が高まったことが大きいのだろう。個人的には、自動車ローン金利の引き上げも消費者行動に影響が及んだと思われる。今年に入り、すでに3回の自動車ローン金利引き上げが行われており、その度にディーラーから顧客に向けて金利引上げ前の購入を促す電話が掛かってくる。

また国内生産の方も好調であり、唯一プロトンが稼働率50%程度と低水準であるが、他は軒並み100%超の稼働率となっている。プロトンについて言えば、中国市場向けにCKDで金華青年汽車集団へ3万台輸出する計画や、ワジャの後継車種が今年末にリリースされるといった話題もあるが、プロドゥアとの提携話や自動車輸出不調といった不確定要素が山積みとなっている。

自動車販売との対比で面白いのは、J.D. Power Asia Pacificが7月30日に発表した「Shorter Service and Vehicle Pickup Timing Have Positive Impact on New-Vehicle Owner Satisfaction With After-Sales Service」という報告書。この報告書、「サービスの質」、「車両引取」、「サービス開始」、「アドバイザー」、「サービス施設」の5項目で評価し、各社のアフターサービスの満足度が示されている。結果を見ると、日本メーカー4社が上位を独占しており、逆にマレーシア主要メーカー2社は平均以下の下位という位置付け。


[2010 Malaysia Customer Service Index (CSI) Study]
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マレーシアメーカー、日本メーカー共にいまは好調な販売を示しているが、カスタマーサービスという面では大きな差が生じている。日本メーカへの場合、完全とは言えないものの日本式の経営スタイルが貫かれていることもあり、顧客満足度にはかなりの注意が払われている。ひとつには、新車購入時にアンケート用紙が配布され、接客態度などかなり細かい評価を出すことができていた。

コスト優位性のある局面においては、カスタマーサービスが多少劣っていても消費者がある程度妥協することが可能であろうが、長期的観点から見ていくと、徐々に顧客離れを促進する要因になるであろう。将来的には、消費者の所得水準が高まっていくことで、購入対象の選択肢が広がることになれば、コスト性以外の要素が重視されていくこにもなるだろう。それが自動車の走行性能か、環境性か、或いは信頼性かは分からないが、いずれもいまのローカルメーカーに不足しているものであろう。


東南アジアのRFID市場成長に期待

RFID Journalに、「RFID Is Forecast for Strong Growth in Southeast Asia, Two Research Firms Say」という記事が掲載されていた。

記事によると、Frost & Sullivanが発表した「RFID Technology's Potential Opens up Numerous Application Sectors」、そしてRNCOSの報告書「Global RFID Market Analysis till 2010」にて、東南アジア諸国におけるRFID市場の高成長が期待できるといった内容。

まずFrost & Sullivanの報告書では、2016年までに東南アジアとオーストラリア、ニュージーランドのRFID市場規模は2008年比で3倍以上になると予想している。金額ベースでは、同地域における2008年の市場規模はUS$8,000万超であり、2016年にはそれがUS$2.5億以上に達すると見込んでいる。

次にRNCOSの報告書によると、2011年から2013年のRFID市場年間成長率を17%と予想しており、市場規模は約US$27億。また、2013年にはアジア太平洋地域の市場規模は全体の27%に達すると見込んでいる。
ただ、アジア太平洋地域となるとRFIDを積極的に展開している日本や中国、韓国、そしてオーストラリアも含まれてしまう。そのため、東南アジア諸国の寄与率がどの程度であるのかが鍵となるが、それを知るには有料での購入が必要。電子文書でのシングルユーザーラスセンスがUS$1,600…。この手の報告書はどれも高額で個人では中々手がでない。

これら報告書では、東南アジア諸国のRFID市場に関してかなり楽観的な見通しが示されている様子だが、実際に仕事をしている感覚としては、同地域において劇的にRFIDの導入が進むとは考えられない。唯一、シンガポールは官民共に積極的な展開を行っている印象があるが、その他の地域は政府主導の案件が中心であり、その傾向は今後も続くと思われる。また、政府主導の案件の場合だと必要以上に時間を要してしまい、途中で頓挫ということもよく発生している。さらに、あまりRFIDに対する理解が深くないことから、RFIDに過度な期待を持たれたり、実現不可能なシステム構築を提案されることもある。

それが民間になると、なかなかRFID導入によるROIを見出せないこと、そして外国企業の場合だと東南アジア諸国のプライオリティーが低いためか、新しい技術の導入にはかなり消極的である。ケーススタディーと共に見込まれる効果を示しても、なかなかプロジェクトとしてスタートすることはできない。そしてクライアントからよく言われるのが、『実証試験やテストは行いたくないので、既に完成したRFIDシステムをパッケージとして導入することができるならば検討しますよ』というもの。だが、アプリケーション内容や対象商品・製品、そして使用環境に応じた最適なシステム設計を必要とするRFIDにあって、この要求を満たすことはかなり困難である。

翻って中国などは政府が積極的にRFIDの利活用を推進していることもあり、いろいろな分野にRFIDが使用されている。その結果、RFID市場では目を見張る成長を遂げているし、知識の蓄積も進んでいるように感じる。私見としては、東南アジア諸国のRFID市場の成長は中国として比較しても緩やかであり、市場の成熟にはより多くの時間を要すると考える。

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本書では、クライアントと長期の関係を築く上で求められる「プロフェッショナル」という存在に焦点が当てられ、各種事例を織り交ぜて展開されている。著者はプロフェッショナルの特質として、「無私と自立」、「共感力」、「ディープ・ジェネラリスト」、「統合力」、「判断力」、「信念」、「誠実さ」の7つを挙げている。ただ、経営コンサルタントを対象としたような内容が多く、私が期待していたプロフェッショナル像とはちょっと違うようにも。

また、紹介されている内容についても、日本の企業では結構普通のことが書かれているようにも感じる。例えば、より広く深い知識を身につけたスペシャリストをディープ・ジェネラリストとして紹介しているが、こういった姿勢は昔から日本企業には根付いていたように思う。私自身、昔は製造業で製品開発業務を行っていたが、より広く深い知識の習得が会社として奨励されていた。クライアントとの良好な信頼関係を築き、そして長期のビジネスへ発展させていく手法、それは日本企業が得意とするものであろう。

私としては、「誠実さ」の章が興味深かった。『約束を守る』の部分では、「ひとたび約束したら、その大小にかかわらず、同じように真剣に対処すべきである」と書かれている。ここマレーシアでは、決定的に不足していることである。また同じ章に、「クライアントにとっては、あなたが仕事を達成できなかった理由などどうでもよい」とあるが、多くの日系企業がこの国でフラストレーションに感じていることであろう。


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