マレーシア、2009年第4四半期のGDP

2月24日、マレーシア中央銀行は2009年第2四半期のGDPを発表(Economic and Financial Developments in the Malaysian Economy in the Fourth Quarter of 2009)

大方の予想を上回り、2009年第4四半期は前年同期比でプラス4.5%となった。グラフからも分かる通り、2009年第一四半期に景気の底を迎え、その後は綺麗なV字回復を示している。結果、2009年の通年でのGDP成長率はマイナス1.7%であった。


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分野別に見ていくと、鉱業・鉱石以外の分野は全てプラスに転じており、特に景気刺激策の恩恵を受けた建設がプラス9.8%を記録、そしてマレーシア経済の牽引役である製造業が第3四半期のマイナス8.6%からプラス5.3%と大きく改善された。実際新聞記事を読んでいると、製造企業の多くが第4四半期は増収増益という記事をよく目にする。
とは言え、製造業は通年ではマイナス9.3%と最も成長の低い分野となっており、景気後退の影響が深刻であったことが示されている。個人的には、景気刺激策においてもう少し製造業に注力して欲しかったところだが・・・。


[マレーシアGDP成長率推移]
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また、周辺諸国に目を転じてみると、2009年第4四半期はいずれの国もプラス成長を示しており、景気回復が数字に表れている。特に台湾の景気回復は著しく、中国や米国からのハイテク製品に対する強い需要に押し上げられた結果と考えられる。マレーシアの製造業が急激な改善を見せたのも、同様の理由からであろう。


[2009年のアジア主要国のGDP成長率推移]
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[ナジブ首相の記者会見]

前半はマレー語、後半は英語。


(Reference)
4.5 PER CENT GDP GROWTH IN 4TH QUARTER '09 UNEXPECTED, SAYS NAJIB

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Impinj、Moza4をリリース

2月23日、米ImpinjはEPC Class1 Generation2に準拠したICチップ「Monza4」をリリースしたと発表(Impinj Monza 4 Tag Chip Family Raises Bar in RFID Performance and Privacy)


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製品情報については、「The Monza 4 Tag Chip Family」を参照。

同社が強調する新チップの特徴は3つ。

Performance
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True3Dアンテナという技術を使用することで、通信距離が66%向上とのこと。ただ、それ以上に目を引くのは、通信特性が無指向性アンテナのパターンとなっている点。

Privacy
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QT technologyというもので、「Private Data Profile」と「Public Data Profile」でメモリーアクセスに制限をかけている様子。専用ページを見ると、Private Data Profileでは全てのメモリー領域へアクセスできるが、Public Data ProfileではEPCとユーザーエリア、そしてTID内のICモデル番号以外の情報が表示できないよう設定できる。また、Short Range Modeという技術により、長距離での読取ができないようにもできるらしい。
これら機能は、個人のプライバシー情報が知らない間に盗み見られると言われていた問題に対処するものであり、特に米国においては深刻に議論されていたことが背景にあるのだろう。

ただ、このコマンドはカスタムコマンドとなるため、今のところ同社のRWでしか対応できないと思われるが。

Memory
これまでEPC領域のメモリーしか提供してこなかった同社だが、Monza4ではユーザー領域が追加された。これにより、Alien TechnologyのHiggsチップや、NXPのUCODE G2 XMチップと同等のメモリー容量を提供できることになった。また、メモリー構成によってMonza 4D、4E、4U/4QTの3種類が選べるようになっている。

これら3つの機能についてのより詳しい解説は、RFID Journalの記事「Impinj Launches New High-Performance RFID Chips」が分かり易いと思う。

現時点でMonza4はEPC認証の取得手続き中となっており、生産開始は今年第2四半期とのこと。既に、Avery Dennisonや Invengo、Smartrac、UPM Raflatacといった大手がインレイ開発に着手しており、数ヶ月中にサンプルが市場に出てくるだろう。

個人的には、True3Dアンテナの評価を行ってみたいところ。あと、これだけの機能を搭載して価格はどうなるのか?
NXPも、今年にEPC C1 Gen2準拠の新ICチップのリリースを計画しており、市場が活発化してきているように感じる。


ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 - ディヴィッド・ハルバースタム

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本書は、著者が2007年4月23日に交通事故で亡くなる数日前に最終版とて完成した遺作となった存在。著者は、ベトナム戦争に関するジャーナリストとして注目され、ピューリッツァー賞を受賞したことで有名だが、私が初めて手にしたデイヴィッド・ハルバースタム氏の書籍は、冷戦終結後の世紀について書かれた「ネクスト・センチュリー」であり、感銘を受けた。

本書「ザ・コールデスト・ウインター」だが、著者自身が最高の仕上がりと周囲に語っただけあり、膨大なインタビューと情報量によって朝鮮戦争という最も注目されなかった戦争が明瞭に描かれている。特に印象深いのは、ワシントンと第一生命ビルにおける政治的対立や連続する誤算、そしてそれによって混乱する紛争現場の兵士達。

個人的には、資料やインタビュー先が米国側に偏っていること、そして日韓併合に関する記述には違和感を感じたが。

いずれにしても、もうデイヴィッド・ハルバースタム氏の新著を読むことができないのは残念。

WIPO、2009年の国際特許出願件数を発表

2月8日、WIPO: World Intellectual Property Organizationは、PCTに基づく2009年の国際特許出願状況を発表(International Patent Filings Dip in 2009 amid Global Economic Downturn)。2009年の世界全体の国際特許出願件数は15万5,900件、世界金融危機の影響もあり、はじめて前年の数字を割り込んだとのこと。

国別での国際特許出願件数では、米国が45,790件(シェア29.4%、前年比11.4%減)で首位、次いで日本の29,827件(シェア19.1%、前年比3.6%増)となっている。企業別では、パナソニックが1,891件で首位。その他、NECの1,069件(第8位)、トヨタ自動車1,068(第9位)、シャープ997件(第10位)、富士通817件(第12位)、三菱電機569件(第19位)と日本企業6社が世界トップ20に名を連ねている。昨今、日本の製造業低迷がニュースなどで報道されているが、この特許出願件数を見るとその健闘ぶりか良く分かる。実際、日経新聞が昨年8月に発表した記事では、2009年度の研究開発費の売上高比率は4.3%と8年ぶりの高水準であると発表されていた。

次にアジア諸国に目を転じてみると、日本の出願件数が群を抜いている。そして韓国と中国が日本に続く形となっているが、特に中国は前年比29.7%増と驚異的な増加を続けている。
次に2009年のマレーシアの国際特許出願件数は218件で30位、東南アジア諸国ではシンガポールの594件に次ぐ数字となっている。ただ、国内経済においては製造業を主要産業として展開し、且つR&Dを中心とする知識社会の形成を国家目標として挙げてきた国としては、寂しい数字かも知れない。これまで、マレーシアはルック・イースト政策を通じて日本と韓国から直接投資を呼び込み、製造業を中心とする技術の吸収を進めてきた筈だが、単に製造拠点としての域を脱していないようにも感じられる。


[アジア主要国の国際特許出願件数(2009年)]
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それでも、時系列で見ると2007年と2008年は高い増加を示しており、改善傾向が見られる。因みに私自身、マレーシアの会社で2004年以降からいくつかの国際特許をマレーシア政府と出願しているので、この統計の数字に反映されていると思う。ただ、民間企業による国際特許出願はまだまだ少ないようで、大学や研究機関による出願がほとんどである様子。


[マレーシアの国際特許出願件数推移]
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この国際特許出願件数は国の技術水準を計る目安としての意味を有しており、そういった意味においてマレーシアは東南アジア諸国内では優秀な部類に位置することになる。しかし、日本や韓国、中国との開きは大きく、技術力で生き残るには更なる努力が必要であることが示されたと言える。



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