2008年のマレーシアIT関連統計

ウェブページ「Business Architecture」を久しぶりに更新しました。『2008年のマレーシアIT関連統計』が追加されています。

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マッキンゼー式最強の成長戦略

マッキンゼー式 最強の成長戦略マッキンゼー式 最強の成長戦略
(2009/02/26)
パトリック・ヴィギュエリPatrick Viguerie

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本書では市場セグメント、或いは事業領域をグラニュティー・レベルにまで細分化し、企業成長のシリンダーとなる「ポートフォリオ・モメンタム」、「M &A」、「シェア獲得」をいかに効果的に点火するれば長期の企業成長を達成できるか説明されている。特にM&Aの重要性が指摘されているが、この部分については日本企業にはあまり馴染まないかも知れない。ただ、実在する数多くの企業成長を長期にわたって調査しており、どのセグメントの企業の手法が最も成長の可能性が高いのか実証されており、説得力は感じる。

残念なのは、難しい表現がカタカナ英語で訳されており、いまいち核心を理解できないところか。

1Q84 - 村上春樹

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上 春樹

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5月29日の発売以来、異例の売上げを記録している本書。6週間で15刷、7月6日には1・2巻合わせて200万部を突破している。マレーシアの書店においても入手は困難を極め、私が手にできたのは6月末と1ヶ月近くも待つ結果となった。

これまで私が読んだ村上氏の書籍は英語版の「After Dark」だけだが、その文書構成や世界観の面白みから、次回作は是非とも読んでみたいと思っていた。「1984」と「1Q84」、そして二人の主人公である青豆と天吾のストーリーが同時進行で展開されていく。決して二人が重なる訳ではないが、絶妙なシンクロナイズ性。そして、不条理にも「1Q84」という世界へ突如と引き込まれてしまい、その世界を受け容れる二人。そこには、フランツ・カフカの世界観に重なる部分を見出すことができる。

マレーシア首相の支持率

数年の間マレーシアに住んでいるが、首相の支持率調査が実施されていることは知らなかった。というのも、色々な国際機関から発表される報道の自由度調査において、マレーシアはいつも厳しい評価を受けており、実際政府政権にとって不都合なものには圧力が掛けられている。首相の批判をテレビやネットで自由に意見できる日本からすると、マレーシアのそれはかなりの違和感があり、時代にそぐわない気もするが・・・。

いずれにせよ、ナジブ首相誕生から2回、Merdeka Centerにて世論調査が実施され、その結果が報告書として紹介されていた。

- Survey shows only 45pc of Malaysians happy with Najib

- Najib scores a pass with 65pc

- Najib at 100 days: Strong Job Approval Rating on Economic Measures

まず首相の支持率だが、5月の調査においてマレー系53%、インド系64%と過半数以上がナジブ首相に対して満足しているのに対し、中国系は24%と低水準であった。全体で見ても45%が満足との回答をしており、39%はまだ判断できていない状況であった。それが今月に実施された調査では判断できていないが大幅に減少し、満足が65%に達している。前回は低かった中国系の満足度も、48%にまで上昇しているようである。とは言え、経済刺激策からの恩恵に対して中国系は厳しい見方をしており、結果においてマレー系と大きな差が生じている。


[ナジブ首相支持率推移]
PM_200907.png


あと今回の調査で面白いのは、マハティール元首相やアブドゥラ前首相と比較して現首相はどうかとのアンケートが掲載されていた。結果として、アブドゥラ首相より良いが48%、マハティール首相より悪いが50%となっており、前首相より期待されているようである。特に、今回ナジブ首相は「One Malaysia」という国家ビジョンを示し、国民に理解を求めている。私自身、この手法はマハティール首相の「Vision 2020」に似通っていると感じるし、アブドゥラ首相には無かったものである。

Maxis Communications、iPhone 3GSを7月末に販売

6月19日に「iPhone 3GS」が北米、フランス、ドイツ、英国、スイス、イタリア、スペインなどで同時発売され、3日間での販売台数が100万台以上に達する売れ行きを記録した。Apple社の発表では、8月9日までに世界80カ国以上に販売地域が広がるとされていたが、マレーシアでは「iPhone 3G」の発売が遅れに遅れて今年3月20日から(過去の記事参照)となったこともり、この80カ国の中に入っているのか不安視されていた。

しかし、7月9日にMaxis社は今年7月末に「iPhone 3GS」を正式発売すると発表(ニュースリリース)。料金プランなどの詳細はないが、既に「iPhone 3GS」の専用ページも公開されている。3月20日の発売からたった4ヶ月で新機種がリリースされる状況に不満の利用者もいるだろうが、「iPhone 3G」からの機種変更も可能と考える。また、「iPhone 3G」の値下げも多分実施されるだろう。いずれにしても、期待して正式発表を待ちたい。

マレーシア政府、理数科教育をマレー語へ

7月8日、ムヒディン・ヤシン副首相兼教育相は英語による理数科授業制度(PPSMI)をマレー語に戻すと発表。私自身、この発表は意外であり、驚きであった。発表の骨子は以下の通り。

- 新制度は2012年より、小学1~4年、中学1~4年で開始
- 大学予科課程と予備教育課程には適用されない
- その他の学年では、2014年までは英語とマレー語の両方で授業と試験が実施される

また、同時に英語力強化のため、
- 英語教師を1万3,933人増員
- 英語の授業時間を小学校で週90分間、中学校で同80分間増やす

現在、国際ビジネスにおいて定評のあるマレーシアだが、それは英語を共通言語としてコミュニケーションできる環境にあるからだと言える。ただ、最近はマレーシアの英語力低下が目立ち、雇用において苦労することが良く見られる。今後、英語に対する理解が低下するようであれば、国際ビジネスにおけるマレーシアの地位低下は避けられないであろうし、隣国シンガポールとの格差も広がっていくように感じる。

にもかかわらず、マレーシア政府は理数科授業をマレー語に戻すと決定した。理由として、地方の教員不足や国際的な理数科能力試験での順位低下が理由として挙げられているが、真相ははどうなのだろうか?私自身、知り合いの子供がこちらの公立学校に通っているが、テストの問題は英語とマレー語の両方が併記されているし、解答もマレー語で構わないと聞いている。国際ランキングの低下は、教師のレベルが低くなっていること、子供のモラルが低下していることなどが主因であると思われるが・・・。また、教師のレベルが十分でないから教育のレベルを下げますというのは本末転倒の話であろうし、本来改善すべきは違うところではないだろうか?

以前、マハティール氏は国際競争力のある人材育成を目指してPPSMIを導入したが、同時に公務員の英語力向上も課題として挙げ、改善に取組むよう指示が出されていた。しかし、政府機関での申請書はほぼマレー語だし、政府とのミーティングで用意されるアジェンダや議事録もマレー語となっている。国立病院にいくとほぼ英語は通じないし、掲示物もマレー語表記となっている。

Merdeka Centerの調査「Polls show majority support for English policies」では、1,060人に対して今回の決定について尋ねたところ、反対が58%、賛成が32%、そして9%が分からないと回答している。またマハティール氏も自身のBlogでアンケート調査をしており、7月12日23時時点で投票総数74,540票、政府決定への反対投票が63,996票で86%、賛成が10,544票で14%となっている。これら調査から、国民は英語での理数教育を望んでいることが明らかとなり、政府決定は民意を反映していないものと受け止められている。

テレコム・マレーシア、HSBBの進捗発表

6月29日、テレコムマレーシアは「TM COMMENCES PHYSICAL WORK FOR HSBB ACCESS INFRASTRUCTURE IN DESIGNATED AREAS」とのタイトルでHSBB事業の進捗を発表した。発表内容の要点は4つ。

- 国内22カ所の交換所のインフラ整備実施中
- Taman Tun Dr Ismail、Subang Jaya、Bangsar、Shah Alamでのトライアル計画(2009年末)
- 2010年第1四半期に消費者向けサービス開始の見通し
- HSBBは国内GDPを0.6%押し上げ、2017年迄に10万人の雇用創出

この日、Taman Tun Dr Ismailでセレモニーが開催され、出席したRais Yatim大臣は「High Speed Broadband / HSBBプロジェクトは、マレーシアが知識経済へリープフロッグ的な成長を遂げるのを助けるのに重要な主要な国家基盤イニシアチブである」と述べている。2000年初期には、インドや中国、シンガポールなどが同様なビジョンを国策に挙げ、現在は世界のIT産業において大きな役割を果たすに至っている。マレーシアも、マハティール首相の時代にはMSCという先進的なITインフラ整備を進め、世界から注目されるに至ったが、その後に空白期間が生じたことで他国に遅れをとったことが残念である。マレーシアの特徴かもしれないが、先進的な技術導入は周辺諸国において群を抜いており、幾つかの分野においては世界初というものもある。ただ、一度導入が完了してしまうとその後のメンテナンスやアップグレードが等閑にされてしまい、気がつくと周辺諸国に遅れをとっているということが良く見られる。HSBBにおいても、一度整備してしまったらそのままという状況に陥らなければ良いのだが・・・。

また、7月8日にはHSBBの追加アップデートとして「HSBB PROJECT BOOSTS CAPACITY BUILDING, TECHNOLOGY TRANSFER AND BUSINESS ACTIVITY FOR THE ECONOMY」が発表されており、こちらは経済効果や雇用創出に重点が置かれ、具体的な数字が示されている。

あと、今回はHSBBの通信速度が少し紹介されていた。内容を読むと、HSBBは10Mbps以上のネットワークスピードを提供し、そしてBBGP: Broadband for the General Populationというサービスを国内全土で展開し、こちらは384Kbps~4Mbpsの速度とのこと。BBGPはADSLやWiFi、WiMax、High Speed Downlink Packet Access (HSDPA)などの技術を使用し、利用者へサービスを提供する。私としてはFTTHの詳細が知りたいところだが、それほど高速な通信サービスが提供されるわけでもなさそうな感じがする。

世界銀行、Global Development Finance 2009を発表

6月21日、世界銀行は世界経済見通分析となる『Global Development Finance 2009 』(Charting a Global Recovery)を発表。報告書では、2009年の世界経済成長率がマイナス2.9%、発展途上国も1.2%へ減速するとの見通しが示された。今年3月に世銀が発表した世界の経済成長見通しがマイナス1.7%であったから、今回さらに下方修正される形となっている。

東アジア主要国を見てみると、いずれも2009年の経済成長は大幅な落ち込みが予想されており、フィリピン(マイナス0.5%)とタイ(マイナス3.2%)、マレーシア(マイナス4.4%)、そして日本(マイナス6.8%)はマイナス成長となっている。特に、グラフからマレーシアの下落幅が突出していることを把握できる。ただ、2010年以降はいずれの国もプラス成長へ転じることが予想されており、特に日本の上昇率が高くなっている。

[アジア各国の経済成長率見通し]
WB_200906_Asia.gif


次に世界全体に目を移すと、東アジア・太平洋地域及び南アジア地域は世界同時不況の影響が比較的軽微な状況であることが分かる。逆にOECD諸国とユーロ圏、欧州・中央アジアは世界平均を下回る成長が予想されている。


[各経済圏の成長見通し]
WB_200906_World.gif



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