「The Global Information Technology Report 2008-2009」

3月26日、World Economic Forum (WEF)は世界のICTに関する調査結果をまとめた「The Global Information Technology Report 2008-2009」を発表した。この調査報告書、PFDフルテキスト版だと406ページものボリュームがあり、世界各国のICTに関係する数多くの調査・分析結果が公開されている。

今回の調査では134ヶ国が対象となり、総合評価となる『The Networked Readiness Index』でマレーシアの順位は28位であった。アジア域内ではシンガポールの4位が最高位で、次いで韓国の11位、香港12位、台湾13位、日本17位となっており、それにマレーシアが続いている。時系列で観察すると、ここ数年はマレーシアの評価に大きな変動は見られていない。

<アジア主要国のNetworked Readiness Index推移>
gitr_2009_01.gif

gitr_2009_03.gif


各項目で見ていくと、「High-tech exports」と「Gov’t procurement of advanced tech products」が6位、「Effectiveness of law-making bodies」8位、「Importance of ICT to government vision of the future」9位、「Government prioritization of ICT」10位と高い評価であった。逆に「Freedom of the press」102位、「Time to enforce a contract」82位、「No. of procedures required to start a business」75位、「Internet bandwidth」74位、「Number of telephone lines」73位と低い評価になっている。特に報道の自由については、欧米諸国のメディアから指摘される度に、政府関係者が苛立ちを見せているのをニュース報道で目にする。因みに同順位では、中国が114位、シンガポール120位とされているが、マレーシアとシンガポールの報道の自由が中国とあまり大差ないというのはちょっと説得力に欠けるように感じる。


<マレーシアのNRI個別評価内容>
gitr_2009_02.gif


スポンサーサイト

中国貧困絶望工場 – アレクサンドラ・ハーニー

中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
(2008/12/11)
アレクサンドラ・ハーニー

商品詳細を見る


本書の著者は、実際に中国国内の労働者や管理職、経営者への取材を通じ、中国国内の劣悪な労働環境を明らかにすると共に、いま起きている労働環境の変化を記している。これまで、先進諸国は中国の労働者をコストセンターとしてしか見ていなかった。当の中国国内の労働者も、貧しいが故に非合法な厳しい労働環境を甘受してきた経緯がある。また労働者に十分な知識がないこともあり、公害病や怪我によって労働市場から排除され、泣き寝入りを余儀なくされていたケースも紹介されている。

それが今では、労働者が仕事を選択するような状況にある。本書で紹介されている台湾人工場長は、「10年前、この工場に来た労働者が開口一番に聞く質問は『残業ができるか?』であった。その答えがイエスなら、彼らはここで働きたいと言った。だが今の労働者は違う。『残業があるのか?』と聞くので、そうだと答えると、彼らは『それなら、ここは嫌だ』と去っていく。賃金を前年比37パーセントも増やしたのに、彼らはエアコン完備の工場の方に流れていってしまうのだ」とインタビューに答えている。これはまだ一部地域についてであろうが、労働環境の質の向上が労働者確保のためのキーファクターとなりつつあるようだ。公害病や怪我に対しても、労働者が集団訴訟を起こしたり、組合を結成することで団体交渉を通じて労働環境の改善を図るなどの事例が紹介されている。

ただ本書を通じては、中国の労働者においてはいまだ拝金主義的な部分が強いとの印象を持つ。確かに、少しでも給与の良いところで働く気持ちも分からないではないが、その理由で離職率が高いのであれば、技術スキルや知識の蓄積など、国全体としての向上はあまり望めないのではないだろうか?
中国人民大学労働人事学院の常凱教授は「いつもまでも安価な人件費を武器にする競争するやり方は中後の長期戦略ではない。先進国に仲間入りすためには、豊富な労働力ゆえに、安い人件費で勝負する時期はある程度必要だった。だが、それはあくまで一時期の話である。長い目で見れば、そのようなやり方はには無理がでてくる。中国が長期的な競争力を持ちたいのであれば、技術や新機軸への依存度を高めなければならない」と述べている。明らかに、この言葉はコストセンターとしての中国ではなく、労働集約から知識集約へ移行することで、世界市場でイニシアチブを獲得することを目指しているように感じる。とは言え、これも労働者の質の向上が大前提であり、そうでなければ単により安価な労力を求めて生産拠点が海外に流出するという事態を招くのではないだろうか?本書で紹介されているタオル工場の経営者は、「今後15年以内のことですが、中国の生産コストが高くなりすぎたため、工場の多くはインド、パキスタン、さらにベトナムにも移転するようになると思います」と見通している。この経営者はあくまで低コストを見据えた展開を視野に入れたものだが、中国がコスト競争では優位性を失いつつあることを示している。

DiGi、3G Broadbandサービス開始

19日、携帯電話キャリアのDiGi Telecommunicationsがようやく3G技術を使用したサービスを開始すると発表(ニュースリリース)
同社は、マレーシア国内で第3位の携帯電話キャリアとしての位置付けであったにも関わらず、3Gライセンス取得を巡っては紆余曲折を経ることになり、3Gのサービス開始でも競合他社であるMaxisやCelcom、更には後発キャリアのU Mobileに出遅れる形となってしまった。

今回同社が発表した3GサービスはPCなどの端末からのインターネット接続を対象としたもので、携帯電話向け音声/データサービスの開始はもう少し先の様子。サービスの中味を見てみると、マレーシアで初めてHSPA技術(High Speed Packet Access)を採用し、最大14.4Mbpsの通信速度と実現したと書かれている。サービスも3つのパッケージ「Discover」と「Explore」、「Extreme」から構成されており、各々通信速度と最大通信量が異なる。詳細はDiGi Broadbandページ参照。

DiGiのユニークな点は、通常同様のサービスはベストエフォートのため、通信速度はUp toと書くのだが、同社のウェブではAverageとしての数値が示されている。また、最低契約期間も設定されていない様子で、気軽に試すことができるのが嬉しい。ただ、サービスエリアがまだそれほど整備されておらず、首都圏での本格的なサービス開始も、もう少し時間が掛かる様子。

あと、Packages Comparisonのページでは、実名入りで同業他社とのサービス比較が掲載されている。日本ではA社やB社と書くところだが、マレーシアでは同業他社から苦情は出ないのだろうか?

テレコムマレーシア、High Speed Broadband (HSBB)説明会開催

16日、テレコムマレーシアはHigh Speed Broadband (HSBB)整備事業についての説明会を、Kuala Lumpur Convention Centreにて開催した。発表によると、通信事業者向けサービスを今年5月から開始するとのことだが、利用料金は発表されなかった模様。

早速TMのウェブを閲覧してみると、High Speed Broadband (HSBB)専用ページが開設されていた。
専用ページの内容を見ると、High Speed Broadbandは首都圏のKlang Valleyとジョホール・バルのIskandar Malaysiaが事業対象となっていることが地図で示されている。その他の地域は、概ねBroadband to General Population (BBGP)がサポートする内容。ただ、BBGPについては、いまいち意味が不明。そしてラスト・ワン・マイルに関しては、FTTH、ETTH、VDSL2/ADSL2+といった複数の選択肢が用意されている。あとHSBB BUZZのページで当該高速インターネットで享受できる未来のサービスが動画で紹介されている。感じとしては、ユビキタス社会の実現を目指している印象。個人的には、動画の中に何度か出てくる2Mbpsという数値に不安と感じるが・・・。

マレーシア国内においては、殆どのプロジェクトがスコープや有益性、進捗状況などを一般に公開していないから、今回のTMのアクションは結構珍しいことであると思う。まだまだ日本の情報公開に比べると情報量に乏しく、品質も高いとは言えないが、それでも嬉しいことである。




Maxis、iPhone3G発売へ

Maxis communicationsは、iPhone3Gを3月20日から発売開始すると発表した。同日には、KUALA LUMPUR. CONVENTION CENTREにて式典が開かれる予定。

報道によると、マレーシアにおける営業権利獲得に時間がかかったため、発売に大幅な遅延が生じたとのこと。日本では、昨年7月11日にソフトバンクでの発売が発表されたから、約8ヶ月遅れである。マレーシア国内では、2008年度中には発売されるだろうと噂されていたが、一向にそうした情報はなく、携帯電話キャリアーも不明確の状態が続いていた。そのせいもあり、シンガポール等から違法に改造されたiPhoneを購入していた人をちらほらと町で目にした。

さて今回のマレーシアでのiPhone購入だが、それには専用のポストペイドプラン「iValue」への加入が義務付けられているようである。MaxisのiPhone3Gページで確認すると、パッケージ内容はかなり複雑。利用者は6ヶ月と12ヶ月、24ヶ月の契約期間を選択でき、且つ各々に「iValue 1」から「iValue 4」のプランが用意されている。各プランによって本体価格も異なる。

全体的に料金は高めだが、マレーシアの携帯電話に対する注目度は高く、収入のかなりの部分を携帯電話に費やしている利用者もかなりいる。また、学生が最新の携帯電話を持っているのもよく目にする。さらに、日本ではiPhoneによって利用できないサービスが多々あったため、普及率は予想を下回る結果となったようだが、マレーシアではその心配はない。これらの点を考慮すると、BlackBerryよりは台数が出るのではないかと想像する。

2009年版の世界の長者番付

11日、米経済誌フォーブスは2009年版の世界の長者番付「The World's Billionaires」を発表した。主要メディアを見渡すと、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が資産額400億ドルで2年ぶりに首位に返り咲いたことに注目が集まっていた。

翻ってマレーシアを見ると、これまで常に首位を守ってきたRobert Kuok氏にAnanda Krishnan氏が並び、共に総資産US$7.0 billionで62位となった。昨年は、Robert KuokがUS$9.0 billionで97位、Ananda KrishnanがUS$7.2 billionで131位であったから、共に大きく順位を上げたことになる。マレーシアからは、総勢で6名がBillionaireとしてランクインしている。

62位: Ananda Krishnan (US$ 7.0 billion)
62位: Robert Kuok (US$ 7.0 billion)
234位: Lee Shin Cheng (US$ 2.7 billion)
261位: Teh Hong Piow (US$ 2.5 billion)
376位: Quek Leng Chan (US$ 1.9 billion)
397位: Yeoh Tiong Lay & family (US$ 1.8 billion)

マレーシア政府、第2次景気対策を発表

10日、マレーシア政府は第2次景気対策を発表した(MOF: Second Economic Stimulus Package)。発表によると、今回の景気対策は総額でRM600億の予算規模で、2009年と2010年が対象となっている。これまでで最大規模の金額とのことだが、それでも補正予算後の2009年GDP成長率は、マイナス1%からプラス1%の間と予想されている。ただ、これまでの政府発表から大幅に引き下げた数字となったことで、ようやく民間シンクタンクと数字の開きがなくなったと言える。

景気対策の詳細は、ナジブ副首相兼財務相のスピーチがテキスト形式で公開されている(Second Economic Stimulus Package Speech)。中身を読んでいくと、本来マレーシア経済の牽引役であり、且つ早急な対策が必要とさせる製造業、特に輸出向け企業に対する措置が殆どみられない。逆に、国産車買替時の割戻策等々、一部は明らかに支援先に偏りが見られ、ある意味政府系企業支援策の印象を受ける。

また雇用促進に関して、就職支援の政府機関「JobMalaysia」を新たに22箇所開設するという。だが、いま雇用の市場規模が縮小していることは、失業率の数字からも明らかになっている筈であり、この対策は、水が枯れているのに蛇口を増やすようなものに思われる。確かに、外国からの出稼ぎ労働者を削減するなどの政策でマレーシア人の雇用の機会はある程度増えるだろうが、景気悪化が本格化すればこの市場さえ縮小する危険を内包している。
それよりも、法人税の減税や従業員積立基金の企業負担軽減等々を実施することで、マレーシアの基盤産業の雇用維持に努める方が得策だったのではないだろうか。特に、製造業においては状況は深刻であり、且つ緊急性が高いのだが・・・。

最後に、政府決定に際しては、他の先進諸国よりも速いスピードで決定できるのがマレーシアの強みであり、それが今回実現された形となった。日本では経済対策で何ヶ月も右往左往している状況にあるが、それと比べるとマレーシアはかなり身軽に動くことができている。
ただ残念なのは、昨年第4四半期あたりにもっと抜本的な対策を採れなかったことだろう。当時、世界的な景気後退局面に入っていたことは明らかであったし、各民間シンクタンクが深刻な高失業率と低経済成長に陥るとの分析結果を発表していた。それにも関わらず、政府及び中央銀行は「マレーシアでの景気後退の影響は小さい」、「マレーシアの雇用状況は健全である」などと火消しに躍起になっていた記憶がある。政府が国民に対してネガティブなことを言えない事情も分かるが、現実と乖離したコメントは控えるべきではないかと考える。

The Travel & Tourism Competitiveness Report 2009

3月4日、世界経済フォーラムは134カ国・地域を対象とした観光競争力をまとめた「The Travel & Tourism Competitiveness Report 2009」を発表した。報告書によると、マレーシアの順位は総合で32位、アジア地域では日本と韓国に次ぐ7位と評価されている。マレーシアは、2007年と2008年(8月まで)をマレーシア観光年(Visit Malaysia)と位置付け、観光産業を国家政策として進めてきた経緯がある。ただ、過去の報告書が2007年以降しかないため、今回のランキングにその政策が寄与したかどうかは不明だが。

[アジア諸国ランキング一覧]
WEF_tourism_2009_1.gif

ただ項目別に見てみると、Price competitiveness in the T&T industry(価格競争力)が世界4位、Policy rules and regulations(政策・規制)が世界9位と高い評価が与えられている。逆にTourism infrastructure(観光インフラ)やHealth and hygiene(公衆衛生)は中位以下の評価であった。とは言え、全体的に平均以上の評価がマレーシアに与えられており、観光産業におけるマレーシアの競争力の高さを認識できる。


[マレーシア評価詳細]
WEF_tourism_2009_2.gif

新興国発超優良企業 – ボストンコンサルティンググループ

新興国発 超優良企業新興国発 超優良企業
(2008/10/07)
ハルロド・L・サーキンジェームズ・W・ヘマリング

商品詳細を見る


本書はボストンコンサルティンググループ(BCG)が発表した「グローバル・チャレンジャー」100社をベースとしており、マレーシアからはMalaysia International Shipping CompanyPETRONASが選出されている。原著のタイトルはGlobalityとなっているが、これは「あらゆる国々」の「あらゆる人々」と「あらゆるもの」が競い合っていく状況を指し示しており、グローバリゼーションの次の時代として位置づけられている。表現そのものは、ユビキタス社会の「いつでも」、「どこでも」、「なんにでも」に似ているように感じる。

中身を読むと、先進国発のグローバルプレーヤーを「既存勢力」、そして新興国発のグローバル企業を「チャレンジャー」と区分し、コンサルティング企業らしい視点からの分析がされている(ただし、本書で言及されている新興国はこれまでの認識と大きく異なる国が選定されている)。本書に記されている企業トップマネージメントの発言や目指すべき方向性等々は、今後の新興国の動向を分析する上で参考になるだろう。ただ、紹介されてる事例の殆どは中国とインド企業であり、その他の諸国についての情報量はちょっと少ない・・・。

また本書でも紹介されているが、新興国発で世界一になっているグローバル企業は驚くほど多く、それもコスト優位性が大きく作用するローテクだけでなく、ハイテクの分野にも及んでいる。更に、確実に彼らは次の時代を見据えており、現状のコスト競争力だけではグローバル市場において優位性を維持できないことを理解している。そのためか、最近では新興国企業が日欧米企業の買収や提携を通じて、最も効率的な方法で経営資源の強化と最適化を具現化している。
いまは家電や自動車産業等において既存勢力の企業群が上位を占めているが、本書を読んでいると10年後にはその勢力図が大きく変わる可能性を秘めていることを再認識させてくれる。当然、チャレンジャーは自社ブランドで世界有数の企業となることを目指しているだろうし、であればコストセンターとしての機能や自国市場だけで優位を保つ企業体質ではそれを実現することが難しいことも理解している。そのため、イノベーションを重視する企業戦略や先進的な研究開発を行う積極的に行う企業体質など、既存勢力が重視している戦略と同様のことを展開している。
逆に日本企業の持つ新興国(特に中国)に対する視点はネガティブなものが大勢であり、大抵はコスト優位性を実現するための地域、あるいは巨大な潜在市場としての認識しか持っていないと感じる。

ただ、本書ではあまりにも手放しに新興国の優良企業を褒め称えている点に疑問を持つ。面白いエピソードしては、ある中国企業がハイテク製品の製造を試みたが、日本から購入する生産設備が高額であったため、最終的に人海戦術で効率的なハイテク生産ラインを作り上げた話が取り上げられていた。これにより、中国企業は高額な設備と同様の製品品質を実現したとのことだが、もの作りの観点から言えば人の手に依存する工程数が多ければ製品にバラツキが生じるし、必ずしもこの言葉を信じることはできないが。

因みに、BCGより最新版として「The 2009 BCG 100 New Global Challengers」がリリースされている。

マレーシア、2008年第4四半期のGDP成長率

27日、マレーシア中央銀行は2008年第4四半期のGDP成長率を発表した(Bank Negara Malaysia Press Statement)

発表によると、世界経済の急速な冷え込みからマレーシアの2008年第4四半期のGDP成長率は0.1%であり、予想以上に大きく落ち込む結果となった。ただ、同年第1四半期が7.1%、第2四半期が6.7%と高い成長であったため、通年では4.6%の成長率を確保できている。世界的に見ると、第4四半期は日米共にマイナス成長に陥り、通年でも数十年ぶりの低成長との報道がされていたが、それに比べると景気後退の影響はまだ軽微であったと言えるかも知れない。ただ、景気後退には時間差が生じており、マレーシアでは2009年に入ってから失業者問題が深刻化している。特に、製造業が集積するペナンやケダー、シャーラム等の工業地帯においては、工場の規模縮小や閉鎖が相次いでいる。

実際、今回の発表ではこれまでマレーシア経済を牽引していた製造業での落ち込みが最も激しく、第1四半期に7.0%だった数字が第4四半期には-8.8%となっている。(新聞によると、マレーシアの製造業は26四半期連続でプラス成長を続けていたようである)
他にも農業、鉱業・鉱石、建設も同様に低成長であったが、唯一サービス業だけは第4四半期も5.6%と比較的高い成長を記録しており、マレーシア経済を牽引する形となった。

Malaysia_GDP_2008Q4.gif

今年第1四半期は、さらに深刻な状況になることが予想されるが、マレーシア政府も第2弾となる経済刺激策を4月に実施すると発表している。次はさらに実効性の高い内容にするとのことだが、特に製造業への支援・対策は早急に手を打つ必要があると感じる。私見としては、政府が多額の費用を費やすだけでなく、時限的な減税政策もいまの経済事情には効果的と思うが。

大激震 – 堺屋太一

大激震大激震
(2008/12/10)
堺屋 太一

商品詳細を見る


本書のタイトルは『大激震』とあるが、中身は堺屋氏の自慢話とも思える内容で占められている。「私はずっと前からこの状況を予測していた」とか、「これは私が世界で最初に提案した理論である」とか、「これは私が発案して実現した」等々・・・。回顧録とした方が良かったのでは?と感じさせられる。

また、本書の中核であろう知識を中心とした『知価革命』への説明だが、これについても別段目新しいものはない。産業革命のからの規格化や大量生産の時代を経て、そして1980年代よりどのような変化を向かえてきたのかを復習しているように感じる。さらに、堺屋氏は現代における人間の幸せは「物財の豊かさ」ではなく「満足の大きさ」と指摘している。が、本書の最初の章では一人当たりの国内生産に焦点が当てられ、日本の地位が下がり続けている現状に大改革の必要性を訴えている。何か整合性がないようにも感じられるが・・・。


| ホーム |
Page Top↑
▲ Page Top