NXPとインフィニオンテクノロジーズ、RFIDチップをリリース

11月19日、NXPは家畜管理用のLF帯チップ、「HITAG µ」を発表した(NXPのニュースリリース)。新しいチップでは複数読取りのアルゴリズムを搭載することで、利用者がより実使用で高いベネフィットを享受できるものとなっている。家畜管理においては、まだ使用周波数や通信プロトコルにおいて共通性が見出せていない市場だと言える。従来、家畜に取り付けるタグは水の影響が高いことからLF帯が最も適しているチップとされていたが、近年は日本ではISO 15693のHF帯が豚の管理に使用され、他の国ではEPC C1 Gen2 / ISO 18000-6cのUHF帯が使用されたりもしている。それは利用する側が、各々の周波数における長所と短所を検討し、実際の利用環境やプロセスにおいて必ずしもLFが最適チップとは言えないことを意味している。ただ、今回HITAG µが複数読取りに対応したことで、利用者における選択肢の幅は広がるだろう。私自身は、実際の通信距離や特性、コスト性、読取機器の入手性が気になるところではあるが。例えば機器の入手性だが、新しいチップでは32ビットのパスワードによるオプション・セキュリティーが謳われているが、実際にこのコマンドに対応した機器を容易に購入できるのか等々。

また同日、インフィニオンテクノロジーズは13.56MHzにおいて新しいチップ、「PJM Light」を発表(インフィニオンテクノロジーズのニュースリリース)。こちらはヘルスケアや製薬、文書管理アプリケーションを対象としたチップで、ISO 18000-3 Mode 2への完全準拠となっている。このチップの優位性として、ISO 15693チップと同等のコスト性、アンチコリジョンでは最大毎秒1,500の対象物を認識する能力、そしてゼロセパレーションや4m/secのベルトコンベアでも対応できる性能の高さが示されている。

いまの市場では、EPC C1 Gen2 / ISO 18000-6cに準拠したUHF帯のチップが特に注目されており、多くのクライアントはこのチップにマジックのような効果を期待している印象を受ける。ただ、このチップの特徴が活かせるアプリケーションは限定的であり、実際には向き不向きがあることを理解しなければならない。(技術水準の向上により、不向きであったアプリに適用可能になる場合もあるが)
今回、RFIDチップでは老舗的存在の2社が、LFとHFにおいて新製品をリリースし、魅力的な特徴を揃える内容となっている。今後RFID市場が成長し、ユビキタス社会を形成するに至るには、UHF帯以外の製品群拡充も重要なファクターになるであろう。
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最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か? - ポール・コリアー

最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?
(2008/06/26)
ポール・コリアー

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本のタイトルにある最底辺の10億人は、当然アフリカ諸国を中心とする極貧国を示している。本書では、これら諸国が極貧から脱出できないには4つの「罠」があると説明。それは、「紛争の罠」、「天然資源の罠」、「内陸国の罠」、「悪い統治の罠」である。著者は、それぞれの罠に対し、独自の視点から解決策や行動指針を提案している。また、各々の罠において、「G8の取るべき政策にとって重要である理由」が記されているが、この辺は違和感を覚える。

ロバート・ゲスト氏の『アフリカ苦悩する大陸』と一緒に読むと、共通する視点があったりして面白いかも。ただ、ロバート・ゲスト氏はジャーナリストとしての体験を元に書かれているのに対し、本書はアカデミックな印象が強い。


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