アフリカ苦悩する大陸 - ロバート・ゲスト

アフリカ苦悩する大陸アフリカ苦悩する大陸
(2008/05)
ロバート・ゲスト

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本書の著者、ロバート・ゲスト氏はオックスフォード大学で日本語を学び、日本の戦後経済成長の成功の答えを見出そうと訪日した経緯を持っている知日家である。

本の中身だが、アフリカの貧困の実情やその原因となる政治・民族・宗教・天然資源等々の背景を描くことで、アフリカ諸国のジレンマを捉えている。また、一部政治家による利権独占や腐敗、或いは内戦が継続されることによるインフラ整備の遅れが招いてきた経済損失にも言及している。
ただ、そうした中においても、いくつかの成功事例を収めてきた国が存在することは特筆すべきことである。著者はアフリカ内における貧困国と(比較的)富裕国を比較検討することで、何が明暗を分ける主要ファクターであるかを突き止めようとしている。

私自身、発展途上国であるマレーシアで生活をし、仕事をしている。仕事の関係から、政府関係者と折衝することもある。日本と比較すると、何とも理不尽な事業環境に驚かせられることも多々あるが、アフリカ諸国と比較すると民族や宗教の違いを乗り越え、妥協的であるが成功を収めている国であると言える。そうした意味において、日本の近代国家としての著しい成長は、奇跡的にも思える。

ただ、本書を読み終えた6月29日、ロバート・ムガベ氏がジンバブエ大統領選の決選投票で5期目に再選されたという嫌なニュースが入ってきた。本書でもその無策ぶりや(恐怖政治による)独裁ぶりが紹介されているが、国際的無関心がそれを更に助長している。

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第9次マレーシア計画の中間見直し

第9次マレーシア計画の中間見直しがアブドラ首相から発表された。マレーシアは5ヵ年単位で経済計画を推進しており、2006年~2010年は第9次計画に当たる。

要約が出てないかと担当部署であるEconomic Planning Unitのウェブで「MID-TERM REVIEW OF THE NINTH MALAYSIA PLAN 2006-2010」を見るも、マレー語だけ。英語はRM30で販売されているとのこと。

仕方がないので、新聞記事でその概要を読むと、燃料価格や資材価格の上昇を考慮してRM 300億を追加支出され、予算総額はRM2,300億に拡大とのこと。日本円に換算すると、約7兆4,800億円程度。公共機関や住宅・建築、教育、ITといった殆どの分野で予算が増加したのに対し、ペナンで計画されていたモノレール計画と外環状道路計画の凍結が発表された。政府は財政上の問題としているものの、政治的背景が噂されている。

マハティール氏が首相を務めていた第8次計画では、その総予算はRM1,700億程度であったから、額としてはかなり増えている。ただ、マレーシア国内で予算増額の実感はあまりない。私の周りでも、ほとんどの企業は以前よりお金が回っておらず、特に政府案件は厳しいと聞く。確かに、首都であるKLではコンドミニアムや商業ビルの建築が急速に進んでおり、一見好景気に沸いているようにも見える。ただ、これらは中東諸国や中国系による投資を目的としたものが殆どと言われている。その上で、国内需要と均衡が取れているかと言われると、私自身は怪しい部分があると考える。(政府機関は需要と供給のバランスととれていると発表しているが)

また、前回選挙で一部の州では与野党逆転により、州政府と契約していた企業の案件が白紙撤回にされたという悲惨な話も一部で聞く。その中には、元々大臣と親族であった関係から取れた契約も含まれているが、企業努力で勝ち取った案件に対しても白紙撤回が通達されている。

過去にも、政府案件では不透明な部分があり、批判の対象とされたこともあったが、今よりは経済にダイナミズムを感じることができた。実際、この国の多くの企業は政府案件を最優先ビジネスとして取組むことで、これまで成長を遂げてきた。ただ、ここ最近は私の周りでも、多くの現地企業が中東諸国や中国、インドといった方へビジネスの重点をシフトしてきている。イスラム教国であること、そして多民族族国家であることから、今後もこの傾向は加速化されていくであろう。

中国はいかにチベットを侵略したか - マイケル・ダナム

中国はいかにチベットを侵略したか中国はいかにチベットを侵略したか
(2006/02)
マイケル ダナム

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本書は、五独問題の一つであるチベットの中国共産党との闘争について書かれている。

読んでいると、無差別攻撃による大量虐殺が行われようとも、共産党によるメディア情報操作、そして国連や周辺諸国の無関心が国際社会への認知度を低くしていたことが理解できる。これは今も程度の差こそあれ、事情はあまり変わっていないように感じる。ただ、チベット側においても、僧院たちの既得権益や特権階級の維持等々、状況を悪くする背景が同時にいくつも存在していたことも見てとれる。また、今年になってダライラマ14世の言葉を聞かない過激派が存在するなど、チベットが一枚板でない事情がメディアで報道されているが、本書ではその背景的なものも窺い知ることができる。

因みに、ユン チアン著の「マオ―誰も知らなかった毛沢東」にも記されているが、中国共産党による当時の被害はチベットだけでなく、中国国内においても同様に壮絶であった。

最後に、歴史に「たられば」はないと言われるが、もし、J.K.ガルブレイス氏のチベットを見る目がもう少し違っていればと残念でならない。

YTL e-Solutions、WiMAXでXHOM社と技術協力

6月19日、YTL e-Solutionsは、米Sprint Nextel傘下のXHOM社と高速無線通信技術WiMAXの技術協力契約に署名したと発表。Sprint Nextel社は米国で積極的にWiMAX整備を進めている会社であり、実績も高い様子。

WiMAXは、IEEE 802.16-2004規格に準じた無線通信技術であり、マレーシアではラスト・ワン・マイルでの適用に対してWiMAX技術への期待がかなり高い。新聞等のメディアにおいても、マレーシアのネットワーク環境を劇的に向上させる技術としてかなり注目されている。ただ、私自身は最近になるまでWiMAXにはあまり着目していなかったため、この辺の知識に乏しい。Wikipediaで調べてみると、WiMAXはWorldwide Interoperability for Microwave Accessの略で、日本では有線高速通信の敷設や利用が困難な地域での選択肢として見られている。また、IEEE 802.16-2004の場合で、理論上は最大伝送速度70Mbpsが実現可能と記されている。

昨年、マレーシアではMCMCから2.3GHz帯がWiMAX用に周波数が割り当てられ、YTL e-Solutions、Asiaspace DotcomREDtone InternationalGreen Packet Malaysiaの大手4社がライセンスを受けている。私見として、マレーシアは固定電話普及率が低いことから、無線技術の役割は日本より大きいといえる。MIMOSによると、WiMAXによる最大伝送速度は2Mbps~10Mbpsと言われており、現在、マレーシアのDSLサービスが最大4Mbpsであるから、より伝送速度の高い、または同程度のサービスを享受できることになる。

ただ、ハードウェアにおいては国単位で使用できる周波数が異なり、またWiMAX Forumによる規格適合テスト(「WiMAX Forum Certified」ラベル貼付)が必要なことから、従来の2.4GHz帯の無線技術より煩雑さを感じる。この辺の煩わしさは、私が専門にしているUHF帯のRFID技術に似ている。

いずれにせよ、マレーシアにおいてインターネット接続の選択肢が増えるのは良いことだし、無線技術と有線技術で各社が競争することで、より良いサービスと品質を受けることができればと思う。今年からサービスが開始されるようなので、楽しみです。

2008年世界貿易能力報告書

6月18日、世界経済フォーラムは「The Global Enabling Trade Report 2008」を発表、マレーシアのEnabling Trade Index (貿易円滑化指数)は世界118ヵ国中29位の結果であった。これは、東南アジアにおいてシンガポール(2位)に次いで2番目という高い評価である。特に、Efficiency of customs administration(通関手続きの効率性)の項目では11位という高い評価になっている。

これまでに、マレーシアは港湾設備において東南アジアのハブ拠点を目指した動きをしており、ジョホール州タンジュン・プラパス港(Port of Tanjung Pelepas/PTP)への投資、そして積極的な設備増強等々が行われている。この他にも、数年先を視野に入れた最先端技術の導入検討等も進められている。例えば日本の経済産業省、及びJETROの進めている電子タグ実証試験だが、東南アジアにおいてはシンガポールとマレーシア、そしてタイにて実証試験が数回実施されている。マレーシアにおいては、SIRIMを巻き込んだ取組みにより、輸出入書類の手続簡素化など通関手続きの更なる効率化向上も検討されている。

参考までに、私が今現在勤めている会社も、JETROの実証試験に少しだけ参加しました。当時はまだマレーシアのUHF帯規格がMCMCにて策定中であり、電波使用許可を得るのに苦労しました・・・。

第14回国際交流会議「アジアの未来」

6月20日の日経朝刊第2部に、5月22日から23日に日本で開催された第14回国際交流会議「アジアの未来」が紹介されていました。マレーシアからは、昨年と同じくアブドラ首相とマハティール前首相が出席。

まずアブドラ首相は、「貧困撲滅を中核的戦略に」とのテーマで講演を。アブドラ首相は就任当時から貧困撲滅を最優先事項にあげ、国内で積極的に取り組んでいることは知られている。政府公式見解としては、貧困撲滅政策として、2010年までに国内の貧困率を現在の3.6%から2.8%に減少させることを目指している。この貧困層のボーダーラインは、5人家族で月収RM691以下と定義されている。日本円だと、2万3,000円くらい。ただ、最近の燃料価格や食品価格などの急激な物価上昇により、目標達成が困難との見通しもある。

次にマハティール氏は対談形式で、「統合、東アジアから開始を」のテーマで、国際交流基金の小倉理事長と域内統合について意見が交わされている。マハティール氏が首相時代に提唱したEAEC構想や米国に対する姿勢などが述べられる中、一点、中国に対する興味深い言及があった。それは、自分をアジア人と思うかの問いに肯定した中国人がわずか6%であったの情報に対し、マハティール氏は「中国人はアジアのことをよく知らず、教育が必要だろう。統合に向けた意識改革について域内全体で教育が必要だろう。『アジア人にならなければいけない』とはどんな意味かを教えなければならない」と述べている。同氏は以前から、『アジア人としての誇り』を強調しており、日本人が髪を染めることさえ苦言を呈していた。マハティール氏によるアジア人としてのアイデンティティ論、今後、中国に対してどのように展開されるか興味深い。

因みに、今年5月にマハティール氏は『Dr Mahathir Mohamad』のタイトルでBlogを立ち上げています。82歳にしてまだ新しいことへ挑戦する氏の姿勢、尊敬します。

KLで使用しているインターネット環境

今日は、私がクアラルンプールで利用しているネットワーク環境について記しておきます。

いま、仕事で利用しているネットワーク環境として、Jalan Yap Kwan SengのオフィスではMaxis「iLINK」を、Jalan Ampang のオフィスではTMNet「Streamx」を利用中。共に企業向けプランのADSLサービスではあるが、契約速度は2Mbpsと日本と比較するとかなり低速。ちなみに、現時点ではTMNetの4Mbpsがマレーシア国内のADSLサービスで最速を誇っている。ただ、私がマレーシアに赴任した2003年にMaxisとADSLサービスの契約をしたが、その時の契約速度が1Mbpsであったから、この5年間でADSLの通信速度は3Mbpsしか向上していないことになる。また、未だにネットワークに繋がらないなどの障害が忘れたころに発生しており、通信品質の向上もあまり感じられない。

あと、自宅ではMacroLynxが提供している「myLYNX」を使用中。同社がコンドミニアムへ提供しているサービスで、構内LANにはHomePNA技術が使用されている。バックボーンはTIMENetの回線と思われる。通信品質そのものは、動画を見たりSkypeしたり等々普通に使っているには問題ないものの、やはり企業向けに比べて通信品質は不安定である。更に、以前は土日に通信障害がよく発生しており、カスタマーサービスに問い合わせるも土日の営業はしておらず、週末にインターネットを使えないということがあった。苦情を重ねるうちに最近は少し改善され、平日と土曜日は夜11時までカスタマーサービスが提供されている。それでも、ブロードバンドという常時接続サービスを提供しているのであれば、24時間、365日サポートするのが原則のような気もするが・・・。

それと、携帯電話向けサービスとしてMaxisの3Gサービスを利用しているが、通信速度はかなり遅い。Up to 384kbpsということだから仕方ないが、体感ではダイヤルアップ接続程度の印象も・・・。ほぼ出先でメール確認するぐらいしか利用しないが、たまに数メガサイズの添付ファイルのあるメールが送られてくるので、こうなるとちょっと苦しい。

以上が、首都クアラルンプールで私が利用しているブロードバンドサービスの概要だが、マレーシアも日本とほぼ同時期にインターネットサービスが開始されたことを考えると、かなり寂しい状況と言える。これは政府政策と共に、国内の競争意識も影響していると考える。政府政策では、日本はe-Japan政策によって世界最高水準のインターネット環境を標榜し、官民が共通の目標に向かって一気に水準を押上げた経緯がある。マレーシアにおいても、ネットワーク環境の向上が重点政策ではあるものの、各省の縄張り意識や利権争い、官民の意識の違いなど、一丸となって政策を進める体制になっておらず、この分野では目立った結果が出せていない。仕事の関係上、政府関係者の会議に出ることがあるが、会議を重ねるだけで何も結論が出せず、時間だけが過ぎ去っていくということが多々見られる。政府意識としても、MSCのような巨大プロジェクトの実現だけが、国内のネットワーク環境向上に寄与するとの意識が働いているように感じる。国内の競争については、ライセンス制度や政府保護によって事業への新規参入性を困難にし、競争が生まれない状況に陥っている。これにより、各社とも新規参入者によって市場が脅かされるという危機感がなく、サービスや品質改善に積極性が見られない。

日本に比べるとかなりPoorな環境ですが、それでも途上国の中ではがんばっている方かなと。比較するとどうしてもネガティブな印象になりがちですが、同時に今後の飛躍にも期待しています。

勉強中です。

仕事の都合上、2003年6月に自身のウェブ更新をやめて早5年。久しぶりにウェブページの更新を試みるも、5年前と事情が大きく異なる。ウェブはCSS形式が標準となり、旧来のテーブルやフレームで組み上げるデザインは時代遅れに。全ページのスタイルをテキストで定義できるため、慣れれば使い勝手が良さそうなのは理解できるが、今からキャッチアップするには時間が掛かりそう。

さらに、ウェブ更新作業を通じてBlogの多さを改めて認識。周囲からデザインやレイアウト変更の容易性、優れた操作性は聞いていたものの、実際に試してみて納得。なるほど、HTMLの知識が無くとも、とりあえずインターネット上へ簡単に情報発信できる。ただ、機能が多すぎていま少し理解できない。

やはり、5年間のブランクはかなり大きい。インターネットを使い始めた1994年当時、ウェブ作成情報等々を入手することは難しかったものの、選択肢が限られていたことから使いこなすことを苦に感じることはなかった。逆に今は、ウェブやBlog作成の情報は簡単に入手できるものの、使いこなすには時間が掛かりそうな気配。

とりあえず、Blogなるものを始めてみました。改めて、いま勉強中です。

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