9月より、マレーシアでゴミ分別実施

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4月20日の紙面において、Solid Waste Corporationが今年9月から、ジョホールとマラッカ、ヌグリ・スンビラン、パハン、ペルリス、ケダの6州と連邦直轄領において分別ごみを実施すると発表している記事が掲載されていた。セランゴール州やペナン州などの人口密集地は対象に入っていないが、セランゴール州は今年中にパイロットプロジェクトを実施するらしい。



マレーシアにおいては、これまでに何度かゴミ分別実施についてのアナウンスが行われてきたが、いつも延期されてきた。ただ、今回は明確な時期と対象地域が示されているので、スケジュール通りに実施されるだろう。

今回対象としているのは家庭ゴミで、違反すると最高でRM1,000の罰金が科せられる。この金額、交通違反の罰金よりも遥かに高い。

新聞報道によると、マレーシアでリサイクルされている固体廃棄物は、現時点で10.5%ということらしい。この数字が高いのか低いのか分からないが、マレーシアとしては2020年までにリサイクル率を22%とすることが目標として挙げられている。

現在、国内のショッピングモールや公共施設などでは、分別用のゴミ箱が設置されているところも多いが、やはりリサイクルに対する意識はそれほど高くない。ゴミ箱が近くにあっても利用されず、なぜかゴミ箱の周りにゴミが溢れていたりしている。街中を見渡すと、歩道にゴミが無数に落ちているし、車からのポイ捨てもよく目撃する。

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またゴミ処理に関しては、うちの近所では小規模のゴミ収集業者がいくつか営業しているが、そこでは低賃金の外国人労働者が手作業でゴミを分別している。コストパフォーマンスを考えると、マレーシアではこの方法が効率的なのかも知れない。

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こうした意識の下で、一般家庭でゴミの分別が実施できるかどうかは大いに疑問がある。また、マレーシアでは資源ゴミを集めて現金収入を得ている低所得者も少なくなく、そうした人達が分別ゴミを回収していく可能性も想定できるだろう。

まだガイドラインが出ていないのでなんとも言えないが、日本のような複雑なシステムは受け入れられないと感じる。いずれにしても、政府としての啓蒙活動、そして効率的な管理監督システムが成否の鍵になるだろう。

あと、資源ゴミをリサイクルする施設の能力・容量も考慮する必要がある。環境問題に対する意識が高まっているので、グリーン技術や再生可能エネルギーに対しては活況を呈しているが、リサイクル施設に関してはあまり話題になっておらず、処理能力が不足しているような印象を受ける。

個人的には、このゴミ問題が改善できれば、都市部で発生している洪水問題の改善にも繋がると期待する。都市部で発生する洪水の原因の一つに、排水溝に詰まったゴミが挙げられており、遅々として改善ができずにいる。特に、テイクアウトに利用される容器は自然分解されないので、深刻な問題となっている。こうしたゴミが投棄されなければ、排水溝は本来の機能を果たすことができるのだが。

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いずれにしても、市民のゴミに対する意識が変わらなければ、ゴミ分別の政策は成功しないだろう。私の経験から、オフィスでは目の前にゴミが落ちていても無視するローカルスタッフがかなり多い。彼らの主張は、そのゴミを拾うのは清掃業者の仕事であり、私達には関係ないというもの。うちの前の道路も、市役所が雇っている外国人労働者が清掃をしているためか、道路上に平気でゴミを投棄している光景をよく目にする。

また、日本のリサイクル技術においては、今回の政策実施により、マレーシア国内での事業機会を期待できそうな感じがする。一般のマレーシア人は、ペットボトルからシャツが製造できることを知らないし、日本のリサイクル技術はインパクトを与えられると思う。
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近所の環境問題

私が住んでいるマレーシアセランゴール州アンパン地区の環境問題について、スライド形式で簡単にまとめてみました。同地区は自然が多く残り、家からサルやイノシシを目にすることもできます。が、住んでいると多くの環境問題を抱えていると感じます。

至るところにゴミが散乱し、公共物も無残な形に…。清掃や修復は地方政府が契約している外国人労働者に依存していることもあり、公共エリアでの環境に対する住民の意識が低いのかも知れません。

現在、マレーシアではLEDや太陽光発電パネルなどの環境分野のビジネスが注目されていますが、こうした身近なところでの環境問題については、まだまだ個々人の意識改善が必要と感じます。




マレーシア、2020年までにリサイクル率40%を目指す

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少し前に、廃棄物管理局が2020年までにリサイクル率を現在の10%から40%とすることを目指すと言う記事が現地のニュースサイトで紹介されていた。第9次マレーシア計画においては2020年の目標値が22%だったので、それを大幅に引き上げる内容。

とは言え、リサイクル率の定義づけが紹介されていないので、なにに対するリサイクル率なのかはちょっと不明。新聞記事では、単に食品廃棄物と建築資材を含み、リサイクル率を年間2~3%程度向上させなければならないとしている。一般廃棄物を対処としているのであれば、日本における2009年のリサイクル率は環境省資料だと20.5%とされているので、マレーシアもかなり健闘していることになるが。

ただ、実際にマレーシアで生活していると、日本ほどリサイクルが活発な状況とは思えない。家庭ゴミの分別もスケジュールが後ろにずれて、ようやく来年から実施される見通しだし、路上には大量のゴミが投棄されている。市役所が雇った清掃人が掃除するから、街中にごみを投棄することには抵抗がないのだろうか。それでも、最近は公共施設やショッピングセンターなどだと、ゴミ箱が分別用のものになっていたりするし、資源ごみを回収している施設も目にするようになってきた。なので、少しずつではあるが、状況は改善傾向にあるのだろう。

また、このリサイクルの分野においては、多分日本の技術がかなり貢献できると私自身は見ている。今年の環境展でも日本企業の技術が紹介されていたが、業界内での日本の技術に対する関心はかなり高い。出展内容を見ても、LEDや再生可能エネルギー、自動車関連といった分野に偏りがあり、リサイクル技術にはまだまだ参入の余地があるとの印象をもっている(IGEM2012報告)。リサイクル製品・商品というものもまだほとんど目にする機会はないし、この分野は本当に発展途上と言えるだろう。

日本のリサイクル技術は高い性能と信頼性を誇り、日本国内での実績があることから、技術的には問題は無いだろうし、マレーシア国内において多くのベネフィットを提供できると思う。しかし、コストが参入障壁となってしまう可能性が高いだろう。日本ではリーズナブルな価格でも、マレーシアなどの発展途上国にとっては一転して高価な技術となってしまう。一応、マレーシアは東南アジア諸国においてはシンガポールに次ぐ高所得国家だが、物価水準は日本の3分の一程度となっている。なので、日本の技術をそのままマレーシアなどの発展途上国に持ってきても、なかなか普及させることが難しいと言える。これは家電も同じで、日本の高性能で多機能な製品をそのまま持ってきても、価格が高すぎるので消費者が手を出せなくなってしまう。逆に韓国メーカーなどは機能を絞り込み、発展途上国向けにリデザインすることで人気を得ており、日本の環境技術についても同様なロジックが求められると思う。

私自身、マレーシアで日本の環境技術を幾つか紹介しているが、やはりコストが大きな障壁となっている。いずれの技術も、マレーシアが長年頭を痛めてきた問題に対して効果を発揮でき、技術的な部分にも関心を示してくれるが、最終的には高価すぎるとの理由から前進させることができない。多分、こうした事例は数多く存在すると思う。

ただ、逆にコスト性で決めてしまったために失敗した事例も多く耳にしている。ある国の実証データに乏しく、有効性も明確ではない技術を採用した案件では、事態を更に悪化させ、最終的にはそのまま放置状態とされたものもある。こうした事例を聞くと、やはり日本の環境技術の高信頼性や高い実績は特筆すべきだし、マレーシアなどの発展途上国に進出して欲しいと感じる。


[参考写真]



EV充電スタンド(KLCC B2駐車場)

たまたまKLCCに行った際、地下駐車場でEV充電スタンドを発見。


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(ピーターチン大臣の署名)

IGEM2012

IMG_0644s.jpg10月10日から13日の4日間、クアラルンプール・コンベンション・センターにて、アジア最大級の環境・エネルギー総合展『IGEM 2012』が開催された。私自身、最終日の午後に会場を訪れることができた。今回で3回目の開催だが、前回より明らかに規模が大きくなっており、内容も充実してきた印象。政府が積極的な政策を展開していることもあり、環境問題に対する意識がマレーシアでも高まってきているのだろう。
ただそれとは逆に、講演会の方はほとんど来場者がいない様子で寂しさを感じた。最終日で人が少なかったことも影響したのだろうか?







今回の展示会では、全体的にLED照明やEV関係、太陽光発電関連が多いように。特にLED照明に関しては、国内であまり普及が進んでおらず、一般の量販店でもあまり目にしないこともあってあまり期待していなかったが、数多くの企業が出展していたことに驚かされた。先日、マレーシア政府は2015年までにLED照明で5社をグローバル企業とすることを目指すといっていたが、なるほど力が入ってた。逆に、風力発電や水質浄化などはほとんど出展されておらず、偏りが大きいようにも感じられた。


[LED照明ブース]
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[EV関連]
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それと、会場では制服を着た学生を多く目にすることができた。各ブースで積極的に質問し、製品に触れる姿を見ていると、これからのマレーシアの環境技術での発展が楽しみに思えた。

あと、特に印象深かったのが日本企業の出展。大手自動車・家電メーカーだけでなく、JETROのブースでは優れた環境技術を有する中小企業が多数出展しており、強い存在感を示していた。また出展内容も興味深い内容となっており、ガラスコーティングなど他社とは異なる環境技術が数多く出展され、来場者の注目を集めていた。


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先日、ナジブ首相は東方政策30周年に際し、日本の中小企業とより緊密に協力し、特に環境技術や技術サービスや高付加価値セクター関連の中小企業を歓迎すると述べている。実際に、日本の中小企業においては多くの事業機会が存在すると思うが、現地企業はどうしても言語や慣習、コスト等の問題から欧米企業を重視してしまう傾向にある。しかし、誰もが日本企業の技術力と品質の高さは認めている。私自身も、ずっと日本の中小企業がマレーシアで活躍できる可能性を信じており、それを私自身の目標としている。また、マレーシアは東南アジアのハブとして機能できる土壌を持っており、日本の技術力が域内で効果的に波及できると考える。中でも、環境技術においては日本企業にとって多くの機会があり、優位性を示すこともできるだろう。





次の環境展では、より多くの日本企業が出展し、環境技術といえば日本企業と言えるまでに成長して欲しいと思う。

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