Managing in a Time of Great Change

違法ソフトウェア比率、マレーシアは55%に改善

5月15日、BSA: Business Software Alliance は世界各国の違法コピーソフトウェアの状況についてまとめた『2011 BSA GLOBAL SOFTWARE PIRACY STUDY』を発表した。報告書では、世界各国・地域における違法ソフトウェアの比率と損失額について統計が取られている。そしてBSA マレーシアからも、この報告書に関してプレスリリース『BSA REPORT FINDS 78 PERCENT OF COMPUTER USERS IN MALAYSIA ADMIT THEY PIRATE SOFTWARE』が出されており、マレーシア国内の状況について説明がされている。





まず調査においては、マレーシアのコンピュータユーザーの78%が違法コピーのソフトウェアを入手したことがあると認めていることが明らかにされている。また2011年においては、違法コピーのソフトウェアの比率は55%となっており、損害額はUS$ 6.57億(約RM 20億)となっている。

この損害額、世界規模で見るとマレーシアは上位20位以内に入っており、深刻な状況であることが分かる。ただ、金額ベースでは米国と中国の2カ国が他を大きく引き離している。マレーシアは、よく米国政府や企業から国内における違法ソフトウェア対策について圧力を受けてきたが、この数字を見るともっと圧力をかけるべき国があると感じるが…。


[違法ソフトウェア損害額、上位20カ国]
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次に、アセアン主要国と日中における2003年以降の違法ソフトウェアの比率推移を見ていくと、インドネシアとフィリピン以外は年々下降を続けており、改善傾向にあると言える。また、国民所得が高い国ほど違法ソフトウェアの比率が低い傾向にあり、マレーシアは先進諸国の数字に近づきつつある。


[アセアン主要国と日中における違法ソフト推移]
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違法ソフトウェアの比率が減少傾向にあるマレーシアだが、損害額を見ると年々増加傾向にある。そして2003年の水準から比較すると、2011年は金額で約5倍の数字に達している。こうした相反する傾向が現われると言うことは、違法ソフトウェアの価格が上昇していることを意味しているのだろうか?この辺の詳しい説明については、報告書でもプレスリリース記事で触れられていない…。


[マレーシアにおける違法ソフト比率と損失額(百万ドル)の推移]
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10年ほど前に比べると、今はKL市内のPCショップなどで違法ソフトウェアを目にすることはほぼなくなっている。当時は店頭に堂々とそうしたソフトウェアが並べられており、正規だと数万円もする高価なソフトウェアさえ、容易に格安で手に入れることができていた。よく、日本からの出張者が土産として購入していたし、業者にとても大きなビジネスになっていた。しかし、近年は警察や国内取引・協同組合・消費者省による取締りが強化されたこともあり、そうした光景も激減している。

あと企業レベルでも、違法ソフトウェアの使用が減少傾向にあると感じることができる。私がマレーシアへ来た2003年当時は、違法ソフトウェアを使用することが普通といった雰囲気があり、なぜ同じ機能なのにわざわざ高いカネを出して正規版を買う必要があるのか聞かれたこともある。当然、企業の側としてもソフトウェアに多額の費用を掛けたくないとの理由から、公然と違法ソフトウェアが使われていた。

しかし、違法ソフトウェアの摘発が強化されてからは、そうした状況も変わりつつある。以前聞いた話では、警察や国内取引・協同組合・消費者省による調査が抜き打ちで行われ、違法ソフトウェアを使用していることが分かればかなりの罰金が科せられると噂されていた。実際に調査が実施されていたのかどうかは分からないが(袖の下を渡せば全て解決のようにも)、それを機に企業の対応は変わってきたと感じる。

とは言え、まだまだ裏ルートで違法ソフトウェアが取引される状況は続いており、個人だと結構な数が流通していると思われる。私の周りのマレーシア人だと、個人が家で使用しているPCには全て違法ソフトウェア(アプリケーションだけでなくOSも)がインストールされている。正規版を使用しているのは、唯一私だけと言う寂しい状況。

BSAマレーシア委員会のRonald Chua氏は今回の報告書を受け、消費者の78%が万引きを認めた場合を引き合いに出し、公教育と法的処置の厳格化を訴えている。確かに、個人レベルでの利用が高い状況にあっては、各々のモラル改善に訴えるしかないだろうし、法的措置を厳格に履行していくことが求められるのだろう。

食の終焉 - ポール・ロバーツ著


食の終焉食の終焉
(2012/03/09)
ポール・ロバーツ

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私の実家は、家族で農業と酪農を営んでいた。30年ほど前の話だが、それでも当時から農業は先行きの見えない仕事であり、政府補助金や農協などによって生かされているという印象が強かった。そして今、私の実家の周りでは、農業従事者の高齢化が進み、後継者も少なくなっている状況にある。

本書では、米国内を中心とした食料問題について記述されているが、それでも農業政策や市場競争、或いは病気やウィルスの脅威にに晒される農業経営を見ていると、実家の記憶が思い起こされた。

また、農業や食料においては、RFID技術がサプライチェーンの最適化やトレーサビリティー実現のために使用されている。それに関連し、本書中ではブラジルで酪農に対する規制が緩和されていることから、牛肉の生産が急拡大していることが説明されていた。少し前の話だが、パートナー企業である韓国のタグメーカーが、ブラジル向けに大量のUHF帯家畜タグを受注していたことを話してくれた。家畜タグは、わざわざ米FDA: Food and Drug Administrationの承認まで取得しており、当時としてはなぜブラジル?という印象が強かった。しかし本書において、ブラジルは酪農における排泄物管理の規制緩和を行うことで、米国に変わって食肉産業で大きく飛躍していることが説明されており、当時の疑問に納得できた。

本書で取り上げられている問題については、マレーシアも同様に不安要素として台頭している。経済的な理由から、多くの熱帯雨林がパーム油のプランテーションと化し、同時に焼畑農業によってその面積は大きく減少している。焼畑農業はヘイズという大気汚染を引き起こし、毎年多くの健康被害が報告されている。食においても、欧米のファーストフードや小売店が数多く進出してきていることもあり、 明らかに飽食のカテゴリーに入っていると思われる。そして、肥満報告は年々増加を続けており、廃棄される食品も相当な量に上っている。

これだけ豊かになった食生活だが、安全性については不安を抱えたままの状況にある。食品のトレーサビリティーはほとんど確立されておらず、BSEのような病気が発生した場合、効果的な対策は打ち出せないだろう。実際、数年前にマレーシア農業省の依頼で、家畜牛にRFIDタグを取り付けて管理したいとあったが、色々と調査していくと、トレーサビリティーできる基本的なシステムも法整備も全くできていなかったことを憶えている。関係者としては、RFID導入によってこれら全てを一気に解決しようという思惑だったようだが、実際はそれほどシンプルではない…。以降も、食肉解体場からも同様の問い合わせが来るが、やはり基本的なシステムはできていないし、RFID導入による劇的な変化を期待している印象が強い。一応、会社としてきちんとプロポーザルは提出するが、今度は費用面で二の足を踏んでしまい、結局は導入に至らない。安全性を確立するためにもある程度の投資は必要なのだが、基本的なシステムも無いところに導入しようとなるとどうしても費用は高くなってしまい、結局はトレーサビリティーを実現できないという悪循環に陥っている。

こうした事情は、マレーシアだけに限ったことではなく、多くの発展途上国も似たような状況に陥っていると思う。そうした理由から、著者はウィルスなどによる食の最悪の事態の発祥地として、アジアを挙げている。アジアは膨大な人口を抱え、食品産業で急成長を遂げているが、医療部門や政治体制が持つ能力の不十分さによる不安は拭いきれないと。そして、食品の流通がグローバル化することで、その不安は世界的規模で短時間に拡散することを意味している。

ニールセンマレーシア、スマホ市場調査

5月9日のニュースサイトに、スマホ市場に関する調査報告書『Nielsen 2012 Smartphone Insights study』の記事が掲載されていた。ただ、いつもながらNielsenのウェブ上にこの報告書に関するリリース記事が見当たらない。
調査は、23ヶ国の35,000人以上の携帯電話利用者に対して行われた内容となっている。

まず、マレーシアにおけるスマートフォン普及率は、2012年第1四半期において27%に達していることが調査結果から示されている。25歳から34歳までの利用者が全体の36%を占めており、購買意欲の高さが理解できる。ただKL市内を見ていると、普及率の数字はもっと高いような印象もある。市内においては、スマートフォン以外の端末を目にすることの方が稀だし、販売店においてもほぼスマートフォンしか陳列されていない。

次にOS別で見ていくと、予想外にSymbianが2012年第1四半期において34%のシェアを占有している結果となっている。ノキアはWindows Phoneへ移行したものと認識していたが、実際同社のサイトを見るとSymbian OSのスマートフォンがまだ多く販売されている。以降は、Android OSが28%で、iPhone OS 18%、Blackberry OS 11%となっている。販売においては、サムスンがマレーシア国内で圧倒的な強さを見せているが、Symbian OSがまだ数多く使用されているのだろう。また、Windows Phoneは数字が示されておらず、マレーシア国内ではかなり苦戦している様子。販売店へ行っても、Windows Phoneの実機を触ってる人は少ないし、マレーシア国内での認知度はかなり低そう。


[マレーシア国内のスマートフォンOSシェア(2012年第1四半期)]
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また人気のOSとしては、Android OSが16歳から24歳の利用者から55%の票を得ているらしい。また、過去6ヶ月に販売されたスマートフォンの内、Android端末は全体の52%にも達しており、急速に成長していると言える。Androidは豊富なアプリが利用可能であり、且つ端末の選択肢の幅が広く、最近はメーカーから低廉版がリリースされていることもあり、若年層における人気が高いと思われる。アプリの利用形態においてもゲームのダウンロードが最も多く、56%のスマートフォンユーザーが定期的に利用しているという。

iPhoneにおいては、34%のiPhone利用者が毎月RM 150以上を費やしており、平均利用額が最も高いという結果に。また、定期的に利用するアプリについても、全てのスマートフォンユーザーの平均が19アプリであるのに対し、iPhoneユーザーは31アプリとなっている。スマートフォンの月額利用料金として、RM 150はかなり出費だと思うが。日本円にしておおよそ3,900円、日本の感覚だと毎月1万円をスマホの利用に費やしいる感覚だろう。

数年前と比較しても、マレーシアの消費者は明らかに携帯電話やデータ通信への出費比率を高めているし、それが市場トレンドとなっている。国内の携帯電話事情だけをみると、マレーシアはかなり豊かだと感じることができるだろう。

マレーシアのスマホ市場、サムスンがシェア60%超

数年前まで、マレーシアの携帯電話市場はフィンランドのノキアが独占状況にあった。種類が豊富で使い勝手も良く、下取り価格も高かった。私がマレーシアに来た2003年当時も、携帯電話を買うとなると有無もなくノキア製。

それが、スマートフォンの登場によって大きく市場の構図が変わってきた。特に、iPhoneの爆発的人気はマレーシア人消費者の購買意欲を急速に高める結果に。そしてAndroid端末の登場で選択肢の幅が広り、スマートフォンの普及が一気に加速していった。

携帯キャリアー各社も、通話とSMSによるビジネスから、主軸をデータ通信へ移してきた。その戦略においては、これまで小売店が販売していたスマートフォン本体を自社のパッケージに組み込み、通話とSMS、データ通信の全てを含めた料金体系とし、利用者により多くの付加価値を提供するものとなった。ちょうど、FacebookやTwitterなどのSNSの人気が高まったこともあり、この戦略は利用者の嗜好に合致していたと言えるだろう。

このトレンドの変化において、ノキアはSymbian OSでスマートフォンを市場に投入してきたが、競合他社との競争において優位性を発揮できるには至らなかった。その後も、Windows Phoneへの移行やNFC技術搭載などで市場回復を図ってきたが、状況は好転しないままとなっている。

そして5月4日のニュースにおいて、昨年第3四半期にはサムスンが携帯電話市場占有率においてノキアを上回っていたことが発表された。昨年のマレーシア国内におけるサムスンの成長率は1,000%もの数字となっており、マレーシア国内だけで60%超の市場占有率を誇っている。確かに、最近はGalaxy Noteを手に電話しているビジネスマンの姿をよく目にするし、KL市内のビルボードやポスターからも、サムスンがかなり積極的に展開していることを伺い知ることができる。

スマートフォンだけでなく、化粧品や自動車、家電、ファッション、エンターテイメントにおいても、韓国勢の勢いは高まっていると感じる。政府系プロジェクトにおいても、韓国勢は官民一体で強力にアプローチしており、影響力を強めている。逆に、以前は高品質・多機能で人気のあった日本製品だが、年々その存在は薄れてきているように感じる。

多分、こうした現象はマレーシアだけで起きているものではなく、世界共通だと感じる。確かに、いまも日本の製品は高信頼性という面では世界をリードしていると思われるが、消費者の需要に合致できていなかったり、アプローチが伝統的な日本の手法であるがために、国際市場において多くの事業機会を失っているのではないだろうか?私が働いているRFID業界においても、マレーシア市場においては韓国と中国のメーカーが存在感を示しており、残念ながら日本メーカーの名前を聞くことはあまりない。

とは言え、韓国勢のビジネスアプローチはかなり強引な印象があり、そこに危険性を感じることもあるが。そして、国際市場において日本製品に対するネームバリューはまだ高いので、挽回の機会はまだ十分にあるだろうし、私自身も期待している。

マレーシア政府、2020年までに環境車比率10%を目指す

5月3日、Edaran Tan Chong MotorはNissan Leafパイロットプログラムを発表。このパイロットプログラムでは、クランバレーにおいて10台の電気自動車リーフを投入し、現地市場でのフィジビリティースタディー、利用者からのフィードバック収集などを最大3年かけて行われる。日産マレーシアのウェブを見ると、リーフ専用ページが立ち上げられており、オンラインでプログラムへ参加できるようになっている。因みに電気自動車の投入は、マレーシアではプロトンと三菱自動車に次ぐもの。





この発表イベントの後、出席していた国際通商産業省のMustapa大臣から、現在マレーシア国内を走っているハイブリッドカーは8,000台、電気自動車は11台であることが示された。税制優遇措置が行われてから、KL市内で結構ハイブリッド車を目にするようにはなったが、やはり台数はかなり少ない。日本だと、だいたい新車販売の中でハイブリッド車は10%程度のシェアと言われているが、マレーシアのそれは1.4%程度にまで落ち込む。元々、マレーシアはガソリン価格が安価なこともあり、環境自動車に対して政府からの補助金があるわけでもないので、利用者からするとハイブリッド車購入による費用対効果は見出せないのだろう。

さらに同大臣は、2020年までにハイブリッド車と電気自動車のTIV: Total Industry Volume (市場総需要量)として10%を目指すと言及している。市場総需要量ということなので、全販売台数における比率と言うことなのだろうか?

ただ、この数字が先進的な目標値なのかどうかは分からない。参考までに、日本の経済産業省が示している数字としては、「2020年の新車販売台数に占める先進環境対応車の割合を、積極的な政策支援を前提として、政府として80%を目標とする」とし、乗用車普及目標として、2020年にハイブリッド車20〜30%、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車15〜20%、2030年で同30〜40%、20〜30%が示されている。

同大臣は、先進環境対応車を早期に普及させることで、域内におけるイニシアチブを握り、燃料補助金の削減を視野に入れているようだが、日本と比較するとどうしても積極性が感じられない。現在のハイブリッド車や電気自動車に対する優遇措置は2013年末までとなっており、その後の自動車政策がどうなるのかも不透明な様子。新聞紙上では、先進環境対応車メーカーに対して支援策が拡充される見通しても言われているが、予定通りにプロトン社が2012年中にハイブリッド車を市場へリリースした場合、同社の市場を保護するために海外メーカーに対して高額な税金を復活させる可能性も否めないように感じるが。

あと電気自動車に関しては、充電設備などのインフラ整備が必要となるが、マレーシアだと政府が一度政策として方向性を決めてしまうと、結構短期間に整備できると思う。現在、マレーシア政府はこのインフラ整備に向けて協力できる企業の支援が必要としており、日本企業に大きな事業機会があるだろう。

(参考)

Toyota Malaysiaハイブリッド車



Honda Malaysiaハイブリッド車



プロフィール

むらこそ

Author:むらこそ
マレーシアから、現地経済やICT、RFIDなどの情報を発信しています。
現在、真剣に転職を考えています。興味がございましたら、お問い合わせください。

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